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相続した実家が借地の上に建っていて、そろそろ契約の更新時期。地主から更新料の金額を提示されたものの、100万円を超える額で、しかも誰も住んでいない——。
このとき、いちばん多い判断が「もう住まないから、返します」です。
そして、これがいちばん損になります。
- 結論|更新の前に決めるのは「払うか」ではない
- まず、自分の借地権がどの種類か確かめる
- 更新料に、法律上の支払い義務はない
- 更新料の相場と、計算のしかた
- 更新のときに求められる、更新料以外のお金
- 「払えないから返す」がいちばん損になる
- 建物買取請求権は、自分から返すと使えない
- 更新してから売ると、手取りが増えることがある
- 更新を拒否されたら|正当事由と法定更新
- 更新料の金額は、地域の慣習で決まっている
- 更新料を払わないと、契約は解除されるのか
- 分割や減額の交渉はできるか
- 交渉のときに、実際にどう言うか
- 更新料をどう用意するか
- 「建て替えも認めない」と言われたとき
- 空き家のまま更新するときの注意
- 相続直後に更新期限が来たとき
- 更新料の税金の扱い
- 更新の1年前から、何をいつやるか
- 住む・貸す・売るの3ケースで考える
- やってはいけない5つ
- よくある質問
- まとめ|順番を間違えなければ、選択肢は残る
結論|更新の前に決めるのは「払うか」ではない

1. 更新料に、法律上の支払い義務はない
借地借家法にも旧借地法にも、更新料を定めた条文はありません。契約書に書いてあるかどうかで扱いが変わります。
2. ただし「払わない」と「返す」は別の話
払わずに更新する道はあります。一方で、返すと権利が消えます。この2つを混同すると、判断を間違えます。
3. 決めるのは「持ち続けるか、売るか」
更新料を払うかどうかは、その後の話です。売却額は更新料の10〜20倍になることが多く、先に金額を知らないまま返す判断はできません。
返す前に、いくらになるかだけ確かめる
借地権は仲介では買い手が付きにくく、「価値がない」と言われて終わることがあります。借地権を専門に扱う会社なら、地主との交渉を含めて金額を出します。査定は無料で、売ると決めていなくても取れます。
プロモーションを含みます。対応エリアは東京・神奈川・埼玉・千葉です。
まず、自分の借地権がどの種類か確かめる
種類によって、更新できるかどうかが変わります。ここを確認しないまま交渉に入ると、話がかみ合いません。
| 種類 | 契約した時期 | 更新 | 更新後の期間 |
|---|---|---|---|
| 旧法借地権 | 1992年7月31日以前 | できる | 堅固30年・非堅固20年 |
| 普通借地権 | 1992年8月1日以降 | できる | 初回20年・以降10年 |
| 定期借地権 | 1992年8月1日以降 | できない | ——(期間満了で終了) |
境目は1992年(平成4年)8月1日です。この日より前に結んだ契約は、その後も旧法のまま続きます。実家が親の代からの借地なら、旧法である可能性が高いといえます。
旧法のほうが借地人に有利
更新の拒絶が認められにくく、期間も長く取れます。「法律が変わったので新しい条件で結び直してほしい」と地主から言われても、応じる義務はありません。
定期借地権なら更新はない
期間が満了すれば契約は終わり、建物を壊して返します。更新料の交渉という話自体が成り立ちません。契約書の表題に「定期借地権設定契約」とあるか、公正証書で結ばれているかを確認してください。
更新料に、法律上の支払い義務はない
更新料を義務づけた条文は存在しません。判断は契約書の記載で分かれます。
契約書に定めがある場合
支払う義務があるとされるのが実務の扱いです。金額や算定方法まで書かれていれば、その内容に従います。「更新にあたり、協議のうえ相当額を支払う」といったあいまいな書き方であれば、金額は交渉の対象です。
契約書に定めがない場合
支払わなくても、契約がただちに終わるわけではありません。その地域に「更新料を支払う慣習」があると立証されれば別ですが、慣習の立証は簡単ではなく、認められない例が多くあります。
過去に払ってきた場合
前回の更新で親が支払っていると、同じ前提で話が進みます。契約書の写しと、過去の領収書があるかを先に確認してください。 過去の支払額が分かれば、今回の提示額が妥当かどうかの物差しになります。
地代の記録も集める
地代をいくら、いつから払ってきたかは、交渉の材料になります。長く滞りなく払ってきた事実は、こちらに有利に働きます。通帳の記録を数年分さかのぼって確認してください。
更新料の相場と、計算のしかた
一般的な水準は次の2通りで語られます。
| 基準 | 割合 | 更地3,000万円・借地権割合70%の場合 |
|---|---|---|
| 借地権価格から | 5〜10% | 105万〜210万円 |
| 更地価格から | 3〜5% | 90万〜150万円 |
借地権価格は「更地価格 × 借地権割合」で概算します。 この例では3,000万円 × 70% = 2,100万円です。
借地権割合の調べ方
国税庁の路線価図で確認できます。地図上の数字のうしろに付いたアルファベットがそれで、Aが90%、Bが80%、Cが70%と、10%刻みで下がります。「300C」と書かれていれば、路線価30万円/平方メートル、借地権割合70%という意味です。
幅が大きい理由
更新料は法律で決まっていないため、地域の慣習と、これまでの経緯で決まります。同じ条件でも、地主によって提示額は変わります。都心では借地権割合が高いぶん金額も大きくなり、郊外では低く収まる傾向があります。
2つの例で見る
| 都心の例 | 郊外の例 | |
|---|---|---|
| 更地価格 | 6,000万円 | 1,800万円 |
| 借地権割合 | 80% | 60% |
| 借地権価格 | 4,800万円 | 1,080万円 |
| 更新料(借地権価格の5%) | 240万円 | 54万円 |
提示額が相場を超えているとき
根拠を聞いてください。「近隣の事例」と言われたら、どの土地のどの取引かを確認します。答えられない場合、交渉の余地があります。
更新のときに求められる、更新料以外のお金
更新の場面では、名前の違う請求が同時に来ることがあります。何に対するお金かを分けて考えてください。
| 名目 | いつ発生するか | 相場の目安 |
|---|---|---|
| 更新料 | 契約期間が満了して更新するとき | 借地権価格の5〜10% |
| 名義書換料(譲渡承諾料) | 借地権を第三者に譲るとき | 借地権価格の10% |
| 建替承諾料 | 建物を建て替えるとき | 更地価格の3〜5% |
| 条件変更承諾料 | 木造から鉄筋など条件を変えるとき | 更地価格の10%程度 |
| 増改築承諾料 | 大規模な改修をするとき | 更地価格の3%程度 |
相続では、どれも発生しない
相続による承継は譲渡ではないので、名義書換料は不要です。更新の時期と相続が重なると、まとめて請求されることがあります。内訳を必ず確認してください。
測量費を求められることもある
境界がはっきりしていない土地では、更新を機に測量を求められることがあります。誰が負担するかは決まっていないので、折半を提案するなど交渉の対象になります。
「払えないから返す」がいちばん損になる

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
返すときに何が起きるか
借地契約が終わるとき、借地人には建物を壊して更地にして返す義務があります。解体費は借地人の負担で、木造30坪なら100万〜300万円が目安です。
つまり、返す選択は「2,100万円の権利を手放し、さらに200万円を払う」ことになります。
同じ借地権で比べる
更地価格3,000万円、借地権割合70%、木造築45年、更新料の提示は150万円という前提で並べます。
| 選択 | 入ってくるお金 | 出ていくお金 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 返す | 0円 | 解体費200万円 | ▲200万円 |
| 更新せずに売る | 1,000万円 | 承諾料100万円・諸費用50万円 | 約850万円 |
| 更新してから売る | 1,400万円 | 更新料150万円・承諾料140万円・諸費用60万円 | 約1,050万円 |
返すのと、更新してから売るのとで、手取りは約1,250万円違います。
「価値がない」と言われた経験があっても
一般の不動産会社は借地権を扱い慣れていません。地主との交渉が必要で、手続きも長くなるためです。断られた経験があると「やはり価値がないのだ」と受け取りがちですが、それは1社の事情にすぎません。
建物買取請求権は、自分から返すと使えない

借地借家法13条に、建物買取請求権という制度があります。契約が終わるときに、建物を時価で買い取るよう地主に請求できる権利です。
これを知っていると「返しても建物代はもらえる」と考えがちですが、使える場面は限られます。
使える場面
期間が満了し、地主が更新を拒んだ結果として契約が終わる場合です。借地人は建物の時価を請求でき、地主は拒めません。
使えない場面
- 借地人から「更新しません」と申し出て終わらせた場合
- 合意して解約した場合
- 地代の滞納など、債務不履行で解除された場合
つまり「もう要らないので返します」と自分から言った瞬間に、この権利は使えなくなります。
時価とは何を指すか
建物そのものの評価額です。築45年の木造であれば大きな金額にはなりませんが、それでも解体費を自分で負担するのとは、結果が大きく違います。数十万円でも受け取れるのと、200万円を払うのとでは、差は200万円台になります。争いになれば裁判所が鑑定で時価を定めます。
言い方の順番が結果を変える
地主から「更新を認めない」と言われたのか、自分から「返します」と言ったのかで、法的な立場がまったく変わります。返す方向で話すとしても、先に切り出さないでください。
更新してから売ると、手取りが増えることがある
残存期間は、借地権の価格を決める大きな要素です。
期間が短いと売りにくい
残り数年の借地権は、買い手が住宅ローンを組めません。金融機関は担保としての評価期間を見るためです。現金で買える人だけが相手になり、価格は大きく下がります。
更新すると期間が伸びる
旧法なら堅固建物30年・非堅固建物20年、新法なら最初の更新で20年、その後は10年です。木造の実家であれば、更新によって20年の期間が付きます。
数字で見る
| 残り2年で売る | 更新して20年にしてから売る | |
|---|---|---|
| 借地権の売却額 | 1,000万円 | 1,400万円 |
| 更新料 | —— | ▲150万円 |
| 差引 | 1,000万円 | 1,250万円 |
更新料150万円を払ったことで、手取りは250万円増える計算になります。更新料は費用というより、売却額を上げるための支出として見ることができます。
必ずそうなるわけではない
建物が古すぎて解体前提の取引になる場合、期間を伸ばしても価格が上がらないことがあります。判断の前に、更新前と更新後の両方で査定を取ってください。この差が更新料を上回るかどうかが、判断の分かれ目です。
更新前と更新後で、金額がどう変わるか聞ける
借地権を専門に扱う会社なら、残存期間を踏まえた金額を出せます。「更新料を払う価値があるか」を、数字で判断できます。査定は無料です。
プロモーションを含みます。借地権を専門に扱う窓口で、対応エリアは東京が中心です。
更新を拒否されたら|正当事由と法定更新

期間が満了しても、契約は自動では終わりません。
法定更新
借地人が更新を求めるか、そのまま建物を使い続けていれば、契約は同じ条件で続きます。地主が更新を拒むには正当事由が必要です。
正当事由は簡単には認められない
地主が自分でその土地を使う必要性、これまでの経緯、立退料の提供などを総合して判断されます。建物が古いことや、有効活用したいという理由だけでは認められません。
空き家だと不利になるか
使っていない事実は、地主側の主張を後押しする材料になり得ます。ただしそれだけで正当事由が認められるわけではありません。心配であれば、更新の前に建物の状態を整えておくか、売却を先に検討してください。
法定更新なら更新料は要らないのか
契約書の更新料条項は、合意して更新することを前提に書かれていることが多く、法定更新には及ばないと解釈される例があります。ただし条項の書き方によるので、契約書の文言を弁護士に確認してください。
更新料の金額は、地域の慣習で決まっている
法律に基準がないため、実際の金額はその土地でこれまでどうしてきたかに左右されます。
同じ都内でも幅がある
古くからの借地が多い地域では、更新料の慣習が定着しており、借地権価格の5%前後で落ち着くことが多くあります。一方、借地の少ない地域では前例がなく、地主が独自に金額を出してくることがあります。
前例を確認する意味
近隣に同じ地主の借地があれば、そこでいくら払ったかが有力な材料になります。町内に同じ地主から借りている家が複数あるケースは珍しくありません。
不動産会社に聞くのが早い
その地域で借地を扱っている会社なら、相場の感覚を持っています。査定を取るついでに、更新料の水準も聞いてください。
更新料を払わないと、契約は解除されるのか
すぐには解除されない
更新料を払わなかったことだけを理由に契約を解除するのは、簡単ではありません。裁判では、当事者の信頼関係が壊れたと言えるかどうかで判断されます。1回の不払いで信頼関係が壊れたとされる例は多くありません。
ただし請求はされる
契約書に定めがあれば、地主は支払いを求めて訴えることができます。争いが長引けば、弁護士費用と時間がかかります。数十万円の差で争うより、分割で合意したほうが早く終わることもあります。
地代は必ず払い続ける
更新料を争っている間も、地代の支払いは止めないでください。 地代の滞納は、契約解除の正当な理由になります。
受け取りを拒まれたら供託する
地主が地代を受け取らない場合、法務局に供託します。供託すれば支払ったものとして扱われ、滞納にはなりません。「受け取ってもらえないから払えなかった」は通用しないので、必ず手続きしてください。
分割や減額の交渉はできるか
金額を下げる、あるいは支払い方を変える交渉は成り立ちます。
分割払い
一括で用意できない事情を伝え、2〜3年での分割を提案します。地主にとっても、もらえないより確実です。地代に上乗せする形にすると、手続きが簡単になります。
減額
近隣の相場、建物の老朽度、これまでの地代の支払い実績を根拠に交渉します。相場より高い提示であれば、その根拠を示してもらう形で話を進めます。
専門家を間に入れる
当事者だけで話すと感情的になりがちです。不動産会社や弁護士を通すと、金額の根拠を軸にした話になり、まとまりやすくなります。
書面に残す
合意できたら、金額・支払時期・支払方法を書面にします。口頭のままにすると、次の更新でまた争いになります。
交渉のときに、実際にどう言うか
感情の対立になると、金額以外のところで話が止まります。順番と言い方を決めておいてください。
最初に確認すること
「今回の更新料は、何を根拠にした金額でしょうか」と聞きます。責める調子ではなく、確認として尋ねます。契約書に定めがあるのか、慣習なのか、近隣の事例なのかで、その後の話が変わります。
払えない事情は具体的に伝える
「お金がない」ではなく、「一括では用意できないので、3年に分けての支払いをお願いしたい」と、代案の形で伝えます。地主にとっても、受け取れる見込みが立つほうが望ましいためです。
返す意思は、こちらから言わない
「払えないなら出ていきます」は、いちばん言ってはいけない一言です。 建物買取請求権を失い、解体費の負担だけが残ります。
期限を切らない
「今週中に返事を」と迫られても、その場で決めないでください。査定を取ってから答えると伝えれば足ります。
まとまったら書面にする
金額・支払時期・支払方法を書き、双方が署名します。次の更新のときに、この書面が前例として効きます。
更新料をどう用意するか
払う価値があると分かっても、手元にお金がないことはあります。方法は3つです。
1. 分割にしてもらう
いちばん現実的です。2〜3年に分け、地代に上乗せする形にすると手続きも簡単です。地主にとっても、受け取れる見込みが立つほうが望ましいといえます。
2. 相続人で分担する
きょうだいの共有なら、持分に応じて負担するのが原則です。1人が立て替えた場合は、金額と日付を記録に残してください。将来売却したときの分配で精算できます。
3. 売却の決済で払う
売ると決めているなら、更新料は売却代金から支払う段取りにできます。買主が更新後の借地権を取得する形になるため、実務では珍しくありません。この場合、更新料を自分で立て替える必要がありません。
避けたほうがよいのは、借りて払うこと
使う予定のない不動産のために借入をすると、売却までの間に利息が積み上がります。売る前提なら、上の3番目を先に検討してください。
「建て替えも認めない」と言われたとき
更新の話と同時に、建て替えを断られることがあります。老朽化した実家をどうにかしたい場合、ここで止まります。
建替承諾料の相場
条件を変えずに建て替える場合は、更地価格の3〜5%程度です。木造から鉄筋コンクリートへというように条件そのものを変える場合は、更地価格の10%程度が目安になります。
承諾が得られないときは裁判所へ
借地非訟という手続きがあります。裁判所が地主の承諾に代わる許可を出す制度で、建て替えのほか、第三者への譲渡でも使えます。
費用と期間
申立てから決定まで、おおむね6か月〜1年です。予納金として数十万〜100万円が必要で、許可が出れば裁判所が定めた承諾料を支払います。
使えるという事実が交渉材料になる
実際に申し立てなくても、この制度があることを前提に話すと、地主が譲歩することがあります。
空き家のまま更新するときの注意

更新して持ち続ける判断も選択肢です。ただし費用は続きます。
| 項目 | 年額の目安 |
|---|---|
| 地代 | 12万〜36万円 |
| 建物の固定資産税 | 3万〜8万円 |
| 火災保険 | 2万〜5万円 |
| 管理・見回り | 6万〜12万円 |
土地の固定資産税は地主が払うため、借地人の負担は建物分だけです。 所有権の空き家に比べると、持ち続けるコストは軽く済みます。
20年で見るといくらか
年23万円としても、20年で460万円です。更新料と合わせると、売った場合の手取りと比べる金額になります。持ち続ける判断も、この総額を出してから決めてください。
管理不全空家に注意
2024年の法改正で、管理が行き届かない空き家は「管理不全空家」に指定される制度ができました。指定を受けて勧告に至ると、建物の固定資産税の優遇が外れます。
火災保険の名義
相続後、名義が親のままになっていることがあります。失効していると、火事のときに地主から責任を問われます。名義変更は相続の直後に済ませてください。
相続直後に更新期限が来たとき
遺産分割が終わっていなくても更新できる
相続人全員の共有として更新に応じることは可能です。ただし更新料の負担割合でもめやすいので、先に方針を決めてから手続きに入るほうが安全です。
相続登記は3年以内
2024年4月から義務化されました。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。 建物の登記がないと、地主が代わったときに借地権を主張できなくなる場面もあります。
名義変更に地主の承諾は要らない
相続は譲渡ではないため、承諾料も不要です。「名義書換料を払え」と言われたら、相続であることを伝えてください。
相続直後の手続き全般は、借地権の実家を相続したら|地主との交渉・承諾料の相場と、売る4つの出口で詳しく整理しています。
相続登記が済んでいないなら、そこから
借地権の実家は建物の登記が古いままのことが多く、戸籍集めから始まります。慣れていないと数週間かかります。代行の見積もりだけなら無料で取れます。
プロモーションを含みます。
更新料の税金の扱い
払った側
住むための土地なら、更新料は経費にできません。ただし将来その借地権を売るときに、取得費に加えられます。領収書は必ず保管してください。
貸している場合
その建物を人に貸して家賃を得ているなら、更新料は繰延資産として、契約期間にわたって少しずつ経費にします。20年の更新であれば、20年に分けて計上する形です。
売ったときの税金
取得費が分からない場合、譲渡価額の5%を概算取得費とします。1,400万円で売ったなら取得費は70万円で、残りが課税の対象です。親が買ったときの資料が残っていれば、税額は大きく変わります。
受け取った地主の側
地主にとっては不動産所得になります。この違いを知っておくと、交渉の場で話が通りやすくなります。
更新の1年前から、何をいつやるか

査定にも交渉にも時間がかかります。期限の直前に動くと、選べる出口が減ります。
12か月前|書類を集める
契約書、過去の更新時の領収書、地代の振込記録、建物の登記事項証明書。この4つがそろえば、話の前提が固まります。契約書が見つからない場合は、この時点で地主に写しを求めます。
9か月前|査定を取る
更新前の状態と、更新した場合の両方で聞きます。金額が出れば、更新料を払う価値があるかを判断できます。相続人が複数いるなら、この数字を持って話し合いを始めます。
6か月前|方針を決めて地主に伝える
更新するのか、売るのかを決めます。売る場合は譲渡の承諾が必要になるため、この時点で地主に相談します。承諾が得られなければ借地非訟という手段がありますが、6か月〜1年かかるので、時間の余裕が必要です。
3か月前|金額を詰める
更新料の額、分割の可否を交渉します。まとまったら書面にします。
期限まで|手続きを終える
更新契約書を交わします。売る場合は、決済までのスケジュールを逆算します。
住む・貸す・売るの3ケースで考える

住む予定があるなら更新する
自分か子が住むなら、更新して期間を確保します。建物が古ければ、同時に建替承諾の話も進めます。
貸すなら収支を出す
家賃から地代・固定資産税・修繕費を引いて残るかを計算します。借地の古家は修繕費がかさむため、思ったほど残らないことがあります。
築45年の木造を月7万円で貸せたとして、年84万円。ここから地代24万円、固定資産税5万円、火災保険3万円、管理委託料5万円を引くと、残るのは47万円です。屋根や給湯器の交換が1回入れば、その年は赤字になります。
貸すには、契約書で転貸が禁じられていないかの確認も要ります。禁止されている場合、地主の承諾が必要です。
使う予定がないなら売る
誰も住まず、貸す予定もないなら、持ち続ける理由は値上がり待ちだけです。 借地権は所有権ほど値上がりの恩恵を受けにくく、その間も地代が出ていきます。
迷っているとき
査定だけ取って、金額を見てから決めてください。売ると決めていなくても査定は取れます。数字が出れば、家族での話し合いも早く終わります。
やってはいけない5つ
1. 自分から「返します」と言う
建物買取請求権が使えなくなります。返す方向で考えていても、先に切り出さないでください。
2. 査定を取らずに判断する
借地権の価格は、一般の不動産会社では出せないことがあります。「価値がない」と言われても、それは1社の見立てです。
3. 地代を止める
更新料を争っていても、地代は別です。滞納は契約解除の理由になります。
4. 口約束で済ませる
分割や減額に応じてもらえたら、必ず書面にします。次の更新で「そんな約束はしていない」となります。
5. 期限の直前まで動かない
査定にも交渉にも時間がかかります。更新の半年前には動き始めてください。
よくある質問
Q. 更新料を払ったのに、すぐ売ることになりました。返してもらえますか
A. 返還を求めるのは難しいのが実務です。ただし売却時の取得費に加えられるので、税金の面では無駄になりません。領収書を残してください。
Q. 更新のタイミングで、地主から「買い取ってほしい」と言われました
A. 底地を買う話です。買えば所有権になり、その後の売却額は大きく上がります。ただし資金が必要なので、売る場合の金額と並べて比べてください。
Q. 建物が古く、住める状態ではありません。それでも価値はありますか
A. 建物ではなく借地権に価値があります。建物が朽ちていても、土地を使える権利は残ります。 解体前提でも買い手が付きます。
Q. 更新料の請求書に「名義書換料」と書かれています
A. 別のものです。名義書換料は譲渡のときの承諾料で、更新料とは違います。何に対する請求かを確認してください。
Q. 地主が代替わりして、金額が跳ね上がりました
A. 契約の内容は引き継がれます。新しい地主の言い値に従う義務はありません。従前の経緯を示して交渉してください。
Q. 更新料を払えないので相続放棄したいのですが
A. 借地権だけを放棄することはできません。放棄すると預貯金を含むすべての財産を失います。売れば現金が残るので、先に金額を確かめてください。
Q. 更新の話が来ないまま、期間が過ぎてしまいました
A. 使い続けていれば法定更新となり、契約は続いています。あわてる必要はありません。ただし条件を明確にするため、契約書を作り直すよう申し入れておくと安全です。
Q. きょうだいで共有しています。1人が更新料の負担を拒んでいます
A. 持分に応じた負担が原則です。まとまらない場合、売却して現金で分けるほうが早く解決することがあります。売るには共有者全員の同意が必要です。
Q. 地主が「更新するなら地代も上げる」と言っています
A. 地代の増額請求は、公租公課の変動や近隣相場との比較で判断されます。言われた金額にそのまま応じる義務はありません。根拠を求めてください。
Q. 更新料を払うお金がないので、地主に借地権を買ってもらえますか
A. 打診できます。地主が買えば底地と借地権が1つになり、地主にとっても価値が上がります。ただし相手が1人しかいないため価格交渉では不利になりやすく、第三者への売却額も並べて比べてください。
Q. 更新の直前に建物が壊れてしまいました。契約はどうなりますか
A. 建物がなくなっても借地権はすぐには消えませんが、対抗力を失うおそれがあります。土地に建物を特定する掲示をすることで、一定期間は対抗力を維持できます。早めに専門家へ相談してください。
Q. 借地権を売るとき、更新料を払ったことは価格に反映されますか
A. 直接の上乗せではなく、残存期間が長いという形で価格に反映されます。更新直後は期間が最も長い状態なので、売るタイミングとしては有利です。
Q. 更新料を払った証明が残っていません。売るときに困りますか
A. 取得費に加えられなくなるため、譲渡所得税が増えます。振込記録が残っていれば代わりになることがあるので、通帳を確認してください。
Q. 地主が更新の話をしてこないまま、期限が近づいています
A. こちらから連絡してかまいません。放置して期間が過ぎても法定更新になりますが、条件があいまいなままだと、後で争いになります。
Q. 更新料を払ったあとで、地主から地代の値上げも求められました
A. 別の請求なので、それぞれ根拠を確認します。地代の増額は、固定資産税の変動や近隣相場との比較で判断されます。まとめて受け入れる必要はありません。
Q. 借地権を売るとき、地主に知られずに進められますか
A. できません。譲渡には地主の承諾が必要です。承諾が得られない場合は、裁判所に許可を求める借地非訟という手続きになります。
まとめ|順番を間違えなければ、選択肢は残る
1. 契約書と過去の領収書を集める
種類と更新料の定めを確認します。ここで話の前提が決まります。
2. 査定を取る
更新前と更新後の両方で聞きます。更新料を払う価値があるかは、この差で判断できます。
3. 自分から「返す」と言わない
建物買取請求権を残しておきます。
4. 地代は払い続ける
争っている間も止めません。受け取りを拒まれたら供託します。
返すという判断は、いつでもできます。 先に金額を知ってからでも遅くありません。
更新の返事をする前に、金額だけ確かめる
借地権は扱える会社が限られます。一般の仲介で「難しい」と言われても、専門の窓口では金額が出ることがあります。相談・査定は無料です。
下記はいずれも首都圏が対象です。それ以外の地域では、地元で借地権を扱う不動産会社か、借地非訟の経験がある弁護士に相談してください。
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この記事について
本記事の内容は2026年9月8日時点の公表情報にもとづきます。個別の契約内容や地域の慣習によって結論が変わります。金額の大きい判断をする前に、弁護士または借地権を扱う不動産会社にご確認ください。

