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今年、家族を亡くした。そろそろ喪中はがきを、と思ったところで手が止まります。
いつ出すのか。誰まで出すのか。何親等までが喪中なのか。
迷う原因は、決まりがあるようでないことです。 法律も規則もなく、地域と家によって違います。ただし実務としての目安は、はっきりしています。
年内に出すための段取りを、順に整理します。
結論|先に3つ

1. 11月中旬から12月初旬に届くように出す
相手が年賀状を準備する前、が基準です。
2. 12月に亡くなったら、寒中見舞いに回す
間に合わないなら無理に出さず、松の内が明けてから寒中見舞いを出します。
3. 範囲は2親等が目安。決まりではない
同居していたか、付き合いがあったかで判断して構いません。
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出す時期

| 時期 | 状態 |
|---|---|
| 10月 | 早すぎる。年末までに忘れられる |
| 11月中旬〜12月初旬 | ここに届くのが基準 |
| 12月10日ごろ | ぎりぎり。相手はもう書き始めている |
| 12月15日以降 | 年賀状の引受開始。間に合わない |
判断の基準は「相手が年賀状を書き始める前かどうか」です。日付そのものより、そこだけを見てください。
準備には思ったより時間がかかります。
- 出す相手を洗い出す(去年の年賀状を見る)
- 文面を決める
- 印刷を注文する(納期3〜7日)
- 宛名を書く、または印刷する
- 投函する
10月のうちに注文まで済ませておくと、11月に余裕を持って出せます。
12月に亡くなったとき

12月に入ってから亡くなった場合、喪中はがきは間に合いません。無理に出さないでください。
代わりに、年が明けてから寒中見舞いを出します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出す時期 | 松の内が明けてから立春まで |
| 松の内 | 関東は1月7日まで、関西は1月15日まで |
| 立春 | 2月4日ごろ |
| 使うはがき | 通常はがき、または私製はがき |
| 書くこと | 年賀状のお礼、喪中で年始の挨拶を控えたこと、故人のこと |
年賀状が届いてしまっても構いません。寒中見舞いで「喪中のため年始のご挨拶を控えました」と伝えれば、それで足ります。
誰が亡くなったら出すのか

2親等までが一般的な目安です。 ただし法律上の決まりではありません。
| 親等 | 続柄 |
|---|---|
| 0親等 | 配偶者 |
| 1親等 | 父母、配偶者の父母、子 |
| 2親等 | 祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の祖父母・兄弟姉妹 |
3親等(叔父叔母、甥姪など)は出さないことが多いものの、同居していた、生前に深い付き合いがあったといった事情があれば出して構いません。
逆に、2親等でも何十年も会っていなければ出さない、という判断もあります。 決めるのは自分です。
夫婦連名で出す場合は、どちらから見た続柄かを書きます。 夫の父が亡くなったなら、続柄を「父」ではなく「義父」と書くか、差出人を夫の名前だけにします。
誰に出すのか

原則は毎年年賀状をやりとりしている人全員です。
| 出す | 出さなくてよい |
|---|---|
| 毎年年賀状を交換している人 | 今年から付き合いが始まった人 |
| 葬儀に来てくれた人 | 喪中を知っている家族・同居の親族 |
| 親族(別世帯) | 仕事上の付き合いだけの取引先 |
| 故人の友人・知人 | 年賀状のやりとりがない人 |
葬儀に来てくれた人にも出します。 喪中はがきは訃報の通知ではなく、「年始の挨拶を控えます」という連絡だからです。知っている相手にも、改めて出すのが通例です。
仕事関係は、出さない選択もあります。 取引先に私的な事情を伝える必要はない、という考え方から、仕事用は例年どおり年賀状を出す人もいます。どちらでも構いません。

書き方の5つのきまり

1. 句読点を使わない
「、」と「。」を打ちません。改行と空白で区切ります。区切りをつけない、という意味が込められています。
2. 頭語・結語を使わない
「拝啓」「敬具」は書きません。
3. 行頭の一字下げをしない
段落の最初を1字下げる書き方はしません。
4. 「年賀」ではなく「年始」「新年」を使う
「賀」は祝いの字です。「年賀状」という言葉も避け、「年始のご挨拶」とします。
5. 近況報告を書かない
年賀欠礼だけを伝えるはがきです。引っ越しや出産の報告は別の機会にします。
ここを外しても失礼にはなりませんが、受け取る側が「きちんとしている」と感じるのはこの5つです。
文面の組み立て

順番が決まっています。
| 順 | 要素 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 年賀欠礼の挨拶 | 喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます |
| 2 | 誰がいつ何歳で | 本年九月に父 山田太郎が八十五歳にて永眠いたしました |
| 3 | 生前のお礼 | 生前賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます |
| 4 | 今後のお願い | 明年も変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます |
| 5 | 日付と差出人 | 令和八年十一月 住所・氏名 |
日付は「令和八年十一月」のように月までにします。 日にちは入れません。
数字は漢数字を使います。 縦書きが基本のためです。
亡くなった月を書くかどうかは自由です。書かずに「本年」だけにしても構いません。
そのまま使える文例
喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます
本年九月 父 山田太郎が八十五歳にて永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます令和八年十一月
差出人の住所と氏名は、この下に書きます。故人の名前をフルネームにするか名前だけにするかは、どちらでも構いません。
はがきと切手

選択肢は2つです。
| 郵便局の通常はがき | 私製はがき | |
|---|---|---|
| 料金 | 1枚85円(切手部分が印刷済み) | はがき代+切手85円 |
| 切手部分の絵柄 | 胡蝶蘭 | 弔事用85円普通切手(花文様)を貼る |
| 入手先 | 郵便局、コンビニ | 文具店、印刷業者 |
| 手間 | 貼る手間がない | 切手を貼る |
年賀はがきは使いません。 お年玉くじ付きのはがきは慶事用です。
通常はがきには「ヤマユリ」「山桜」「胡蝶蘭」の3種類があり、弔事には胡蝶蘭を選びます。 郵便局の窓口で「喪中はがき用」と言えば出してもらえます。
私製はがきを使う場合は、弔事用の85円普通切手を貼ります。白と紫の小さな花が並んだ落ち着いた絵柄で、郵便局で購入できます。慶事用の切手は使いません。
はがきの料金は2024年10月に63円から85円に上がりました。古い63円のはがきが残っていたら、差額の切手を貼るか、郵便局で交換してもらってください。
印刷はどうするか
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| ネット印刷 | 種類が多く、納期3〜7日。宛名印刷も頼める |
| 郵便局のプリントサービス | はがき代込みで注文できる。割引がある |
| コンビニのマルチコピー機 | 少部数向け。すぐできる |
| 自宅のプリンター | 枚数が少ないなら十分 |
| 手書き | 枚数が少なく、相手が近しい場合 |
費用は「はがき代」と「印刷代」が別だと考えてください。はがき代は1枚85円で固定なので、50枚なら4,250円。ここに印刷代が乗ります。
宛名印刷を頼むかどうかで、手間がまったく違います。 郵便局のプリントサービスなら、宛名印刷は基本料金1,100円に1件あたり31円が加算される形です。50件なら2,650円ほど。手書きに何時間もかけるより、頼んだほうが楽なことがあります。
受け取ったとき
喪中はがきが届いたら、その相手に年賀状を出しません。
そのうえで、返事を出すかどうかは自由です。出すなら次の3つから選びます。
| 選択肢 | 時期 |
|---|---|
| 何も出さない | — |
| 寒中見舞いを出す | 松の内明け〜2月4日ごろ |
| 喪中見舞いを出す | 受け取ってすぐ |
寒中見舞いがいちばん一般的です。 年賀状の代わりに、松の内が明けてから出します。
訃報を喪中はがきで初めて知った場合は、喪中見舞いという形もあります。 すぐにお悔やみを伝えたいときに使います。線香やお供えを添えることもあります。
年始の挨拶や手続きの全体像は親が死んだらやることで扱っています。
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喪中のあいだ、何を控えるか
喪中はがきを出すと、次は「どこまで控えるのか」で迷います。
| 行事 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 年賀状 | 出さない |
| 正月飾り・鏡餅 | 控える家が多い |
| おせち料理 | 家庭内なら構わないとする考えが主流 |
| 初詣 | 神社は忌明け後なら可とする説が多い。寺は可 |
| 結婚式への出席 | 四十九日を過ぎていれば出席する人が多い |
| お中元・お歳暮 | お祝いではないので贈ってよい |
「喪中」と「忌中」は別です。 忌中は四十九日までの期間で、控える範囲が広くなります。喪中は一年間を指すことが多く、忌明け後はかなり緩やかです。
忌中と喪中は、期間が違う
| 期間 | 控える範囲 | |
|---|---|---|
| 忌中 | 亡くなった日から四十九日 | 広い。慶事への出席、神社の参拝、旅行なども控える |
| 喪中 | 亡くなった日から一年 | 狭い。年賀状と正月飾りが中心 |
神道では五十日祭までを忌中とします。仏式の四十九日とは日数が違うので、神葬祭の場合は注意してください。
一年という期間も絶対ではありません。配偶者や父母は一年、祖父母や兄弟姉妹は三か月から六か月、という考え方もあります。
四十九日の進め方は四十九日法要の準備で扱っています。
つまずきやすい8つ

- 12月に入ってから出した — 年賀状の引受は12月15日ごろ。寒中見舞いに回す
- 10月に出した — 早すぎて年末までに忘れられる
- 年賀はがきを使った — お年玉くじ付きは慶事用
- 慶事用の切手を貼った — 私製はがきには弔事用85円切手を
- 句読点を入れた — 「、」「。」は打たない
- 「年賀状」という言葉を使った — 「年始のご挨拶」にする
- 葬儀に来てくれた人に出さなかった — 知っている相手にも出すのが通例
- 63円のはがきをそのまま出した — 2024年10月から85円
よくある質問
Q. 家族葬や直葬でも喪中はがきは出しますか
出します。葬儀の形と喪中は関係ありません。
Q. 亡くなったことを知らせていない相手にも出しますか
出します。喪中はがきで訃報を知る相手がいても構いません。
Q. 夫婦のどちらかの親が亡くなった場合、連名で出せますか
出せます。その場合は「義父」「義母」と続柄を書くか、差出人を一方の名前だけにします。
Q. 年末に亡くなった祖父母の場合、翌年も喪中ですか
一般には一年間です。ただし祖父母は三か月から六か月とする考え方もあり、家によって違います。
Q. 喪中はがきに写真を入れてもいいですか
避けるのが無難です。故人の写真を入れる場合も、ごく控えめなものにとどめます。
Q. 出しそびれたまま年が明けてしまいました
寒中見舞いで伝えてください。松の内が明けてから2月4日ごろまでです。
Q. 喪中はがきの宛名は毛筆でないといけませんか
決まりはありません。印刷でも黒のボールペンでも構いません。薄墨は香典袋の表書きに使うもので、喪中はがきでは通常の黒で問題ありません。
Q. 出す枚数はどれくらい用意すればいいですか
去年出した年賀状の枚数に、5枚ほど足しておくと足りなくなりません。
まとめ
- 出す時期は11月中旬から12月初旬。年賀状の引受開始(12月15日ごろ)より前に届けば足りる
- 判断の基準は「相手が年賀状を書き始める前かどうか」
- 準備には印刷の納期3〜7日がかかる。10月中に注文しておくと余裕が出る
- 12月に亡くなったら無理に出さず、寒中見舞いに回す
- 寒中見舞いは松の内明け(関東1月7日、関西1月15日)から立春(2月4日ごろ)まで
- 出す範囲は2親等が目安。法律上の決まりはなく、付き合いで判断してよい
- 出す相手は、毎年年賀状をやりとりしている人全員。葬儀に来た人にも出す
- 仕事関係は出さない選択もある
- 書き方は、句読点を使わない・頭語結語を使わない・行頭を下げない・「年賀」を使わない・近況を書かない
- 文面は、年賀欠礼の挨拶→誰がいつ何歳で→生前のお礼→今後のお願い→日付と差出人
- 日付は「令和八年十一月」のように月まで。数字は漢数字
- はがきは通常はがき(胡蝶蘭)か、私製はがき+弔事用85円普通切手
- 年賀はがきと慶事用切手は使わない
- はがきは1枚85円。2024年10月に63円から上がっている
- 受け取ったら年賀状を出さず、寒中見舞いで返す
喪中はがきは、「知らせる」ためではなく「相手に年賀状を書かせない」ために出すものです。 そう考えると、時期も範囲も自然に決まります。
年が明けたら、実家をどうするかの話になります
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この記事について
執筆:葉山 湊(はやま みなと)
自身の家族の実家じまいを経験し、そのときに「どこにも書かれていなかったこと」を出発点にこのサイトを立ち上げました。葬祭ディレクターなどの資格は保有していません。料金や制度については、公表されている一次情報にあたって記事に反映しています。
本記事の主な出典は次のとおりです。
・はがきの料金:日本郵便「郵便料金一覧」
・弔事用切手:郵便局のネットショップ「弔事用85円普通切手」
・宛名印刷の料金:郵便局のプリントサービス「喪中はがき印刷」
喪中の範囲や作法は地域と家によって違います。本記事の内容は2026年9月29日時点の公表情報にもとづきます。迷うときは、ご家族や菩提寺にご確認ください。

