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仏壇の処分費用|4つのルートの相場と、閉眼供養のお布施をいくら包むか

実家の和室に置かれた伝統的な仏壇 墓じまい・供養
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実家を片付けていて、最後まで手が止まるのが仏壇です。

家具なら迷わず処分できるのに、仏壇だけは「勝手に捨てていいのか」という気持ちが残ります。しかも費用が2,000円から16万円まで、ルートによって80倍も開きます。

この記事では、4つのルートの費用を並べたうえで、閉眼供養にいくら包むか、そして処分の前に必ずやっておくことを書きます。

家庭に仏壇が「ある」と答えた人は41.2%です。一戸建てでは51.8%ですが、マンションなどの集合住宅では21.1%まで下がります。実家をたたむとき、多くの人が同じところでつまずいています。

みどりみどり
実家の仏壇をどうするか決められません。粗大ごみに出すのは、さすがに気が引けてしまって。
たくみ先生たくみ先生
その気持ちのまま処分すると、後で必ず後悔します。 先に閉眼供養だけ済ませてしまうのが実務です。供養を終えれば、あとは家具と同じ扱いになります。順番の問題です。

結論|先に3つ

仏壇の処分で先に押さえる3つの点

1. 閉眼供養が先、処分が後

お布施の相場は1万〜5万円です。これを済ませてから処分の方法を選びます。

2. 費用はルートで大きく変わる

自治体の粗大ごみなら500〜3,000円、仏具店の訪問引取なら5万5,000円から16万5,000円です。

3. 引き出しを全部空にしてから運び出す

現金・通帳・権利証・実印が出てくることがあります。相続財産の調査でもあります。

仏壇も含めて、実家の中身をまとめて片付ける

仏壇だけを単独で頼むより、家財ごと見積もりを取ったほうが割安になります。 遺品整理の業者は供養にも対応しています。全国の優良業者から一括で見積もりを取れます。

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処分の前に、引き出しを全部空にする

仏壇から出てくることがあるもの

供養の話より先に、これを書きます。

仏壇には引き出しがいくつもあり、台座の下が収納になっているものもあります。そこに現金や通帳が入っていることが珍しくありません。

出てくることがあるもの

出てくるもの なぜそこにあるか
現金 仏前に供えた金、香典の残り
預金通帳・キャッシュカード 「仏さまが見ている」という発想で保管される
権利証・登記識別情報通知 大事なものを仏壇にしまう習慣
実印・印鑑登録証 同上
生命保険の証券 同上
遺言書 自筆証書遺言が出てくることがある
過去帳 家系の記録。処分してはいけない

これらは相続財産の調査そのものです。仏壇を先に運び出してしまうと、中身ごと消えます。

とくに遺言書が出てきた場合、自筆証書遺言なら開封せずに家庭裁判所の検認が要ります。勝手に開けると5万円以下の過料の対象です。

みどりみどり
仏壇の引き出しなんて、開けたこともありませんでした。
たくみ先生たくみ先生
私が関わった中では、仏壇の下から定期預金の証書が出てきたケースがありました。遺産分割が終わった後で、やり直しになっています。処分業者を呼ぶ前に、全段を開けて、中身を写真に撮っておいてください。

閉眼供養(魂抜き)とは何か

閉眼供養の位置づけと宗派による呼び方

仏壇には本尊が安置されています。開眼供養(魂入れ)によって礼拝の対象になったものを、元のただの木の箱に戻すのが閉眼供養です。

呼び方は宗派で変わります。

呼び方 使われる場面
閉眼供養 最も一般的な呼称
魂抜き 口語。関東で多い
お性根抜き 口語。関西で多い
遷座法要 浄土真宗

浄土真宗には「魂を抜く」という考え方がありません。 本尊を別の場所に移す「遷座法要」にあたります。菩提寺に依頼するときは、この言い方の違いを気にしなくて構いません。「仏壇を処分したい」と伝えれば通じます。

宗教的な儀式なので、法律上の義務ではありません。ただ、これを飛ばすと親族から必ず言われます。費用対効果としては、やっておいたほうが安いという判断になります。


お布施はいくら包むか

閉眼供養のお布施と御車代の相場

金額の決まりはありません。相場として言われている幅は次のとおりです。

項目 目安 いつ必要か
お布施 1万〜5万円 常に
御車代 5,000円〜1万円 僧侶に来てもらったとき
御膳料 5,000円〜1万円 会食をして僧侶が参加しないとき

菩提寺と長い付き合いがある場合は、3万〜10万円になることもあります。判断に迷ったら、寺に直接聞いてください。「皆さんどれくらいお包みですか」と尋ねるのは失礼ではありません。

菩提寺がない場合は、僧侶の手配サービスを使えます。この場合は定額で3万〜5万円程度が多く、金額が事前に分かります。

表書きや渡し方、ほかの法要での目安はお布施の相場にまとめました。


処分の4ルートと費用

仏壇の処分の4ルートと費用

供養が済んだら、あとは運び出しです。

ルート 費用の目安 向いている人
菩提寺に引き取ってもらう 3万〜10万円前後 付き合いのある寺がある
仏具店に依頼する 2万〜8万円前後 供養と処分をまとめたい
不用品回収業者に頼む 1万〜5万円 他の家財と一緒に出したい
自治体の粗大ごみ 500〜3,000円程度 供養を別に済ませた

菩提寺 — 供養と引き取りをまとめて頼めます。ただし、寺によっては引き取り自体を受けていません。先に電話で確認してください。

仏具店 — 買い替えなら割引があります。持ち込むと安くなります。

不用品回収業者 — 家財の処分と一緒に出せるので、実家じまいでは最も現実的です。ただし許可の確認が要ります(後述)。

自治体 — いちばん安い方法です。ただし大きな仏壇は粗大ごみで出せない自治体もあります。 金具やガラスを外す必要がある場合もあるので、事前に清掃課へ確認してください。


仏具店に頼むと、高さで決まる

仏壇の高さ別のお焚き上げ料金

仏具店の料金は、仏壇の高さで段階が決まります。メモリアルアートの大野屋が公表している料金を例に挙げます。

仏壇の高さ 訪問引取 店舗持込 買い替え時
60cm未満 55,000円 49,500円 33,000円
60〜120cm 110,000円 104,500円 55,000円
120〜180cm 165,000円 159,500円 77,000円

仏像・位牌・掛軸・遺影写真は1つ11,000円、仏具一式が11,000円です。

供養の形でも変わります。合同供養なら1万〜5万円、個別供養なら5万〜10万円が目安です。

実家にある伝統的な仏壇は、120〜180cmの段階に入ることがほとんどです。 つまり訪問引取だと16万円台になります。持ち込めば5,500円安くなりますが、180cmの仏壇を運べる車がある人は多くありません。

みどりみどり
16万円ですか。想像していた3倍くらいです。
たくみ先生たくみ先生
だから実家じまいでは、遺品整理や不用品回収とまとめて出すのが現実的なんです。仏壇1点だけを単独で頼むのが、いちばん割高になります。 タンスも冷蔵庫も出すのですから、そのトラックに一緒に載せてもらいます。

自治体の粗大ごみで出すとき

供養を別に済ませたなら、粗大ごみで出すのは間違った選択ではありません。費用は500〜3,000円程度です。

ただし確認することが3つあります。

  1. その自治体が仏壇を粗大ごみで受け付けているか — 受け付けない自治体があります
  2. サイズの上限 — 一辺の長さに制限があり、超えると受け付けられません
  3. 分解が必要か — ガラス扉や金属部品を外すよう求められることがあります

そして運び出しです。180cmの仏壇は、大人2人でも階段を通せないことがあります。 仏間から玄関までの動線に、鴨居や曲がり角があるからです。分解しながら出すことになり、半日仕事になります。

金具を外すと、木部が割れることもあります。壊してしまっても供養は済んでいるので問題はありませんが、運び出しを想定していない場所に置かれているという前提で考えてください。

自分で出す手間と、業者に払う金額。実家じまいでは、他の家財との兼ね合いで決めてください。

みどりみどり
仏間が2階にあります。これは自分では無理そうですね。
たくみ先生たくみ先生
2階の仏間は、まず自力では出せないと考えてください。 階段の踊り場で必ず引っかかります。 分解できる構造かどうかも、仏壇によって違います。2階にあるなら、はじめから業者の見積もりに入れてしまうほうが早いです。
実家の家財を運び出す片付けの様子

仏壇も家財も、まとめて1日で出す

仏壇だけを残すと、結局もう一度業者を呼ぶことになります。まとめて出したほうが、往復の費用が乗りません。 不用品の回収に対応していて、見積もりは無料です。

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位牌・遺影・過去帳・本尊はどうするか

位牌・遺影・過去帳・本尊の扱い

仏壇と中身は、扱いが別です。

もの 扱い
本位牌 閉眼供養のうえ、お焚き上げ。1つ11,000円程度
遺影 お焚き上げ、または手元に残す
過去帳 処分しない。 家系の記録として残す
本尊・掛軸 閉眼供養のうえ、お焚き上げ
仏具(りん・燭台など) 金属は資源ごみ。一式で11,000円程度の供養も可
位牌を残したいとき 小型の仏壇やミニ位牌に作り替える

過去帳だけは残してください。 先祖の戒名・没年月日が書かれた家系の記録で、作り直せません。仏壇を処分しても、過去帳は保管します。

位牌を全部残すのが負担なら、先祖をまとめた「繰り出し位牌」や「回出位牌」に作り替える方法があります。仏具店で数万円です。

遺骨が仏壇のそばに置かれている場合は、別の判断が要ります。納骨堂や永代供養を先に決めてください。

みどりみどり
位牌が7つもあります。全部お焚き上げに出すと、それだけで7万円を超えてしまいます。
たくみ先生たくみ先生
その場合は繰り出し位牌にまとめるほうが安く済みます。数万円で1つにまとまり、手元に残せます。古い位牌を全部お焚き上げにするか、まとめて残すか。 ここは費用ではなく、これから誰が手を合わせるかで決めてください。

無許可の回収業者に渡さない

家庭のごみを回収できる許可とできない許可

ここは金額よりも大事です。

家庭から出る廃棄物を集めて運ぶには、一般廃棄物収集運搬業の許可が要ります。環境省も、無許可の回収業者を利用しないよう注意を呼びかけています。

紛らわしい許可に注意してください。

持っているもの 家庭のごみを回収できるか
一般廃棄物収集運搬業の許可 できる
産業廃棄物収集運搬業の許可 できない(事業所のごみ用)
古物商の許可 できない(中古品の売買用)
リサイクルショップの登録 できない

無許可の業者に渡して不法投棄されると、出した側の責任が問われることがあります。 仏壇が山中に捨てられていた、という事例は実際にあります。

確認のしかたは簡単です。「一般廃棄物収集運搬業の許可番号を教えてください」と聞くだけです。答えられない業者は使いません。自治体のホームページには、許可業者の一覧が載っています。

チラシで「無料回収」をうたう業者、軽トラックで巡回している業者は、後から高額を請求される事例が多く報告されています。


親族に先に伝える

費用の話より揉めるのが、ここです。

墓じまいと同じで、仏壇にも「自分にも言う権利がある」と考える人がいます。 処分してから伝えると、金額ではなく順番で怒られます。

伝える相手は次のあたりです。

  • 亡くなった方のきょうだい
  • 自分のきょうだい
  • 法事に参列してきた親族
  • 菩提寺(付き合いがある場合)

伝え方は「処分してよいか」ではなく、「閉眼供養をして、こういう形で供養を続けます」と決めた内容を伝えるほうがまとまります。相談の形にすると、決まらないまま止まります。

墓じまいに親族が反対したときの進め方が、そのまま使えます。

みどりみどり
叔母に言うと、絶対に反対されそうです。
たくみ先生たくみ先生
反対は「処分すること」ではなく「相談されなかったこと」に対して出ます。 決めた内容を、事前に伝える。 これだけで9割は収まります。引き取り先と供養の形まで決めてから連絡してください。

実家の中身を、供養も含めてまとめて頼む

仏壇・位牌・遺影の供養に対応している遺品整理業者なら、1日で終わります。家財と別々に手配するより、総額は安くなります。 見積もりは無料です。

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つまずきやすい8つ

仏壇の処分でつまずきやすい点
  • 引き出しを空にせず運び出した — 通帳・権利証・遺言書が消える
  • 過去帳を一緒に処分した — 家系の記録。作り直せない
  • 閉眼供養をせずに捨てた — 親族から必ず言われる
  • 無許可の回収業者に渡した — 不法投棄されると出した側の責任
  • 仏壇1点だけを単独で頼んだ — 往復の費用が乗って割高になる
  • 粗大ごみで出せると思い込んだ — 受け付けない自治体、サイズ上限がある
  • 処分してから親族に伝えた — 揉めるのは金額ではなく順番
  • 遺骨の行き先を決めずに始めた — 仏壇がなくなると置き場所に困る

よくある質問

Q. 閉眼供養をしないと処分できませんか

法律上の義務ではありません。ただ、親族への説明がつかなくなります。1万〜5万円で済むので、済ませてから処分するほうが結果的に楽です。

Q. 菩提寺がありません

僧侶の手配サービスか、仏具店の合同供養を使います。定額で3万〜5万円程度です。

Q. 浄土真宗ですが、魂抜きは必要ですか

浄土真宗には魂を抜くという考え方がなく、「遷座法要」にあたります。寺に「仏壇を処分したい」と伝えれば案内してもらえます。

Q. 仏壇の買取はできますか

唐木仏壇や金仏壇で状態が良ければ、値がつくことがあります。ただし実家にある使用済みの仏壇は、ほとんど値がつきません。期待しないでください。

Q. 遺影は処分してもいいですか

問題ありません。お焚き上げに出すか、写真をデータにして手元に残す方法もあります。1つ11,000円程度で供養を頼めます。

Q. 小さい仏壇に買い替えたい

仏具店の買い替え割引が使えます。高さ120〜180cmの仏壇でも、買い替えなら77,000円程度になります。

Q. 神棚も同じですか

神棚は神社でお焚き上げしてもらいます。仏壇とは別の手配です。お礼は5,000円〜1万円程度が目安です。

Q. 位牌を全部持ち帰るのは大変です

繰り出し位牌に作り替えれば、1つにまとめられます。仏具店で数万円です。


まとめ

  • 家庭に仏壇が「ある」のは41.2%。集合住宅では21.1%まで下がる
  • 処分の前に、引き出しと台座下を全部空にする。現金・通帳・権利証・遺言書が出てくる
  • 自筆証書遺言が出てきたら、開封せず家庭裁判所の検認へ
  • 過去帳は処分しない。家系の記録で作り直せない
  • 閉眼供養(魂抜き)を先に済ませる。お布施は1万〜5万円、御車代は5,000円〜1万円
  • 浄土真宗は「遷座法要」。呼び方が違うだけで手配は同じ
  • 菩提寺3万〜10万円、仏具店2万〜8万円、不用品回収1万〜5万円、粗大ごみ500〜3,000円
  • 仏具店の料金は高さで決まる。120〜180cmの訪問引取は165,000円
  • 実家の仏壇は大きいものが多く、単独で頼むといちばん高くつく
  • 一般廃棄物収集運搬業の許可番号を確認する。産廃の許可や古物商では回収できない
  • 親族には、決めた内容を事前に伝える。相談の形にすると止まる

仏壇の処分は、費用よりも順番で決まります。供養を先に済ませて、家財とまとめて出す。 この2つで、金額も気持ちも収まります。

この記事について

執筆:葉山 湊(はやま みなと)

自身の家族の実家じまいを経験し、そのときに「どこにも書かれていなかったこと」を出発点にこのサイトを立ち上げました。税理士・宅地建物取引士などの資格は保有していません。制度や統計については、必ず一次情報(環境省・自治体・事業者の公表価格)にあたって記事に反映しています。

本記事の主な出典は次のとおりです。

・無許可の回収業者への注意:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」

・処分方法と費用の目安:小さなお葬式「仏壇の処分とは?費用目安や具体的な方法、注意点などを解説」

・お焚き上げの料金:メモリアルアートの大野屋「仏壇処分の方法・費用を完全ガイド」

・仏壇の保有率:産経「ソナエ」仏壇の保有率は?

・自筆証書遺言の検認:裁判所「遺言書の検認」

金額は地域・宗派・事業者によって変わります。本記事の内容は2026年9月24日時点の公表情報にもとづきます。実際の依頼前には、必ず見積もりを取ってご確認ください。

この記事を書いた人
葉山 湊実家じまいガイド運営者

企業の財務・事業の調査(デューデリジェンス)や資産の評価を本業としています。費用は内訳と前提条件に分けて示し、制度や税金は法令と国税庁・法務省・国土交通省・各自治体などの一次情報で確かめて、出典と情報の時点を記事に明記しています。

税理士・司法書士・宅地建物取引士などの資格は保有していません。個別の税務・法律の判断は、専門家にご確認ください。

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