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一日葬の費用と流れ|中央値74.43万円、通夜を省いても半額にならない理由

式が始まる前の葬儀式場の祭壇と椅子 葬儀
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一日葬は、通夜を行わず、告別式と火葬を1日で済ませる形です。

「二日分が一日になるのだから、半分になるはず」と考える人が多いのですが、実際に減るのは飲食費と返礼品のあたりだけです。 祭壇も棺も火葬料も、二日でも一日でも同じだけかかります。

中央値は74.43万円。直葬の49.56万円と家族葬の96.39万円のあいだに位置します。

何が減って何が減らないのか、そして通夜を省いたことで後から出てくる問題は何か。順に見ていきます。

みどりみどり
通夜をやらなければ、費用は半分になりますか。
たくみ先生たくみ先生
なりません。減るのは通夜振る舞いの飲食費と、返礼品の一部です。 祭壇、棺、ドライアイス、安置料、寝台車、火葬料、遺影、お布施。ここは一日でも二日でも変わりません。 実際の差は家族葬と比べて2割ほどです。そして通夜を省くと、別のところで手間が増えます。 弔問に来られなかった方が、後日ばらばらに自宅へ来られるのです。

結論|先に3つ

一日葬で先に押さえる3つの点

1. 中央値74.43万円。半額にはならない

減るのは飲食費と返礼品。祭壇と火葬料は変わりません。

2. 菩提寺に先に確認する

通夜と告別式の二日にわたる読経を前提とする寺院では、一日葬を認めないことがあります。

3. 弔問対応は後ろにずれる

来られなかった人が、後日自宅を訪れます。その対応が分散して残ります。

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「一式」の表示では、何が含まれているか読めません。 火葬料と安置日数が込みかどうかを明記した資料を、複数社から取り寄せて比べてください。無料です。

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一日葬とは何か

一日葬は、通夜を省き、告別式と火葬を同じ日に行う形式です。

省くのは通夜と通夜振る舞いだけで、それ以外は家族葬・一般葬と変わりません。祭壇を組み、式場を使い、僧侶を呼び、参列者を迎えます。

やること
前日まで 搬送、安置、納棺、打ち合わせ、親族への連絡
当日 告別式、出棺、火葬、収骨
省くもの 通夜、通夜振る舞い、寝ずの番

「火葬だけ」の直葬とは別のものです。直葬の費用は直葬の費用で扱っています。


費用の相場

葬儀の形式別の費用(中央値)

出典は鎌倉新書「第7回 お葬式に関する全国調査」(2026年2月27日〜3月3日、回答2,000件)です。

種類 中央値
一般葬 122.01万円
家族葬 96.39万円
一日葬 74.43万円
直葬・火葬式 49.56万円
全体 96.73万円

一日葬を選んだ人は全体の11.9%でした。

第7回から、集計が平均値ではなく中央値に変わりました。過去の回も中央値で再集計されています。他のサイトで見る「平均◯万円」とは計算の方法が違うので、数字が合わなくても誤りとは限りません。

実勢のレンジは40万〜80万円前後です。中央値を下回る事例も多く、参列者の人数と式場の規模で大きく動きます。

74.43万円の中身を分解する

全体96.73万円の内訳は、基本料金72.02万円・飲食費11.67万円・返礼品費13.03万円でした。一日葬に置き換えると、おおよそ次の配分になります。

区分 目安 中身
基本料金 50万〜60万円 祭壇、棺、寝台車、霊柩車、安置、ドライアイス、司会、スタッフ
式場・火葬料 5万〜15万円 公営か民営か、市民か市外かで大きく動く
飲食費 3万〜7万円 火葬後の会食のみ
返礼品費 4万〜8万円 参列者数に比例する
お布施 別途10万〜30万円 見積もりには含まれない

お布施は葬儀社の見積もりに入っていません。 ここを別枠で見ておかないと、総額が2〜3割ずれます。


通夜を省いても半額にならない

一日葬で減る費用と減らない費用

全体96.73万円の内訳は、基本料金72.02万円、飲食費11.67万円、返礼品費13.03万円です。

通夜を省いて減るのは、このうち飲食費の一部と返礼品の一部だけです。

減るもの 減らないもの
通夜振る舞いの飲食費 祭壇、棺、骨壺
返礼品(弔問者が減るぶん) ドライアイス、安置料
式場の1日分の使用料 寝台車、霊柩車、マイクロバス
寝ずの番の宿泊費 火葬料、収骨
— 遺影、司会、スタッフ
— お布施、戒名料

基本料金72.02万円のほとんどは「減らないもの」に入ります。家族葬96.39万円との差が21.96万円にとどまるのは、このためです。

通夜を省く目的が費用なら、効果は思ったより小さいです。 費用を下げたいなら、参列者の人数と式場の規模を見直すほうが効きます。


直葬・家族葬との違い

直葬・一日葬・家族葬の違い
直葬 一日葬 家族葬
費用の中央値 49.56万円 74.43万円 96.39万円
日数 火葬のみ 1日 2日
通夜 なし なし あり
告別式 なし あり あり
祭壇 なし あり あり
式場使用料 不要 必要 必要
読経 炉前のみ(任意) あり あり

選ぶ基準は、儀式の有無ではなく人数です。 呼びたい人が10人を超えるなら、椅子と式場が要るので一日葬以上になります。数人なら直葬で足ります。

みどりみどり
親族は来ますが、父の会社関係の方が何人いるか読めません。
たくみ先生たくみ先生
読めないときは一日葬が扱いやすいです。 直葬だと、来てくださった方をお迎えする場所がありません。一日葬なら式場があるので、人数が読めなくても収まります。 ただし返礼品と飲食は、多めに用意すると確実に余ります。 返礼品は後日発送に切り替えられる業者を選び、当日は手渡し分だけ用意する形にしてください。

菩提寺に先に確認する

一日葬で菩提寺に確認すること

一日葬でいちばん多いつまずきがここです。

仏式の葬儀は、通夜と告別式の二日にわたる読経を前提としている宗派・寺院があります。そうした菩提寺に無断で一日葬を行うと、後になって納骨を断られることがあります。

葬儀社を決める前に、次の4つを菩提寺に確認してください。

1. 一日葬でよいか

2. 読経は何回になるか

通夜の読経がなくなるぶん、お布施をどう扱うか。

3. 戒名はどうするか

4. 納骨の予定に影響がないか

菩提寺がないなら、この問題は起きません。 葬儀社に僧侶を手配してもらえば、一日葬を前提に来てもらえます。

お布施の考え方は四十九日法要の準備でも触れています。

寺院の本堂の内部

みどりみどり
菩提寺が遠方で、すぐに連絡がつきません。
たくみ先生たくみ先生
留守番電話でも構わないので、まず一報を入れてください。 記録を残すことに意味があります。「連絡したが折り返しがないので、やむを得ず一日葬にした」という事実が残ります。 連絡なしで進めた場合と、後の話し合いがまったく違います。葬儀社にも、菩提寺があることを先に伝えてください。 手配する僧侶の宗派が違うと、後で問題になります。

当日の流れ

一日葬の当日の流れ

火葬場の予約時間から逆算して組みます。目安は次のとおりです。

時刻の目安 やること
前日まで 搬送・安置・納棺、親族への連絡
9:00 式場入り、受付の準備、供花の確認
10:00 告別式(読経・焼香)
11:00 出棺、火葬場へ移動
11:30 火葬(1〜2時間)
13:00 収骨
13:30 繰り上げ初七日法要、会食
15:00 解散

朝が早いのが一日葬の特徴です。 火葬の枠が午前中に取れないと、収骨が夕方になり、遠方の親族が当日に帰れなくなります。


火葬場の空きで日程が決まる

自分たちの都合では決まりません。火葬場の空き枠が最初に決まり、そこから逆算します。

都市部では3〜5日待つことがあります。その間の費用がかかります。

項目 目安
安置料(式場・安置施設) 1日5,000円〜1万円
ドライアイス 1日1万円前後
面会の付き添い 施設による

待つ日数が延びるほど、通夜を省いて浮いた分が消えていきます。

待つあいだ、遺族には次の作業が残ります。

  • 死亡届の提出と火葬許可証の受け取り(7日以内)
  • 親族と関係先への連絡
  • 遺影に使う写真を選ぶ
  • 喪主の挨拶を考える
  • 会食の人数を確定する

安置している施設で面会できるかどうかは、施設によって違います。自宅安置なら毎日そばにいられますが、住宅事情で難しいことも多いです。

友引の翌日は特に混みます。 友引に休む火葬場が多いためです。日程を決める前に、葬儀社に空き状況を確認してもらってください。


みどりみどり
午後の火葬しか空いていないと言われました。
たくみ先生たくみ先生
告別式が昼、収骨が夕方になります。 遠方の親族は当日に帰れなくなるので、宿泊が要るかを先に聞いてください。一日葬にした理由が「親族の負担を減らすため」なら、午後の枠では目的が達成できません。 1日ずらして午前の枠を取るほうが、結果として楽なことがあります。 その場合は安置料が1日分増えるので、そこと比べて決めてください。

見積もりで抜けやすい項目

一日葬の見積もりで抜けやすい項目

「一日葬プラン一式」という表示に含まれないことが多い項目です。

  • 火葬料(公営か民営か、市民か市外かで数万円違う)
  • 安置料とドライアイス(日数分)
  • 搬送距離の超過料金(10km超で加算)
  • 式場使用料(自社ホールか公営斎場か)
  • 会食費と返礼品
  • お布施・戒名料
  • マイクロバス、ハイヤー
  • 心づけ

見積書は「総額」で出してもらってください。 一式表示のままだと、当日になって加算されます。

費用を下げる4つの手

手 効き方
公営斎場を使う 式場使用料と火葬料が民営の半分以下になることがある
返礼品を後日発送に切り替える 余りが出ない。当日は手渡し分だけ用意する
祭壇のランクを下げる 基本料金でいちばん動く項目
安置日数を減らす 火葬枠が早く取れる日を選ぶ

いちばん効くのは公営斎場です。 住民であれば火葬料が無料または数千円の自治体もあります。逆に市外だと数万円かかります。

金額の内訳と下げ方は葬儀費用は誰が払うのかで扱っています。

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1社だけでは、その金額が高いか安いか判断できません。含まれる項目が違うだけで、総額は20万円単位で動きます。 プラン内容と総額を無料で取り寄せられます。

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来られなかった人への対応

一日葬を選ぶと、参列できる人が減ります。 平日の日中に告別式をするので、仕事のある人は来られません。

その結果、次のことが起きます。

  • 後日、自宅に弔問に来られる(何度も、別々に)
  • 香典を郵送で受け取り、そのつど香典返しを手配する
  • 「知らせてもらえなかった」という不満が出る

訃報の出し方で、かなり防げます。 一日葬にする旨と、参列を辞退いただく場合はその旨を、はじめに書いておくことです。

伝え方 効果
一日葬である旨を明記する 通夜に来てしまう人を防げる
参列辞退なら、その旨も書く 後日の弔問が減る
香典辞退なら、その旨も書く 香典返しの手配が減る
後日の弔問を受ける日を示す 訪問が1日にまとまる

「落ち着いたら連絡します」と書くと、連絡待ちの人が増えて、結局長引きます。

みどりみどり
参列を遠慮していただくのは、失礼になりませんか。
たくみ先生たくみ先生
失礼にはなりません。書き方の問題です。 「誠に勝手ながら、故人の遺志により近親者のみで執り行います」と書けば、角は立ちません。むしろ書かないほうが、来てよいのか迷わせてしまいます。 相手が判断に困らない情報を出すことが、いちばん丁寧です。 後日弔問を受ける日を1日決めて添えると、さらに親切です。

向く場合・向かない場合

一日葬が向く場合と向かない場合
向く 向かない
参列者が10〜30人程度 会社関係で100人規模になる
遺族が高齢で、2日間の拘束が難しい 菩提寺が二日の読経を求めている
親族が遠方で、前泊が難しい 地域の慣習が強く残っている
菩提寺がない、または了解が得られた 香典で費用を賄う想定がある
何もしないのは、という声がある 参列できない人が多く出る

香典を当てにしているなら、一日葬は不利です。 参列者が減るぶん香典も減り、費用の自己負担が増えます。


みどりみどり
参列してくださった方には、当日に返礼品をお渡しすればよいですか。
たくみ先生たくみ先生
当日返しで構いません。一日葬では、香典の額にかかわらず同じ品を当日お渡しし、高額の方には後日あらためて差額分を送る形が多いです。人数が読めないときは、当日分を少なめに用意して、足りない分を後日発送に回してください。 余った返礼品は返品できないことが多く、そのまま損になります。

公営斎場が使えるかも、資料で分かる

式場使用料と火葬料は、公営か民営かで倍ほど違います。地域の斎場に対応しているかを含めて、プランと総額を無料で取り寄せられます。

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つまずきやすい8つ

一日葬でつまずきやすい点
  • 「半額になる」と思った — 減るのは飲食費と返礼品。差は2割程度
  • 菩提寺に確認しなかった — 納骨を断られることがある
  • 火葬場の空きを見ずに日程を決めた — 都市部では3〜5日待つ
  • 安置料とドライアイスを見ていなかった — 待つ日数分かかる
  • 一式表示の見積もりで契約した — 当日に加算される
  • 訃報に一日葬と書かなかった — 通夜に来てしまう人が出る
  • 返礼品を人数分用意した — 余る。後日発送に切り替える
  • 香典で賄うつもりだった — 参列者が減れば香典も減る

よくある質問

Q. 一日葬でも戒名はもらえますか

もらえます。菩提寺がある場合は、一日葬でよいかとあわせて確認してください。

Q. 一日葬に香典は必要ですか

一般の葬儀と同じです。辞退の案内があれば包みません。

Q. 参列者の服装は

喪服です。通夜がないので、平服で行く場面がありません。

Q. 一日葬でも初七日法要はしますか

火葬後に繰り上げて行うのが一般的です。同じ日のうちに済みます。

Q. 安置はどこでしますか

自宅、葬儀社の安置施設、または式場です。自宅に安置できない住宅事情のときは施設になり、日数分の費用がかかります。

Q. 生活保護を受けていた場合は使えますか

葬祭扶助の範囲は火葬に必要な最低限で、祭壇を組む一日葬は対象外です。直葬が対象になります。

Q. 一日葬の費用は相続税で差し引けますか

差し引けます。通夜・告別式・火葬・納骨にかかった費用は債務控除の対象です。香典返しと初七日以降の法要費用は対象外です。

Q. 費用は誰が払いますか

法律に決まりはありません。喪主が立て替え、相続財産から精算する形が多く見られます。


まとめ

  • 一日葬は、通夜を省いて告別式と火葬を1日で行う形式
  • 費用の中央値は74.43万円。直葬49.56万円と家族葬96.39万円のあいだ
  • 実勢のレンジは40万〜80万円前後。選んだ人は全体の11.9%
  • 減るのは通夜振る舞いの飲食費、返礼品、式場の1日分、宿泊費
  • 減らないのは祭壇、棺、ドライアイス、安置料、寝台車、火葬料、遺影、お布施
  • 家族葬との差は18.2万円。半額にはならない
  • 菩提寺がある場合は、葬儀社を決める前に一日葬でよいかを確認する
  • 無断で一日葬にすると、納骨を断られることがある
  • 日程は火葬場の空き枠から逆算する。都市部では3〜5日待つことがある
  • 待つ日数分、安置料(1日5,000円〜1万円)とドライアイス(1日1万円前後)がかかる
  • 見積もりは総額で出してもらう。一式表示のままだと当日に加算される
  • 訃報に一日葬である旨と、辞退の有無を書いておくと後日の弔問が減る
  • 香典を当てにしているなら、参列者が減るぶん自己負担は増える
  • 葬儀費用は相続税の債務控除の対象。香典返しと初七日以降の法要は対象外

一日葬を選ぶ理由が「費用」だけなら、金額の差は思っているより小さいです。 「二日間、親族を拘束したくない」「遺族が高齢で体力がもたない」。そちらが理由なら、一日葬はよく合う形です。

この記事について

執筆:葉山 湊(はやま みなと)

自身の家族の実家じまいを経験し、そのときに「どこにも書かれていなかったこと」を出発点にこのサイトを立ち上げました。葬祭ディレクターなどの資格は保有していません。金額や制度については、公表されている調査や一次情報にあたって記事に反映しています。

本記事の主な出典は次のとおりです。

・費用の中央値:鎌倉新書「第7回 お葬式に関する全国調査」(2026年2月27日〜3月3日、回答2,000件)

・相場のレンジ:むすびす「平均相場はどれくらい?一日葬における費用の目安を解説」/シンプルなお葬式「一日葬の費用平均はいくら?」

金額は地域と式場の規模で変わります。本記事の内容は2026年9月28日時点の公表情報にもとづきます。依頼前には必ず複数社から見積もりを取ってください。

この記事を書いた人
葉山 湊実家じまいガイド運営者

企業の財務・事業の調査(デューデリジェンス)や資産の評価を本業としています。費用は内訳と前提条件に分けて示し、制度や税金は法令と国税庁・法務省・国土交通省・各自治体などの一次情報で確かめて、出典と情報の時点を記事に明記しています。

税理士・司法書士・宅地建物取引士などの資格は保有していません。個別の税務・法律の判断は、専門家にご確認ください。

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