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遺品整理業者の費用相場|間取り別料金と悪徳業者を避ける7つの確認点

遺品整理業者と費用の見積もりを確認する様子 遺品整理・特殊清掃
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みどりみどり
遺品整理って、業者さんによって値段がぜんぜん違うのはどうして?

遺品整理を業者に頼もうとしてまず戸惑うのが、料金にまったく定価がないことです。同じ2LDKでも12万円の見積もりが出る会社もあれば、30万円という会社もあります。しかも当日になって「思ったより多かった」と追加請求されるケースが後を絶ちません。

この記事では、間取り別の相場を示したうえで、なぜ同じ物量で倍近い差がつくのか、そして見積書のどこを見れば適正価格かを判断できるのかを整理します。相場の一覧だけでは、目の前の見積書が高いのか安いのか結局わからないためです。

たくみ先生たくみ先生
差がつく理由は物の量ではありません。階段や道路の幅など「作業環境」で決まります。

先に結論だけまとめます。

  • 費用相場は1Kで3万〜8万円、2LDKで12万〜30万円、4LDK以上の一軒家で30万〜80万円
  • 金額を左右するのは物量よりも作業環境(階数・エレベーターの有無・道路幅・駐車スペース)
  • 買取とセットにすると実質負担が下がる。作業費だけを比べても意味がない
  • トラブルの大半は見積書の書き方で防げる。「一式」表記と追加費用の条件をまず確認する
  • 必須の許可は一般廃棄物収集運搬業許可。「産業廃棄物」の許可では家庭ごみを運べない

費用の数値は一般的な相場のレンジです。地域・物件条件・業者によって上下するため、必ず訪問見積もりで実数を確認してください。


遺品整理の費用相場【間取り別】

まず全体像です。作業人数と時間の目安もあわせて示します。

間取り別の遺品整理費用相場グラフ
間取り 費用相場 作業人数・時間の目安
1R・1K 3万〜8万円 1〜2名/2〜4時間
1DK 5万〜12万円 2名/半日
1LDK 7万〜20万円 2〜3名/半日〜1日
2DK 9万〜25万円 2〜3名/1日
2LDK 12万〜30万円 3名/1日
3DK 15万〜40万円 3〜4名/1〜2日
3LDK 17万〜50万円 3〜4名/1〜2日
4LDK以上 22万〜70万円 4名以上/2〜3日

一軒家の遺品整理はいくらかかるか

みどりみどり
間取りの表だと4LDKで22万〜70万円…。うちは一軒家だけど、これでいいの?
たくみ先生たくみ先生
一軒家は物置と庭が加わります。家の中だけで見積もると当日跳ね上がります

一軒家の場合、間取りの表だけでは足りません。物置・納屋・庭・車庫が加わるためです。

築年数の経った2階建ての実家では、30万〜80万円が現実的な範囲になります。内訳のイメージは次のとおりです。

項目 目安
居室部分(4LDK相当) 22万〜50万円
物置・納屋の中身 3万〜15万円
庭の残置物(庭石・植木鉢・古タイヤ等) 2万〜10万円
車庫・カーポート内の工具や資材 2万〜8万円

「家の中だけ」で見積もりを取ると、当日に庭と物置を見て金額が跳ね上がります。見積もり時に必ず敷地全体を見てもらってください。

平均費用はいくらか

「平均」という数字は、間取りの分布に引きずられるためあまり参考になりません。単身者向けアパートの案件が多い会社の平均は10万円前後になり、戸建て中心の会社では40万円を超えます。

判断に使うなら平均ではなく、自分と同じ間取り・同じ階数・同じ道路条件の事例を業者に出してもらうのが確実です。実績のある会社なら、近い条件の事例をすぐに提示できます。

なぜ同じ間取りで倍近い差がつくのか

料金は「荷物の量 × 単価」だけで決まりません。実際には作業環境が金額を大きく動かします。

条件 加算の目安 理由
エレベーターなしの2階以上 1階あたり 5,000〜2万円 階段での搬出は時間が2〜3倍かかる
トラックを横付けできない 1万〜3万円 台車での横持ち距離が延びる
前面道路が狭く2t車が入れない 1万〜5万円 小型車で往復回数が増える
敷地に庭・物置がある 2万〜15万円 屋外の残置物は量が読みにくい
ゴミ屋敷状態 通常の1.5〜3倍 分別に時間がかかり、防護・消臭も必要
汚損・害虫の発生 別途 3万〜20万円 消毒・害虫駆除の工程が加わる

つまり、同じ2LDKでもマンション1階と団地4階(エレベーターなし)では、まったく違う金額になります。電話やメールだけの概算見積もりが当てにならないのは、この情報が伝わらないためです。

地域による費用差

都市部と地方でも金額は変わりますが、方向は一つではありません

都市部は人件費と処分場の受け入れ単価が高い一方、業者数が多く競争が働くため、相見積もりで下がりやすい傾向があります。地方は人件費が安いものの、対応できる業者が少なく、処分場までの運搬距離が長いぶん割高になることがあります。とくに離島や山間部では、出張費として1万〜5万円が加算されるケースがあります。

実家が地方にある場合、都市部の相場感で「高い」と判断すると、対応可能な業者をすべて外してしまいかねません。同じ市町村内の事例で比較してください。

費用シミュレーション|よくある2つのケース

ケース1:都市部の団地3階(2DK・エレベーターなし・単身の親)

項目 金額
基本作業費(3名・1日) 130,000円
階段作業の加算(3階) 20,000円
家電リサイクル(冷蔵庫・洗濯機・テレビ) 18,000円
仏壇の供養 40,000円
買取(貴金属・切手) −25,000円
合計 183,000円

ケース2:地方の一軒家(4LDK・2階建て・庭と物置あり)

項目 金額
基本作業費(5名・2日) 380,000円
庭の残置物(庭石・植木鉢・古タイヤ) 60,000円
物置・納屋の中身 80,000円
家電リサイクル(4品目+α) 30,000円
仏壇・神棚の供養 60,000円
出張費(対応業者が遠方) 25,000円
買取(着物・骨董品・古い家具) −90,000円
合計 545,000円

ケース2で注目してほしいのは、買取で9万円が戻っている点です。作業費だけを見て「高い」と判断すると、買取に強い会社を候補から外すことになりかねません。


業者のタイプ別|どこに頼むのが正解か

「遺品整理」を掲げていなくても、家財の片付けを請け負う業者は複数あります。それぞれ得意分野が違います。

業者タイプ 得意なこと 向かないこと 費用感
遺品整理専門業者 仕分け・供養・買取・特殊清掃まで一括対応 単純な粗大ごみ処分だけを頼むと割高 標準
不用品回収業者 量が多く仕分け不要な案件 貴重品の捜索、供養の手配 やや安い
便利屋 小規模・短時間の作業 大量搬出、廃棄物の適正処理 安いが要許可確認
リサイクルショップ 価値のある品の買取 処分そのものは対象外 買取のみ
引越業者 形見分けの配送を伴う案件 廃棄物の処分 標準

「仕分けが必要かどうか」が分かれ目です。中身を確認せずまとめて処分してよいなら不用品回収業者が安く済みます。通帳や写真を探しながら進めるなら、遺品整理専門業者のほうが結果的に安全で早い。

なお、「無料回収」をうたって軽トラックで巡回する業者は避けてください。 一般廃棄物収集運搬業許可を持たないケースが多く、後から高額請求されたり、不法投棄されて依頼者が責任を問われたりする事例が報告されています。


費用の内訳|基本料金に含まれるもの・別料金になるもの

見積書を読むには、どこまでが基本料金なのかを知っておく必要があります。

基本料金に含まれるのが一般的なもの

  • 人件費(作業スタッフの日当)
  • 車両費(トラックの手配)
  • 仕分け・梱包・搬出の作業
  • 一般的な家財の処分費用
  • 簡易清掃(掃き掃除程度)

別料金になりやすいもの

項目 費用の目安 補足
仏壇・神棚・遺影の供養(閉眼供養) 3万〜10万円 寺院手配込みの場合と別の場合がある
エアコンの取り外し 5,000〜1万5,000円 室外機の位置で変動
家電リサイクル料金 1台 2,000〜6,000円+収集運搬料 エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は法律で対象
特殊清掃(孤独死等) 15万〜100万円超 遺品整理とは別工程
ハウスクリーニング 2万〜8万円 賃貸の原状回復で必要になることがある
遺品の宅配(形見分けの発送) 実費 個数が多いと無視できない
金庫・ピアノ・大型仏壇の搬出 1万〜5万円 特殊作業扱い

家電リサイクル法の対象4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機)は、法律でリサイクル料金の負担が定められています。「処分費込み」と言われても、この4品目が含まれているかは個別に確認してください。


見積書で必ず確認する7つのポイント

遺品整理の見積書で確認すべき7つのポイント

トラブルのほとんどは、契約前の見積書の段階で防げます。次の7点を確認してください。

1. 訪問して見積もりを出しているか

電話やメールだけの概算は、当日「思ったより多い」と追加請求される典型パターンです。現地を見ずに出た金額に拘束力はありません。 遠方で立ち会えない場合も、ビデオ通話で室内を映しながら見てもらう方法があります。

2. 「一式」でまとめられていないか

「遺品整理作業一式 250,000円」とだけ書かれた見積書は危険です。作業内容が特定されていないため、後から「これは含まれていない」と言われても反論できません。人件費・車両費・処分費・オプションが分かれて記載されているかを確認してください。

3. 追加費用が発生する条件が書面にあるか

良心的な会社の見積書には「予定量を超えた場合は1立方メートルあたり◯円」といった条件が明記されています。この記載がない会社は、当日の言い値になります。「追加は一切ありません」と口頭で言われた場合は、その一文を見積書に書いてもらってください。

4. 買取額が別項目で明記されているか

作業費30万円・買取5万円で実質25万円の会社と、作業費27万円・買取なしの会社では、前者のほうが安くなります。買取の可否と査定額を作業費と分けて記載してもらうと、はじめて比較ができます。

5. 一般廃棄物収集運搬業許可の番号が記載されているか

これが最も見落とされる点です。詳細は後述しますが、家庭から出る不用品を運ぶには市区町村の一般廃棄物収集運搬業許可が必要です。「産業廃棄物収集運搬業許可」では代用できません。

6. 作業日・作業人数・車両台数が特定されているか

「3名・2tトラック1台・9時〜17時」のように書かれていれば、見積もりの根拠が追えます。人数と時間が書かれていない見積書は、金額の妥当性を検証できません。

7. キャンセル規定が明記されているか

日程変更や中止の際の手数料が書かれているかを確認します。記載がないまま契約し、キャンセル時に高額請求されるケースがあります。

3社の見積もりを並べたときの読み方

たくみ先生たくみ先生
実際の見積書を3枚並べてみましょう。いちばん安く見える会社が、いちばん高くつきます

実際に相見積もりを取ると、次のような形になります。3LDKの戸建て(2階建て・エレベーターなし・庭あり)を想定した比較例です。

項目 A社 B社 C社
作業費(人件費・車両費) 180,000円 240,000円 150,000円
処分費 90,000円 見積書に記載なし 一式に含む
階段作業の加算 20,000円 0円(作業費に込み) 記載なし
庭・物置の残置物 35,000円 30,000円 記載なし
仏壇の供養 50,000円 50,000円 記載なし
買取額(差引) −60,000円 −20,000円 0円
支払総額 315,000円 300,000円 150,000円+α

一見するとC社が圧倒的に安く見えます。しかし処分費・階段加算・庭の残置物・供養がすべて「記載なし」です。この状態で契約すると、当日にすべてが追加請求される可能性が高い。「一式150,000円」の中身が特定されていないためです。

A社とB社を比べると、作業費だけならA社が6万円安く見えます。ところがB社は階段加算を作業費に含んでおり、総額では1万5,000円しか差がありません。さらにA社は買取が6万円つくため、実質的な負担はA社のほうが軽くなります。

読み方の原則は3つです。

  • 作業費どうしを比べない。 総額と買取後の実質負担で比べる
  • 「記載なし」は「無料」ではない。 見積書に無い項目は、当日に請求されうる項目です
  • 異常に安い1社は候補から外す。 相場の半額は、企業努力ではなく後出し請求の合図です

「100万円請求された」が起きる仕組みと防ぎ方

遺品整理で高額請求が起きる流れと止め方

「3万円からと言われたのに100万円請求された」という相談は、国民生活センターにも継続的に寄せられています。金額そのものより、発生の仕方に共通の型があります。

典型的な流れ

  1. チラシやウェブで「1K 3万円〜」といった格安価格を見て電話する
  2. 訪問見積もりをせず、電話口の概算で作業日を決める
  3. 作業当日、荷物を運び出し始めてから「量が想定より多い」と追加料金を提示される
  4. すでに家財がトラックに積まれ、部屋が半分空いた状態で断れない
  5. その場で高額な契約書にサインしてしまう
みどりみどり
運び出しが始まってから言われたら、もう断れないよね…。

3の段階がすべてです。 作業開始後に価格交渉をさせるのが、この手口の核心です。

たくみ先生たくみ先生
だから「作業開始前に総額を書面で確定させる」。これだけで防げます。

防ぎ方

  • 作業開始前に、総額が書かれた契約書を取り交わす。口約束で始めない
  • 当日に追加を求められたら、その場でサインせず一度作業を止める。「家族と相談する」で構いません
  • 見積もりは必ず3社以上取る。相場を知っていれば、その場で異常だと気づけます
  • 訪問販売にあたる契約は、特定商取引法のクーリング・オフ(書面受領から8日間)の対象になる場合があります。すでに支払ってしまった場合も諦めず、消費者ホットライン「188」に相談してください

なお、遺品の買取について自宅で契約した場合は「訪問購入」にあたり、こちらもクーリング・オフの対象です。安く買い叩かれたと感じたら、引き渡しを拒む権利があります。


遺品整理でよくあるトラブル

貴重品の持ち去り(いわゆる「ネコババ」)

みどりみどり
作業を全部お任せにするのは、ちょっと不安かも…。
たくみ先生たくみ先生
貴重品は業者が入る前にご自分で探し出す。これだけで大半は防げます。

作業中に現金・貴金属・骨董品が持ち去られる被害です。遺族が全体量を把握していないため、無くなったこと自体に気づけないのが厄介な点です。

防ぐ方法は3つあります。

  • 貴重品は業者が入る前に自分で探し出す。 通帳・権利証・実印・貴金属は事前に回収しておく
  • 作業に立ち会う。 遠方でも初日の午前だけでも立ち会うと抑止力になります
  • 買取品目のリストを書面でもらう。 何をいくらで引き取ったかが残ります

貴重品が出てきた場合の扱い(遺族に確認するのか、まとめて保管するのか)を、契約前に決めておくと安全です。

不法投棄され、依頼者が責任を問われる

無許可業者が回収物を山林や空き地に不法投棄した場合、排出者である依頼者も責任を問われることがあります。廃棄物処理法では、排出者に適正処理の確認責任があるためです。

「無料回収」をうたう業者や、許可番号を示せない業者には依頼しないでください。

遺品の誤廃棄

「取っておくつもりだった写真やアルバムを捨てられた」というトラブルです。作業前に残すものを一箇所にまとめ、「この部屋のこの箱には触らない」と明示しておくと防げます。


費用を安くする6つの方法

遺品整理の費用を安くする6つの方法

1. 3社以上から相見積もりを取る

遺品整理に定価はなく、同じ物量でも会社によって倍近い差がつきます。相見積もりは値下げ交渉のためというより、適正価格の水準を知るために取ります。

2. 買取とセットで依頼する

家具・家電・骨董品・着物・貴金属・切手・古銭などを買い取れる業者なら、その分が作業費から相殺されます。古物商許可を持っている会社かを確認してください。

3. 自分で減らせる分は先に減らす

衣類や書籍など、自治体の粗大ごみ・資源回収で出せるものを事前に処分しておくだけで、必要なトラックの台数が変わることがあります。ただし無理は禁物です。腰を痛めて医療費がかかっては本末転倒になります。

4. 繁忙期を避ける

年末年始・年度末(2〜4月)・お盆前後は依頼が集中し、料金が上がりやすい時期です。急がない案件なら、閑散期をねらうと交渉の余地が生まれます。

5. 自治体のサービスを確認する

粗大ごみの持ち込み処分は、業者に頼むより大幅に安く済みます。自治体によっては、ひとり暮らし高齢者世帯向けのごみ出し支援や、リユース品の引き取り制度があります。

6. 家財の運搬先をまとめる

形見分けの発送先が複数あると、そのぶん配送費がかかります。いったん1か所にまとめて、後から個別に送るほうが安くなるケースがあります。

一括見積もりで相場を確かめる

遠方の実家を整理する場合、1社ずつ電話して訪問日を調整するのは現実的ではありません。一括見積もりサービスなら、1回の入力で対応エリアの複数社から見積もりが届き、料金と作業範囲を横並びで比較できます。

使うときのコツは3つです。

  • 備考欄に条件を具体的に書く……「3LDK戸建て・2階建て・エレベーターなし・庭に物置あり・仏壇の供養希望」まで書くと、返ってくる金額の精度が上がります
  • 連絡方法をメールに指定する……多くのサービスに指定欄があり、電話の本数を抑えられます
  • 依頼は3〜5社にとどめる……相場の中央値を知るには3社で十分です

相場から外れた高額請求を避けるための、いちばん手軽な自衛策です。


遺品の種類別|処分と供養の方法

遺品の写真やアルバムを仕分けする様子

費用の話とは別に、「これはどう扱えばいいのか」で手が止まる品があります。代表的なものをまとめます。

仏壇・位牌・神棚

菩提寺や近隣の寺社で魂抜き(閉眼供養)をしてから処分します。費用は3万〜10万円程度。遺品整理業者の多くが供養の手配まで請け負っているため、見積もり時に相談してください。寺院に直接依頼するほうが安く済むケースもあります。

写真・アルバム・手紙

いちばん判断に迷い、そして後悔が残りやすいのがここです。おすすめは、その場で捨てるかどうかを決めず、段ボール1箱分だけ保留にすること。スマートフォンで撮影してデータ化しておけば、現物を手放しても記録は残ります。

衣類・着物

一般衣類は資源回収に出せる自治体が多く、まとめて業者に頼むより安くなります。着物は買取対象になることがあり、とくに作家物・大島紬・訪問着は値がつく可能性があります。まとめて処分する前に査定に出してください。

家電・家具

エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象で、リサイクル料金がかかります。製造から5年以内の家電、ブランド家具は買取対象になります。年式がわかる型番を控えておくと査定が早く済みます。

自動車・バイク

名義変更または廃車手続きが必要です。相続人が確定していないと手続きできないため、遺産分割と並行して進めます。放置すると自動車税が課され続けます。

デジタル遺品

見落とされがちですが重要です。スマートフォン・パソコンの中に、ネット銀行の口座、証券口座、暗号資産、有料サブスクリプションの契約が残っていることがあります。端末を処分する前に、契約中のサービスを確認してください。解約しないと課金が続きます。


特殊清掃が必要になるケース

故人が室内で亡くなり発見までに時間が経った場合、通常の遺品整理では対応できません。特殊清掃という別工程が必要になります。

作業内容 費用の目安
消臭・消毒 3万〜30万円
汚損した床材・畳の撤去 5万〜30万円
害虫駆除 2万〜10万円
下地・壁材の解体と復旧 10万〜50万円
総額の目安 15万〜100万円超

金額の幅が非常に大きいのは、汚損が建材のどこまで浸透したかで工程が変わるためです。表面の清掃で済む場合と、床を剥がして下地から交換する場合では10倍近い差が出ます。

賃貸物件では、原状回復費を大家や管理会社から請求されることがあります。孤独死に対応する保険(家財保険の特約など)が使えるケースもあるため、契約内容を確認してください。

特殊清掃に対応できる業者は限られます。遺品整理と特殊清掃を一社にまとめて依頼できると、工程の引き継ぎがなく費用も抑えられます。


賃貸物件の遺品整理で気をつけること

みどりみどり
実家が賃貸だった場合は、何か違うの?
たくみ先生たくみ先生
時間の制約が加わります。それと、相続放棄を考えているなら絶対に片付けないでください

実家が持ち家ではなく賃貸だった場合、時間の制約が加わります。

  • 家賃は退去まで発生し続ける。 手続きが1か月遅れれば1か月分の家賃が余計にかかります
  • 相続放棄を検討中なら、勝手に片付けない。 遺品を処分すると「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。判断前に弁護士・司法書士に相談してください
  • 原状回復の範囲を管理会社と事前にすり合わせる。 経年劣化は借主負担にならないのが原則です
  • 解約通知の期限を確認する。 多くの契約で1か月前の通知が必要です

とくに2つ目は重要です。「とりあえず片付けてから考える」が、相続放棄の選択肢を消してしまうことがあります。負債の有無がわからないうちは、遺品に手をつける前に確認してください。


業者選びで確認すべき資格・許可

許可・資格 何のために必要か 確認方法
一般廃棄物収集運搬業許可 家庭から出る不用品の運搬に必須 市区町村が発行。番号を聞き、自治体サイトの許可業者一覧で照合できる
古物商許可 遺品を買い取るために必要 都道府県公安委員会が発行。番号を確認
産業廃棄物収集運搬業許可 事業ごみ用。家庭ごみには使えない これしか持っていない業者は不適格
遺品整理士 民間資格。業界団体の認定 有資格者が在籍しているか

とくに重要なのが1つ目です。多くの遺品整理業者は、自社で一般廃棄物収集運搬業許可を持たず、許可業者と提携して運搬を委託しています。それ自体は問題ありませんが、「どこに委託しているか」を答えられない会社は避けてください。

許可の有無は自分でも確かめられます。市区町村の公式サイトに「一般廃棄物収集運搬業許可業者一覧」が公開されていることがほとんどで、社名か許可番号で照合できます。ここに載っていない会社が「うちは許可があります」と言う場合、それは産業廃棄物の許可か、他社の許可である可能性が高いと考えてください。

「遺品整理士」は民間の認定資格で、法的な業務独占資格ではありません。有資格者がいれば安心、というものではない点に注意してください。廃棄物の扱いや供養の作法を学んだ証にはなりますが、判断の軸はあくまで許可の有無と見積書の中身です。


依頼から完了までの流れ

遺品整理の依頼から完了までの流れ
  1. 問い合わせ・日程調整(1〜3日)……対応エリアと空き状況を確認
  2. 訪問見積もり(30分〜1時間)……敷地全体を見てもらう
  3. 見積書の比較・契約(数日〜1週間)……上の7項目をチェック
  4. 当日の作業(半日〜3日)……可能なら立ち会う
  5. 完了確認・精算……買取分を相殺し、処分品の行き先を確認

急ぎでなければ、問い合わせから作業まで2週間程度を見ておくと落ち着いて比較できます。賃貸の退去期限がある場合は、期限の1か月前には動き始めてください。

見積もり当日に伝えるべきこと

訪問見積もりの精度は、こちらが何を伝えるかで決まります。以下を整理しておくと、当日の追加請求がほぼなくなります。

  • どこまでを作業範囲にするか……居室のみか、庭・物置・車庫も含むか
  • 残すものがあるか……「この箱と仏間の押入れは触らない」など、具体的に
  • 探してほしいものがあるか……通帳・権利証・実印・保険証券。見つかった場合の連絡方法も決めておく
  • 供養が必要な品……仏壇・位牌・神棚・人形・写真
  • 搬出経路の制約……エレベーターの有無、前面道路の幅、駐車可能な場所、養生が必要な共用部
  • 作業できる曜日・時間帯……マンションの管理規約で作業時間が決まっていることがあります

とくに最後の項目は見落とされがちです。集合住宅では管理会社への事前申請が必要な場合があり、当日に作業できず日程を組み直すことになります。

完了時に必ず確認すること

作業が終わったら、その場で次を確認してください。あとから連絡しても対応してもらえないことがあります。

  • 室内をすべて見て回る……押入れの天袋、床下収納、ベランダは残りやすい場所です
  • 買取品目と金額の明細を受け取る……何をいくらで引き取ったかを書面で
  • 処分品の行き先を聞く……適正処理されるルートかを確認します
  • 貴重品が出た場合の受け渡し……その場で受け取り、リストと照合する

よくある質問

Q. 遺品整理はいつから始めればいいですか?

決まりはありませんが、四十九日の法要後に始める方が多数派です。賃貸物件で退去期限がある場合や、相続税の申告期限(10か月)が迫っている場合は、それに合わせて前倒しします。

Q. 立ち会えない場合でも依頼できますか?

できます。鍵の受け渡し方法、作業前後の写真報告、貴重品が出た場合の連絡方法を、契約前に決めておいてください。遠方の実家では立ち会えないケースのほうが多く、多くの業者が対応しています。

Q. 費用は誰が払うのが一般的ですか?

相続人が負担し、遺産分割で調整するのが一般的です。誰がいくら払うかは着手前に決めておいてください。 後から揉める原因になります。

Q. 遺品整理の費用は相続税の控除対象になりますか?

原則として債務控除の対象にはなりません。葬式費用は控除できますが、遺品整理は葬式費用に含まれないためです。判断に迷う場合は税理士に確認してください。

Q. ゴミ屋敷状態でも対応してもらえますか?

対応可能です。ただし通常の1.5〜3倍の費用がかかり、消臭・害虫駆除が加わることもあります。この状態こそ相見積もりで差が出るため、必ず複数社に見てもらってください。

Q. 作業は何日かかりますか?

1Kなら半日、2LDKで1日、4LDK以上の一軒家で2〜3日が目安です。ただし貴重品を探しながら進める場合は1.5倍程度を見込んでください。「とにかく早く終わらせたい」と伝えると、確認なしで一気に運び出されてしまい、後から通帳が見つからないといった事態になります。

Q. 買取だけを先に頼むことはできますか?

できます。ただし価値のある品だけ先に売ってしまうと、遺品整理業者側の買取相殺がなくなり、作業費の総額は上がります。どちらが得かはケース次第なので、査定額を聞いたうえで判断してください。

Q. 見積もりを取ったら断りにくくないですか?

訪問見積もりは無料の会社がほとんどで、断っても費用は発生しません。「他社とも比較しています」と最初に伝えておくと、その後のやり取りが楽になります。しつこく食い下がる会社は、その時点で候補から外して構いません。

Q. 遺品整理と生前整理は何が違いますか?

生前整理は本人が元気なうちに自分の持ち物を整理することで、本人に残す・捨てるを確認できるのが最大の違いです。仕分けの判断が速く、費用も抑えられます。親御さんが健在なら、生前整理のほうが金銭的にも心理的にも負担が軽く済みます。


まとめ

遺品整理の費用相場は、1Kで3万〜8万円、2LDKで12万〜30万円、4LDK以上の一軒家で30万〜80万円です。ただし金額を左右するのは物量よりも作業環境で、階数・道路幅・庭や物置の有無で倍近く変わります。

だからこそ重要なのは、相場の一覧を覚えることではなく、手元の見積書が適正かを判断できることです。

  • 訪問見積もりを受けているか
  • 「一式」でまとめられていないか
  • 追加費用の条件が書面にあるか
  • 買取額が別項目で明記されているか
  • 一般廃棄物収集運搬業許可の番号があるか
  • 作業日・人数・車両が特定されているか
  • キャンセル規定があるか

この7点を満たした見積書を3社から集めれば、極端に高い会社も、危ない会社も自然に除外できます。

みどりみどり
なるほど。まずは3社に見てもらうところからね。

なお、実家そのものを片付ける場合は、遺品整理をどの順番で行うかで総額が変わります。解体を先にすると残置物処分費として10万〜50万円が上乗せされるため、遺品整理を先に済ませるのが原則です。全体の進め方は実家じまいの進め方|損しない順番5ステップと費用総額にまとめています。


この記事について

執筆:葉山 湊(はやま みなと)

自身の家族の実家じまいを経験し、そのときに「どこにも書かれていなかったこと」を出発点にこのサイトを立ち上げました。税理士・宅地建物取引士などの資格は保有していません。制度や税金については、必ず一次情報(国税庁・法務省・各自治体)にあたって記事に反映しています。

本記事の主な出典は次のとおりです。

・相続税の申告期限:国税庁 No.4205

制度・税制は改正されます。本記事の内容は2026年9月3日時点の公表情報にもとづきます。 実際の判断は、税理士・司法書士・不動産会社など専門家にご確認ください。当サイトは個別の税務相談・法律相談には応じられません。

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