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実家を売ると決めてから、お金が入るまでにどれくらいかかるのか。
一般には「3か月から6か月」と言われます。ただし相続した実家では、その前に登記の工程が入ります。 ここを見落とすと、半年のつもりが1年になります。
この記事では、工程ごとの日数を積み上げ、なぜ長引くのかを市場のデータから説明します。
結論|先に3つ

1. 売り出しから引き渡しまでは3か月から6か月
売り出して3か月で買主が決まり、契約から引き渡しに1か月から2か月かかります。
2. 相続なら、その前に1か月から3か月
戸籍を集めて相続登記を済ませないと、売買契約を結んでも引き渡せません。
3. 長引く理由のほとんどは価格
首都圏の中古戸建は、売り出し価格と成約価格の差が948万円あります。
期間を決めるのは、最初につける値段
高く出しすぎると売れ残り、下げても「売れ残り物件」として見られます。最初に複数社の査定額を並べておくと、適正な幅が分かります。 入力は60秒ほどで、費用はかかりません。
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工程ごとの日数を積み上げる

| 工程 | 目安 |
|---|---|
| 相続登記(相続の場合) | 1か月から3か月 |
| 机上査定 | 1日から3日 |
| 訪問査定 | 1週間 |
| 媒介契約 | 数日 |
| 売り出しから買主が決まるまで | 1か月から6か月 |
| 売買契約 | 1日 |
| 買主の住宅ローン審査 | 2週間から1か月 |
| 決済と引き渡し | 契約から1か月から2か月 |
| 確定申告 | 翌年2月16日から3月15日 |
相続でない場合の合計
査定から引き渡しまで、およそ4か月から8か月です。
相続の場合の合計
相続登記を足して、5か月から11か月になります。戸籍の収集でつまずくと、さらに延びます。
逆算するなら、売りたい時期の1年前から動き始めることになります。 空き家の特例など期限のある制度を使うつもりなら、この逆算が必要です。
長引く理由は、市場のデータに出ている


東日本レインズの2026年8月のデータを見ます。首都圏の中古戸建住宅です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 成約件数 | 1,641件 |
| 在庫件数 | 23,277件 |
| 成約価格 | 3,960万円 |
| 新規登録価格 | 4,908万円 |
| 在庫価格 | 4,799万円 |
| 成約の築年数 | 25.31年 |
| 在庫の築年数 | 26.96年 |
在庫は、成約の14.2か月分
23,277件を1,641件で割ると14.2です。いま売りに出ている物件がすべてはけるまで、この売れ行きなら14か月かかる計算になります。
売り出し値と成約値の差は948万円
新規に登録された物件の平均は4,908万円、実際に成約した物件の平均は3,960万円。差は948万円、率にして19.3パーセントです。
つまり「出した値段のおよそ2割下」が、実際に売れている水準です。 最初から成約水準で出せば早く売れ、上乗せすれば在庫に回ります。
売れ残っている物件は、839万円高い
在庫の平均価格4,799万円は、成約価格より839万円高い金額です。市場に残っているのは「高い物件」であって、必ずしも「悪い物件」ではありません。
相続した実家は、登記が先に来る

名義が親のままでは、買主に所有権を移せません。売買契約は結べても、決済ができません。
工程と日数
- 戸籍を集める(2週間から2か月):被相続人の出生から死亡までと、相続人全員分
- 遺産分割協議(数日から数か月):誰が相続するかを決める
- 登記申請(法務局で1週間から2週間):書類がそろっていれば早い
いちばん読めないのは、戸籍の収集
転籍が多い方、本籍地が遠方の方は、郵送のやり取りが繰り返されます。1か所あたり1週間から2週間かかります。
2024年3月から、戸籍の広域交付が始まりました。最寄りの市区町村で、本籍地以外の戸籍もまとめて取れます。ただし請求できるのは本人、配偶者、直系血族に限られ、兄弟姉妹の戸籍は取れません。
協議がまとまらないと、そこで止まる
相続人の一人が連絡に応じない、認知症で判断能力がない、といった事情があると、登記の前に別の手続きが入ります。成年後見人の選任には2か月から4か月かかります。
戸籍を集める工程は、任せられる
出生から死亡までの戸籍をそろえる作業は、郵送のやり取りが何往復も発生します。依頼すれば、この工程を自分で動かずに済ませられます。 全国対応、初回相談は無料です。
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売り出す前に、2週間かかる準備がある

査定を受けてから売り出すまでに、揃えるものがあります。ここを後回しにすると、売り出しが2週間から1か月遅れます。
書類
| 書類 | 入手先 | 目安 |
|---|---|---|
| 登記識別情報(権利証) | 手元 | 紛失時は司法書士に依頼 |
| 登記事項証明書 | 法務局 | 1通600円、即日 |
| 固定資産税の納税通知書 | 手元 | 毎年4月から6月に届く |
| 建築確認済証・検査済証 | 手元 | 再発行不可。台帳記載事項証明で代替 |
| 測量図・境界確認書 | 手元、法務局 | ない場合は測量へ |
| 設備の取扱説明書、保証書 | 手元 |
権利証をなくしていても、売れる
登記識別情報を紛失しても再発行はできませんが、司法書士による本人確認情報の作成で代替できます。費用は5万円から10万円ほどです。
検査済証がないことは珍しくない
古い住宅では、検査を受けていない建物が一定数あります。買主の住宅ローンに影響することがあるため、早めに不動産会社へ伝えてください。
写真を撮る時期
内覧より先に、ポータルサイトの写真が判断されます。晴れた日の午前中に、すべての窓を開けて撮ると印象が変わります。 荷物が残っているなら、片付けてから撮り直してもらいます。
手取りは、売却価格から何を引くか
3,000万円で売れたとして、手元に残る金額を計算します。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 売却価格 | 3,000万円 |
| 仲介手数料 | 105万6,000円(3パーセント+6万円+消費税) |
| 印紙代 | 1万円 |
| 抵当権抹消の登録免許税と報酬 | 2万円から3万円 |
| 相続登記の費用(相続の場合) | 10万円から15万円 |
| 解体費(更地にする場合) | 150万円から250万円 |
| 遺品整理・残置物撤去 | 20万円から60万円 |
| 確定測量(必要な場合) | 40万円から80万円 |
| 譲渡所得税・住民税 | 特例の有無で0円から数百万円 |
「解体するかどうか」で200万円動く
古い家は、更地にしたほうが売れやすくなります。ただし解体すると住宅用地の特例が外れ、翌年の固定資産税が最大6倍になります。年内に売れなければ、その負担が乗ります。
解体の判断は、買主が決まってからでも間に合います。 売買契約で「引き渡しまでに更地にする」と定める方法があります。
空き家の特例を使うなら、解体は買主でもよい
令和6年1月1日以後の譲渡から、買主が翌年2月15日までに取り壊せば特例が使えます。解体費を先に出す必要がなくなりました。
査定の受け方で、その後の期間が決まる
机上査定は1日から3日
住所、面積、築年数などの情報だけで概算を出します。周辺の成約事例から計算するので、現地は見ません。
売るかどうかを決めていない段階なら、これで十分です。
訪問査定は1週間
担当者が現地を見て、建物の状態、日当たり、接道、境界の状況まで確認します。実際に売り出す価格は、この査定をもとに決めます。
複数社に出す理由は、平均を取るためではない
1社だけだと、その金額が高いのか安いのか判断できません。3社から4社に出すと、幅が見えます。
大事なのは、いちばん高い金額を選ぶことではありません。 高すぎる査定を出す会社は、媒介契約を取るために盛っていることがあります。売り出した後で「下げましょう」と言われ、結局その分だけ時間を失います。
聞くべきは、根拠
- どの成約事例を参照したか
- その事例と、この物件の違いをどう調整したか
- この価格なら、何か月で売れると見ているか
3つ目に具体的な数字で答えられる担当者は、市況を見ています。
媒介契約は3種類ある
| 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
|---|---|---|---|
| 依頼できる会社数 | 複数 | 1社 | 1社 |
| 自分で買主を見つける | できる | できる | できない |
| レインズへの登録義務 | なし | 7日以内 | 5日以内 |
| 報告の頻度 | 定めなし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 契約期間 | 定めなし | 3か月以内 | 3か月以内 |
専任にすると、その会社が動く
1社に絞ると、広告費をかけてもらいやすくなります。報告の義務もあるため、状況が見えます。
一般にすると、競争が起きる
複数社が同時に動くので、買主の母数は増えます。ただし1社あたりの熱量は下がります。
囲い込みに注意する
専任で預かった物件を他社に紹介せず、自社で買主を見つけようとする行為があります。両方から手数料を得られるためです。レインズに登録されているか、登録証明書を見せてもらってください。
切り替えのタイミング
専任は3か月以内と決まっています。2か月動きがなければ、更新のときに価格か会社を見直します。
仲介と買取で、期間がまったく違う

| 仲介 | 買取 | |
|---|---|---|
| 買主 | 一般の個人 | 不動産会社 |
| 期間 | 3か月から6か月 | 2週間から1か月 |
| 価格 | 市場価格 | 市場価格の6割から8割 |
| 仲介手数料 | かかる | かからないことが多い |
| 内覧 | 何組も受ける | 1回 |
| 契約不適合責任 | 売主が負う | 免責になることが多い |
買取は、期間を金で買う
1,000万円の差が出ることもあります。それでも選ばれるのは、次のような場合です。
- 相続税の納付期限(10か月)が迫っている
- 遠方に住んでいて、内覧のたびに通えない
- 近所に知られたくない
- 建物の状態が悪く、仲介では買い手がつかない
買取保証という中間
一定期間は仲介で売り出し、売れなければ約束した価格で不動産会社が買い取る方式です。期限のある売却では、この方式が現実的な選択肢になります。
会社ではなく、担当者を見る
期間の差は、会社の規模より担当者の動き方で出ます。
確認すること
- その地域の成約事例を持っているか:直近半年で何件扱ったかを聞く
- 報告が具体的か:「反響がありました」ではなく、何件の問い合わせで何組の内覧かを数字で言えるか
- 売り止めの提案をするか:売れないときに値下げ以外の選択肢を出せるか
- こちらの期限を把握しているか:相続税の納期や特例の期限を、担当者が覚えているか
大手と地域密着の違い
大手は集客力があり、ポータルサイトの掲載枠も多く持っています。地域密着の会社は、その地域で探している顧客を抱えていることがあります。
実家がある地域と、自分が住んでいる地域が違う場合、実家の地域に強い会社を選びます。 自宅の近くの支店に頼むと、物件の状況がつかめません。
担当者が変わったら、伝え直す
異動や退職で担当が変わることがあります。引き継ぎが不十分だと、期限の認識が抜け落ちます。変わった時点で、こちらの事情をもう一度説明してください。
季節で、売れ行きは変わる
レインズの直近13か月の成約件数を並べると、動きが見えます。
2025年8月から順に、1,611/1,986/1,804/1,932/1,859/1,496/1,910/2,169/1,839/1,835/2,019/1,738/1,641件。
3月が最も多く、1月が最も少ない
3月は2,169件、1月は1,496件。1.45倍の差があります。新生活に向けた動きが、この差を作ります。
逆算すると、売り出しは秋から冬
3月に契約を決めたいなら、11月から1月には売り出している必要があります。買主が動く時期より2か月から3か月早く、市場に出しておくことになります。
ただし季節の影響より、価格の影響のほうがはるかに大きくなります。時期を待って高く出すより、今の水準で出すほうが早く終わります。
内覧が入らないときに見る3つ
売り出して1か月経っても問い合わせがない場合、原因は3つのどれかです。
1. 価格
似た条件の成約事例と比べます。成約事例より高ければ、そこが原因です。 売り出し価格と成約価格の差が2割ある市場では、上乗せした分だけ埋もれます。
2. 情報の出し方
- 写真の枚数が少ない
- 室内の写真が暗い
- 間取り図が載っていない
- 掲載しているポータルサイトが1つだけ
3. 媒介契約の種類
専属専任や専任にすると、1社だけが窓口になります。動きが鈍い場合、一般媒介に切り替えて複数社に任せる方法があります。
専任媒介は契約期間が3か月以内と決まっています。更新のタイミングが、見直しの機会になります。
内覧から契約までに起きること
内覧は土日に集中する
問い合わせから内覧までは数日です。実際に見に来る組数は、価格が市場に合っていれば売り出しから1か月で3組から5組。合っていなければ0組のまま過ぎます。
購入申込書が入る
買いたい人は「購入申込書」を出します。ここに希望価格、引き渡し希望日、住宅ローンを使うかどうかが書かれています。
指値交渉が入る
売り出し価格から100万円から200万円の値引きを求められるのが一般的です。最初から交渉分を上乗せしておくと、その分だけ検索から外れます。 どちらを取るかは、期間をどれだけ短くしたいかで決まります。
契約までは1週間から2週間
申込みを受けてから、重要事項説明と売買契約です。手付金として売買代金の5パーセントから10パーセントを受け取ります。
ローン特約で白紙に戻ることがある
買主の住宅ローンが通らなかった場合、契約は白紙解除になり、手付金は返します。ここで1か月から2か月を失うことがあります。
事前審査を通している買主かどうかは、申込みの段階で確認できます。通っている買主を選ぶと、やり直しになる見込みが下がります。
引き渡しまでに終わらせること
売買契約から決済までの1か月から2か月で、やることが集中します。
残置物を片付ける
家具、家電、仏壇、衣類。引き渡しは原則として空の状態です。 一軒家の遺品整理は、業者に頼むと数十万円かかり、日程も2日から3日押さえます。
境界を確定させる
隣地との境界が不明確な場合、確定測量を求められることがあります。3か月から4か月かかる工程なので、契約前に着手しておく必要があります。
ライフラインを止める
電気、ガス、水道。決済日に合わせて手続きします。空き家の特例を使う場合、電気の使用中止日が分かる書類を求められます。
鍵と書類をそろえる
すべての鍵、建築確認済証、設計図書、設備の取扱説明書。見つからないものは、早めに管理会社や施工会社へ問い合わせます。
家財が残っているなら、日程を先に押さえる
遺品整理は、決済日の直前に頼もうとしても業者の予定が埋まっています。契約が決まった時点で見積もりだけ取っておくと、日程の調整が効きます。 一括で複数社の金額を比べられます。
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地方・築古・再建築不可のときは、前提が変わる
ここまでの日数は、買い手のいる市場の話です。条件によっては、そもそも母数が違います。
地方の物件
首都圏の在庫が14か月分という数字は、買い手が多い市場でのものです。人口が減っている地域では、1年以上売り出しても問い合わせが入らないことがあります。
再建築不可
接道の条件を満たさず、建て替えができない土地です。住宅ローンが使えないため、買主は現金で買える人に限られます。
越境や境界未確定
隣地の塀や樹木が越えている、境界標が見つからない。確定測量に3か月から4か月かかるため、着手が遅れるとその分そのまま延びます。
残置物が多い
家財が残ったままだと、内覧の印象が落ちます。片付けの日程が取れずに売り出しが遅れることもあります。
この場合の出口
- 訳あり物件の専門業者に買い取ってもらう
- 隣地の所有者に売る(接道や越境の問題が同時に解決する)
- 空き家バンクに登録する
- 相続土地国庫帰属制度を検討する(建物がある場合は取り壊しが必要)
どれも「高く売る」方法ではありません。 期間と金額のどちらを優先するかを、先に決めておく必要があります。
引き渡しの後にやること
売って終わりではありません。期限のあるものが残ります。
確定申告(翌年2月16日から3月15日)
利益が出た場合と、特例を使う場合は申告します。税額が0円でも、特例は申告しないと適用されません。
住民税(翌年6月ごろ)
確定申告をすれば別途の申告は不要です。6月ごろに納付書が届きます。
国民健康保険料(翌年度)
自営業や退職後の方は、譲渡所得が保険料の算定に入ります。翌年度の保険料が上がります。
火災保険の解約
引き渡し後は自分の保険を解約します。長期契約なら、残りの期間分が返ってきます。手続きしなければ戻りません。
固定資産税の精算
引き渡し日を境に、日割りで買主と精算するのが一般的です。受け取った精算金は、譲渡所得の収入金額に含めます。
売れない期間に、いくらかかっているか

「もう少し待てば高く売れるかもしれない」と考える間にも、費用は出ていきます。
毎年かかるもの
- 固定資産税・都市計画税:年10万円から20万円
- 火災保険:年2万円から5万円(空き家は割高になる)
- 電気・水道の基本料金:年1万円から2万円
- 管理の交通費:往復で1回5,000円から2万円
- 草刈り・庭木の手入れ:年2万円から10万円
年間で15万円から40万円が、持っているだけで出ます。月にすると1万円から3万円です。
200万円高く売るために1年待つ価値はあるか
年30万円かかるなら、1年待って200万円高く売れれば170万円の得です。ただし市場が下がれば逆になります。レインズの成約価格は8か月連続で上昇していますが、これが続く保証はありません。
期限を過ぎると失うもの
| 失うもの | 期限 |
|---|---|
| 相続放棄 | 3か月 |
| 相続税の取得費加算 | 3年10か月 |
| 空き家の3,000万円特別控除 | 相続から3年目の年末、かつ2027年12月31日 |
| 住宅用地の特例(管理不全空家に指定された場合) | 勧告を受けた時点 |
特定空家・管理不全空家に指定されると、税が上がる
放置して自治体から勧告を受けると、住宅用地の特例が外れます。土地の固定資産税が最大6倍になります。
相続登記をしないと、過料がある
2024年4月から義務化され、正当な理由なく3年以内に申請しないと10万円以下の過料の対象になります。売らずに持ち続ける場合も、登記だけは済ませてください。
期限から逆算する

相続した実家には、動かせない期限があります。
| 期限 | 内容 |
|---|---|
| 3か月 | 相続放棄の申述 |
| 10か月 | 相続税の申告と納付 |
| 3年 | 相続登記の申請義務 |
| 相続から3年目の年末 | 空き家の3,000万円特別控除 |
| 3年10か月 | 取得費加算の特例 |
相続税の納税資金に充てるなら、10か月が上限
売却代金で相続税を払うつもりなら、10か月以内に決済まで終える必要があります。登記に3か月、売却に6か月。合計9か月で、余裕は1か月しかありません。
このスケジュールが厳しいと判断したら、買取を含めて検討することになります。
空き家の特例を使うなら、3年目の年末
3年近くありますが、登記と売却で1年近くかかることを踏まえると、相続から2年以内には売り出しておきたいところです。
期限に間に合わないと分かった時点で、仲介から買取に切り替える判断が要ります。 価格は下がりますが、特例が使えれば税額で取り返せることがあります。
よくある質問
Q. 売り出す前に、家の中を片付けるべきですか
最低限、生活感のあるものは片付けてください。ただし全部を空にする必要はありません。空き家は生活のイメージが湧きにくく、かえって売れにくくなることがあります。
Q. リフォームしてから売ったほうが高く売れますか
多くの場合、かけた費用は回収できません。買主が自分の好みで直したいと考えるためです。ハウスクリーニングまでにとどめるのが一般的です。
Q. 空き家のまま売り出せますか
売り出せます。電気だけは通しておくと、内覧の際に照明が使えます。
Q. 遠方に住んでいます。何回現地に行くことになりますか
媒介契約、売買契約、決済で最低3回です。契約は郵送でも可能な場合があります。内覧は不動産会社が鍵を預かって対応します。
Q. 内覧には立ち会ったほうがよいですか
空き家なら不要です。売主がいると、買主が遠慮して細かく見られません。
Q. 買主が決まってから、キャンセルされることはありますか
あります。住宅ローンの審査が通らなかった場合、白紙解除になる特約が一般的です。その場合は売り出しからやり直しになります。
Q. 共有名義ですが、一人で売れますか
売れません。共有者全員の同意が必要です。全員の都合を合わせる分、日程が延びます。
Q. 売却を急いでいることは、不動産会社に言ってよいですか
伝えて構いません。ただし買主に伝わると、値引き交渉の材料になります。 交渉の場では出さないよう、担当者に念を押してください。
Q. 媒介契約の期間中に、他社へ変えられますか
専任と専属専任は、期間中は他社に頼めません。期間は3か月以内と決まっているので、満了で切り替えます。
Q. 決済の日は、どこに集まりますか
買主が住宅ローンを使う場合、その金融機関の店舗です。売主、買主、不動産会社、司法書士が集まり、1時間ほどで終わります。
Q. 売り出し価格は、査定額どおりにしますか
査定額は「3か月で売れる見込みの価格」として出されます。それより高く出すなら、その分だけ期間が延びると考えてください。
Q. マンションと戸建てで、期間は違いますか
マンションのほうが早い傾向があります。同じ建物の成約事例が積み上がっていて、価格の目安が立てやすいためです。戸建ては1件ごとに条件が違うので、比較に時間がかかります。
Q. 住みながら売ることはできますか
できます。ただし内覧のたびに在宅と片付けが必要です。実家が空き家なら、この負担はありません。
Q. 隣の人に先に声をかけたほうがよいですか
土地の形が悪い、接道が狭いといった条件なら、隣地の所有者が最も高く買える相手になります。不動産会社を通さずに話すと、後で手数料の扱いでもめることがあります。 媒介契約の前に相談してください。
Q. 売却を途中でやめられますか
媒介契約は解除できます。ただし売買契約を結んだ後にやめると、手付金の倍返しなどの違約になります。
Q. 固定資産税は誰が払いますか
その年の1月1日の所有者に納税義務があります。引き渡し日を境に日割りで精算するのが慣行ですが、法律上の義務ではありません。契約書に書いて明確にします。
Q. 引き渡し後に雨漏りが見つかったら
契約不適合責任を問われることがあります。個人が売主の場合、期間を3か月に限定する特約が一般的です。知っている不具合は、必ず告知書に書いてください。 隠すと期間の制限がなくなります。
まとめ
- 売り出しから引き渡しまでは3か月から6か月。査定からなら4か月から8か月
- 相続なら相続登記で1か月から3か月が先に入る。合計5か月から11か月
- 首都圏の中古戸建は、在庫が成約の14.2か月分
- 新規登録価格4,908万円に対し成約価格3,960万円。差は948万円、19.3パーセント
- 在庫の築年数26.96年、成約の築年数25.31年。差は1年半しかない
- 売れ行きを決めているのは築年数ではなく価格
- 買取なら2週間から1か月。ただし市場価格の6割から8割
- 成約が多いのは3月、少ないのは1月。1.45倍の差
- 値下げは小刻みにせず、検索の価格帯が変わる区切りまで一度に
- 確定測量が必要なら3か月から4か月。契約前に着手する
- 相続税の納税資金に充てるなら、10か月以内に決済まで終える
期間を縮める方法は、工程を急がせることではありません。最初につける価格を、成約している水準に合わせること。 在庫に14か月分が積み上がっている市場では、それがいちばん効きます。
この記事について
執筆:葉山 湊(はやま みなと)
自身の家族の実家じまいを経験し、そのときに「どこにも書かれていなかったこと」を出発点にこのサイトを立ち上げました。税理士・宅地建物取引士などの資格は保有していません。統計や制度については、必ず一次情報(公的機関・調査の発表元)にあたって記事に反映しています。
本記事の主な出典は次のとおりです。
・首都圏の中古戸建の成約件数・在庫件数・価格:東日本レインズ「月例マーケットウォッチ 2026年8月度」
・相続登記の義務化:法務省「相続登記の申請義務化について」
・空き家の3,000万円特別控除:国税庁 No.3306
在庫月数と価格差は、上記のレインズ公表値から当サイトが計算したものです。本記事の内容は2026年9月23日時点の公表情報にもとづきます。 実際の売却期間は、地域・物件・市況によって変わります。

