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一日葬は、通夜を行わず、告別式と火葬を1日で済ませる形です。
「二日分が一日になるのだから、半分になるはず」と考える人が多いのですが、実際に減るのは飲食費と返礼品のあたりだけです。 祭壇も棺も火葬料も、二日でも一日でも同じだけかかります。
中央値は74.43万円。直葬の49.56万円と家族葬の96.39万円のあいだに位置します。
何が減って何が減らないのか、そして通夜を省いたことで後から出てくる問題は何か。順に見ていきます。
結論|先に3つ

1. 中央値74.43万円。半額にはならない
減るのは飲食費と返礼品。祭壇と火葬料は変わりません。
2. 菩提寺に先に確認する
通夜と告別式の二日にわたる読経を前提とする寺院では、一日葬を認めないことがあります。
3. 弔問対応は後ろにずれる
来られなかった人が、後日自宅を訪れます。その対応が分散して残ります。
総額が分かる見積もりを、先に取る
「一式」の表示では、何が含まれているか読めません。 火葬料と安置日数が込みかどうかを明記した資料を、複数社から取り寄せて比べてください。無料です。
プロモーションを含みます。
一日葬とは何か
一日葬は、通夜を省き、告別式と火葬を同じ日に行う形式です。
省くのは通夜と通夜振る舞いだけで、それ以外は家族葬・一般葬と変わりません。祭壇を組み、式場を使い、僧侶を呼び、参列者を迎えます。
| やること | |
|---|---|
| 前日まで | 搬送、安置、納棺、打ち合わせ、親族への連絡 |
| 当日 | 告別式、出棺、火葬、収骨 |
| 省くもの | 通夜、通夜振る舞い、寝ずの番 |
「火葬だけ」の直葬とは別のものです。直葬の費用は直葬の費用で扱っています。
費用の相場

出典は鎌倉新書「第7回 お葬式に関する全国調査」(2026年2月27日〜3月3日、回答2,000件)です。
| 種類 | 中央値 |
|---|---|
| 一般葬 | 122.01万円 |
| 家族葬 | 96.39万円 |
| 一日葬 | 74.43万円 |
| 直葬・火葬式 | 49.56万円 |
| 全体 | 96.73万円 |
一日葬を選んだ人は全体の11.9%でした。
第7回から、集計が平均値ではなく中央値に変わりました。過去の回も中央値で再集計されています。他のサイトで見る「平均◯万円」とは計算の方法が違うので、数字が合わなくても誤りとは限りません。
実勢のレンジは40万〜80万円前後です。中央値を下回る事例も多く、参列者の人数と式場の規模で大きく動きます。
74.43万円の中身を分解する
全体96.73万円の内訳は、基本料金72.02万円・飲食費11.67万円・返礼品費13.03万円でした。一日葬に置き換えると、おおよそ次の配分になります。
| 区分 | 目安 | 中身 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 50万〜60万円 | 祭壇、棺、寝台車、霊柩車、安置、ドライアイス、司会、スタッフ |
| 式場・火葬料 | 5万〜15万円 | 公営か民営か、市民か市外かで大きく動く |
| 飲食費 | 3万〜7万円 | 火葬後の会食のみ |
| 返礼品費 | 4万〜8万円 | 参列者数に比例する |
| お布施 | 別途10万〜30万円 | 見積もりには含まれない |
お布施は葬儀社の見積もりに入っていません。 ここを別枠で見ておかないと、総額が2〜3割ずれます。
通夜を省いても半額にならない

全体96.73万円の内訳は、基本料金72.02万円、飲食費11.67万円、返礼品費13.03万円です。
通夜を省いて減るのは、このうち飲食費の一部と返礼品の一部だけです。
| 減るもの | 減らないもの |
|---|---|
| 通夜振る舞いの飲食費 | 祭壇、棺、骨壺 |
| 返礼品(弔問者が減るぶん) | ドライアイス、安置料 |
| 式場の1日分の使用料 | 寝台車、霊柩車、マイクロバス |
| 寝ずの番の宿泊費 | 火葬料、収骨 |
| — | 遺影、司会、スタッフ |
| — | お布施、戒名料 |
基本料金72.02万円のほとんどは「減らないもの」に入ります。家族葬96.39万円との差が21.96万円にとどまるのは、このためです。
通夜を省く目的が費用なら、効果は思ったより小さいです。 費用を下げたいなら、参列者の人数と式場の規模を見直すほうが効きます。
直葬・家族葬との違い

| 直葬 | 一日葬 | 家族葬 | |
|---|---|---|---|
| 費用の中央値 | 49.56万円 | 74.43万円 | 96.39万円 |
| 日数 | 火葬のみ | 1日 | 2日 |
| 通夜 | なし | なし | あり |
| 告別式 | なし | あり | あり |
| 祭壇 | なし | あり | あり |
| 式場使用料 | 不要 | 必要 | 必要 |
| 読経 | 炉前のみ(任意) | あり | あり |
選ぶ基準は、儀式の有無ではなく人数です。 呼びたい人が10人を超えるなら、椅子と式場が要るので一日葬以上になります。数人なら直葬で足ります。
菩提寺に先に確認する

一日葬でいちばん多いつまずきがここです。
仏式の葬儀は、通夜と告別式の二日にわたる読経を前提としている宗派・寺院があります。そうした菩提寺に無断で一日葬を行うと、後になって納骨を断られることがあります。
葬儀社を決める前に、次の4つを菩提寺に確認してください。
1. 一日葬でよいか
2. 読経は何回になるか
通夜の読経がなくなるぶん、お布施をどう扱うか。
3. 戒名はどうするか
4. 納骨の予定に影響がないか
菩提寺がないなら、この問題は起きません。 葬儀社に僧侶を手配してもらえば、一日葬を前提に来てもらえます。
お布施の考え方は四十九日法要の準備でも触れています。

当日の流れ

火葬場の予約時間から逆算して組みます。目安は次のとおりです。
| 時刻の目安 | やること |
|---|---|
| 前日まで | 搬送・安置・納棺、親族への連絡 |
| 9:00 | 式場入り、受付の準備、供花の確認 |
| 10:00 | 告別式(読経・焼香) |
| 11:00 | 出棺、火葬場へ移動 |
| 11:30 | 火葬(1〜2時間) |
| 13:00 | 収骨 |
| 13:30 | 繰り上げ初七日法要、会食 |
| 15:00 | 解散 |
朝が早いのが一日葬の特徴です。 火葬の枠が午前中に取れないと、収骨が夕方になり、遠方の親族が当日に帰れなくなります。
火葬場の空きで日程が決まる
自分たちの都合では決まりません。火葬場の空き枠が最初に決まり、そこから逆算します。
都市部では3〜5日待つことがあります。その間の費用がかかります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 安置料(式場・安置施設) | 1日5,000円〜1万円 |
| ドライアイス | 1日1万円前後 |
| 面会の付き添い | 施設による |
待つ日数が延びるほど、通夜を省いて浮いた分が消えていきます。
待つあいだ、遺族には次の作業が残ります。
- 死亡届の提出と火葬許可証の受け取り(7日以内)
- 親族と関係先への連絡
- 遺影に使う写真を選ぶ
- 喪主の挨拶を考える
- 会食の人数を確定する
安置している施設で面会できるかどうかは、施設によって違います。自宅安置なら毎日そばにいられますが、住宅事情で難しいことも多いです。
友引の翌日は特に混みます。 友引に休む火葬場が多いためです。日程を決める前に、葬儀社に空き状況を確認してもらってください。
見積もりで抜けやすい項目

「一日葬プラン一式」という表示に含まれないことが多い項目です。
- 火葬料(公営か民営か、市民か市外かで数万円違う)
- 安置料とドライアイス(日数分)
- 搬送距離の超過料金(10km超で加算)
- 式場使用料(自社ホールか公営斎場か)
- 会食費と返礼品
- お布施・戒名料
- マイクロバス、ハイヤー
- 心づけ
見積書は「総額」で出してもらってください。 一式表示のままだと、当日になって加算されます。
費用を下げる4つの手
| 手 | 効き方 |
|---|---|
| 公営斎場を使う | 式場使用料と火葬料が民営の半分以下になることがある |
| 返礼品を後日発送に切り替える | 余りが出ない。当日は手渡し分だけ用意する |
| 祭壇のランクを下げる | 基本料金でいちばん動く項目 |
| 安置日数を減らす | 火葬枠が早く取れる日を選ぶ |
いちばん効くのは公営斎場です。 住民であれば火葬料が無料または数千円の自治体もあります。逆に市外だと数万円かかります。
金額の内訳と下げ方は葬儀費用は誰が払うのかで扱っています。
2社の資料を並べると、抜けが見える
1社だけでは、その金額が高いか安いか判断できません。含まれる項目が違うだけで、総額は20万円単位で動きます。 プラン内容と総額を無料で取り寄せられます。
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来られなかった人への対応
一日葬を選ぶと、参列できる人が減ります。 平日の日中に告別式をするので、仕事のある人は来られません。
その結果、次のことが起きます。
- 後日、自宅に弔問に来られる(何度も、別々に)
- 香典を郵送で受け取り、そのつど香典返しを手配する
- 「知らせてもらえなかった」という不満が出る
訃報の出し方で、かなり防げます。 一日葬にする旨と、参列を辞退いただく場合はその旨を、はじめに書いておくことです。
| 伝え方 | 効果 |
|---|---|
| 一日葬である旨を明記する | 通夜に来てしまう人を防げる |
| 参列辞退なら、その旨も書く | 後日の弔問が減る |
| 香典辞退なら、その旨も書く | 香典返しの手配が減る |
| 後日の弔問を受ける日を示す | 訪問が1日にまとまる |
「落ち着いたら連絡します」と書くと、連絡待ちの人が増えて、結局長引きます。
向く場合・向かない場合

| 向く | 向かない |
|---|---|
| 参列者が10〜30人程度 | 会社関係で100人規模になる |
| 遺族が高齢で、2日間の拘束が難しい | 菩提寺が二日の読経を求めている |
| 親族が遠方で、前泊が難しい | 地域の慣習が強く残っている |
| 菩提寺がない、または了解が得られた | 香典で費用を賄う想定がある |
| 何もしないのは、という声がある | 参列できない人が多く出る |
香典を当てにしているなら、一日葬は不利です。 参列者が減るぶん香典も減り、費用の自己負担が増えます。
公営斎場が使えるかも、資料で分かる
式場使用料と火葬料は、公営か民営かで倍ほど違います。地域の斎場に対応しているかを含めて、プランと総額を無料で取り寄せられます。
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つまずきやすい8つ

- 「半額になる」と思った — 減るのは飲食費と返礼品。差は2割程度
- 菩提寺に確認しなかった — 納骨を断られることがある
- 火葬場の空きを見ずに日程を決めた — 都市部では3〜5日待つ
- 安置料とドライアイスを見ていなかった — 待つ日数分かかる
- 一式表示の見積もりで契約した — 当日に加算される
- 訃報に一日葬と書かなかった — 通夜に来てしまう人が出る
- 返礼品を人数分用意した — 余る。後日発送に切り替える
- 香典で賄うつもりだった — 参列者が減れば香典も減る
よくある質問
Q. 一日葬でも戒名はもらえますか
もらえます。菩提寺がある場合は、一日葬でよいかとあわせて確認してください。
Q. 一日葬に香典は必要ですか
一般の葬儀と同じです。辞退の案内があれば包みません。
Q. 参列者の服装は
喪服です。通夜がないので、平服で行く場面がありません。
Q. 一日葬でも初七日法要はしますか
火葬後に繰り上げて行うのが一般的です。同じ日のうちに済みます。
Q. 安置はどこでしますか
自宅、葬儀社の安置施設、または式場です。自宅に安置できない住宅事情のときは施設になり、日数分の費用がかかります。
Q. 生活保護を受けていた場合は使えますか
葬祭扶助の範囲は火葬に必要な最低限で、祭壇を組む一日葬は対象外です。直葬が対象になります。
Q. 一日葬の費用は相続税で差し引けますか
差し引けます。通夜・告別式・火葬・納骨にかかった費用は債務控除の対象です。香典返しと初七日以降の法要費用は対象外です。
Q. 費用は誰が払いますか
法律に決まりはありません。喪主が立て替え、相続財産から精算する形が多く見られます。
まとめ
- 一日葬は、通夜を省いて告別式と火葬を1日で行う形式
- 費用の中央値は74.43万円。直葬49.56万円と家族葬96.39万円のあいだ
- 実勢のレンジは40万〜80万円前後。選んだ人は全体の11.9%
- 減るのは通夜振る舞いの飲食費、返礼品、式場の1日分、宿泊費
- 減らないのは祭壇、棺、ドライアイス、安置料、寝台車、火葬料、遺影、お布施
- 家族葬との差は18.2万円。半額にはならない
- 菩提寺がある場合は、葬儀社を決める前に一日葬でよいかを確認する
- 無断で一日葬にすると、納骨を断られることがある
- 日程は火葬場の空き枠から逆算する。都市部では3〜5日待つことがある
- 待つ日数分、安置料(1日5,000円〜1万円)とドライアイス(1日1万円前後)がかかる
- 見積もりは総額で出してもらう。一式表示のままだと当日に加算される
- 訃報に一日葬である旨と、辞退の有無を書いておくと後日の弔問が減る
- 香典を当てにしているなら、参列者が減るぶん自己負担は増える
- 葬儀費用は相続税の債務控除の対象。香典返しと初七日以降の法要は対象外
一日葬を選ぶ理由が「費用」だけなら、金額の差は思っているより小さいです。 「二日間、親族を拘束したくない」「遺族が高齢で体力がもたない」。そちらが理由なら、一日葬はよく合う形です。
この記事について
執筆:葉山 湊(はやま みなと)
自身の家族の実家じまいを経験し、そのときに「どこにも書かれていなかったこと」を出発点にこのサイトを立ち上げました。葬祭ディレクターなどの資格は保有していません。金額や制度については、公表されている調査や一次情報にあたって記事に反映しています。
本記事の主な出典は次のとおりです。
・費用の中央値:鎌倉新書「第7回 お葬式に関する全国調査」(2026年2月27日〜3月3日、回答2,000件)
・相場のレンジ:むすびす「平均相場はどれくらい?一日葬における費用の目安を解説」/シンプルなお葬式「一日葬の費用平均はいくら?」
金額は地域と式場の規模で変わります。本記事の内容は2026年9月28日時点の公表情報にもとづきます。依頼前には必ず複数社から見積もりを取ってください。

