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不動産の買取と仲介はどちらが得か|手取りが逆転する3つの条件

売却を検討している空き家の実家の外観 実家の売却・活用
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「買取は安く買い叩かれる」と言われます。実際、買取価格は市場価格の7〜8割です。

それでも、買取のほうが手元に多く残ることがあります。 仲介で売る場合、売値から仲介手数料が引かれ、測量と解体と片付けの費用が出ていき、売れるまでの維持費が積み上がるからです。

この記事では、両者を売値ではなく手取りで比べます。そのうえで、逆転が起きる3つの条件を示します。ほとんどの実家では仲介が勝ちますが、条件がそろうと結論はひっくり返ります。

みどりみどり
買取だと3割も安くなると聞きました。それなら仲介一択ですよね。
たくみ先生たくみ先生
多くの場合はそうです。 ただ、測量に50万円、解体に150万円、片付けに40万円かかる実家だと話が変わります。そこに売れるまでの維持費と、遠方なら交通費が乗ります。「いくらで売れるか」ではなく「いくら残るか」で比べてください。

結論|先に3つ

仲介と買取の手取り比較

1. 基本は仲介。手取りで200万〜350万円の差

1,500万円で売れる実家なら、買取は1,050万〜1,200万円。諸費用を引いても、仲介のほうが手元に残ります。

2. 逆転するのは3つの条件がそろったとき

測量と解体が必要、家財が大量に残っている、期限が迫っている。この3つです。

3. 両方の金額を取れば、迷わない

査定は同時に出せます。仲介での想定価格と、買取での提示額。 並べて諸費用を引けば、答えは数字で出ます。

仲介と買取、両方の金額を取る

どちらが得かは、物件ごとに変わります。査定は無料で、売ると決めていなくても取れます。仲介での想定価格が分かれば、買取の提示額が妥当かどうかも判断できます。

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買取と仲介は、何が違うのか

買取と仲介の違い

買主が誰かが、すべての違いを生みます。

項目 仲介 買取
買主 個人(実際に住む人) 不動産会社
売却価格 市場価格 市場価格の7〜8割
仲介手数料 売値の3.3%+6.6万円 かからない
売れるまでの期間 3〜6か月 2週間〜1か月
契約不適合責任 売主が負う 免責にできることが多い
内覧 何組も受け入れる 不要
近所に知られるか 広告に出るので知られる 知られずに済む

仲介は「探す」、買取は「売る」

仲介では、不動産会社は買主を探す立場です。見つかるまで売れません。買取では、その会社自身が買主なので、条件が合えばその場で決まります。

買取業者は、買って直して売る

不動産会社は買い取った家をリフォームして再販します。そこに利益とリスクを乗せるため、仕入れ値は市場価格より低くなります。 安く買い叩いているというより、再販のコストと在庫リスクが価格に反映されている、という構造です。

買取価格の内訳を分解すると

1,500万円で再販できる物件を買い取る場合、業者の計算はこうなります。

項目 金額
再販価格 1,500万円
リフォーム費用 -200万円
販売時の仲介手数料・広告費 -60万円
登記・不動産取得税 -40万円
在庫期間の金利・保有コスト -25万円
業者の利益 -150万円
買取価格 1,025万円

「7掛け」の内訳は、ほとんどがリフォーム費用と再販コストです。 業者の利益だけが理由ではありません。

だからこそ、リフォームがほとんど不要な物件なら、買取率は上がります。 逆に、直す箇所が多いほど下がります。

買取業者にも種類がある

型 何をするか 買取価格の傾向
再販型 リフォームして個人へ売る 7〜8割。きれいな物件を好む
活用型 賃貸に出す、駐車場にする 立地しだいで変わる
訳あり専門 再建築不可・事故物件・持分を扱う 5〜6割。ただし他が買わない物件も買う
建売業者 解体して新築を建てる 土地として評価。建物はゼロ

実家の状態によって、声をかける先が変わります。 築40年の木造なら、再販型より建売業者のほうが高い金額を出すこともあります。


買取価格は、市場価格の7〜8割

物件の状態別の買取価格の目安

一般的な目安は7〜8割です。ただし、物件によって幅があります。

物件の状態 買取率の目安 1,500万円の実家なら
築浅・駅近・きれい 8〜9割 1,200万〜1,350万円
標準的な中古戸建て 7〜8割 1,050万〜1,200万円
築古・郊外・要修繕 6〜7割 900万〜1,050万円
再建築不可・事故物件・共有持分 5割前後 750万円前後

下がるのは、再販しにくい物件

買取業者は「直して売れるか」で金額を決めます。売りやすい物件ほど買取率は高く、売りにくい物件ほど下がります。

逆に言えば、売りにくい物件は買取しか選べない

再建築不可、事故物件、共有持分、極端な狭小地。仲介に出しても買主が見つからない物件は、5割でも売れるだけましという判断になります。

「高価買取」の広告には裏がある

相場より高い提示額を出しておいて、契約直前に「調査で不具合が見つかった」と値下げを求める業者がいます。複数社から提示を受けて、極端に高い1社は理由を確認してください。

みどりみどり
1社だけ200万円も高い金額を出してきました。ここに決めていいですか。
たくみ先生たくみ先生
理由を聞いてください。 明確な根拠(その地域で再販実績がある、隣地と一体で開発できる)があるなら本物です。根拠が曖昧なら、契約後の減額を疑ってください。 それと、買取なのに媒介契約を求めてくる業者には注意してください。それは買取ではなく仲介です。

手取りで比べる|1,500万円の実家

仲介と買取の手取り計算の比較

相続した木造戸建て、家財あり、境界未確定、という標準的なケースで計算します。

項目 仲介 買取
売却価格 1,500万円 1,125万円(7.5割)
仲介手数料 -56万1,000円 0円
印紙税 -1万円 -1万円
相続登記・抵当権抹消 -12万円 -12万円
確定測量 -50万円 0円(業者負担)
家財の処分 -35万円 0円(残置物ごと買取)
ハウスクリーニング -10万円 0円
売れるまでの維持費 -12万円(6か月) -2万円(1か月)
手取り 1,323万9,000円 1,110万円

差は213万9,000円。仲介の勝ち

買取で浮く費用は151万円ですが、値引き幅は375万円です。この構図が、多くの実家で成り立ちます。

それでも買取が選ばれる理由

上の表には、金額にならないものが入っていません。

  • 内覧のたびに掃除をして立ち会う手間
  • 買主が見つかるまで決まらない不安
  • きょうだいから「まだ売れないのか」と言われ続ける状況
  • 遠方なら、通うたびの交通費と時間

213万円を、この負担と引き換えにするかどうか。 それが実際の判断です。

きょうだいで分ける場合は、先に分け方を決めてから売却方法を選んでください。順番の整理は実家を兄弟でどう分けるにまとめています。


手取りが逆転する3つの条件

買取のほうが手取りが多くなる3つの条件

1. 測量と解体が必要

境界が未確定で確定測量に80万円、建物が老朽化していて解体に150万円。合わせて230万円が売れる前に出ていきます。

買取なら、業者が現況のまま引き取ります。この230万円がそのまま浮きます。

2. 家財が大量に残っている

ゴミ屋敷に近い状態、大型家具が多い、遺品の量が多い。処分費が50万〜100万円になることがあります。

残置物ごと買い取る業者なら、ここもゼロです。

3. 期限が迫っている

相続税の納付期限は10か月。空き家の3,000万円特別控除は、相続の開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。

期限を越えれば、控除が丸ごと消えます。 3,000万円の控除を逃すと、税額の差は最大で約609万円。値引き375万円より大きい。

3つそろった場合の計算

項目 仲介 買取
売却価格 1,500万円 1,125万円
仲介手数料 -56万1,000円 0円
測量 -80万円 0円
解体 -150万円 0円
家財の処分 -80万円 0円
登記・印紙 -13万円 -13万円
維持費(12か月/1か月) -24万円 -2万円
手取り 1,096万9,000円 1,110万円

逆転しました。 しかも仲介では、この間に期限を越えるリスクを負い続けます。

現況のまま買い取ってもらえるか、確かめる

測量も解体も片付けもせずに売れるなら、諸費用がまるごと消えます。空き家・中古戸建ての買取なら、残置物があっても金額が出ます。無料で、売ると決めていなくても提示を受けられます。

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物件の種類で、差の出方が変わる

同じ考え方を、マンションと土地にあてはめます。

戸建て(1,500万円) マンション(1,500万円) 土地のみ(1,500万円)
買取で浮く費用 151万円 66万円 96万円
値引き幅 375万円 300万円 300万円
差 仲介が224万円有利 仲介が234万円有利 仲介が204万円有利

マンションは、買取で浮く費用が少ない

測量も解体も不要なので、浮くのは仲介手数料と片付け費用だけです。そのぶん仲介が有利になりやすい。 一方、管理費と修繕積立金が毎月出ていくため、1年以上売れ残ると差が縮まります。

土地は、買取率が高くなりやすい

建物のリスクがないため、業者にとって扱いやすい。更地なら8割前後の提示が出ることもあります。 ただし、測量が済んでいないと大きく下がります。

買取の流れ

決まってからは速く進みます。

段階 日数 やること
申し込み・机上査定 1〜3日 住所・面積・築年数を伝える
現地調査 3〜7日 業者が実物を見る
買取価格の提示 1〜3日 書面で受け取る
契約 1〜3日 手付金を受け取る
決済・引き渡し 1〜3週間 残額を受け取り、鍵を渡す

最短で2週間、標準で1か月です。相続登記が終わっていないと進まないので、そこだけは先に済ませてください。


期間の差が生む費用

仲介と買取の売却期間の違い
段階 仲介 買取
査定 1〜2週間 数日
売り出し準備(片付け・清掃) 1〜2か月 不要
売り出しから成約 3〜6か月 ―
契約から決済 1〜2か月 2週間〜1か月
合計 5〜10か月 2週間〜1か月

待つあいだも、費用は出続ける

固定資産税、火災保険、電気・水道の基本料金、庭の手入れ。合わせて月1万〜3万円です。

半年で6万〜18万円、1年で12万〜36万円。金額としては大きくありませんが、売れるかどうか分からないまま払い続けるのは、精神的な負担が大きい。

売れ残ると、値下げすることになる

3か月売れなければ、たいてい価格の見直しを勧められます。1,500万円で出して1,300万円まで下げると、買取の1,125万円との差は175万円。そこから諸費用を引くと、ほとんど変わらなくなります。

最初の3か月が勝負

新規物件として注目されるのは、売り出し直後です。ここで決まらないと長期化します。価格設定を間違えると、時間と維持費の両方を失います。

値下げの目安を、先に決めておく

売り出してから「いつ、いくら下げるか」を決めずに始めると、ずるずると長期化します。

時期 反応 対応
1か月目 問い合わせが0件 価格が相場より2割以上高い
2か月目 内覧はあるが申し込みなし 5%下げるか、清掃・写真を見直す
3か月目 まだ動かない さらに5%下げる
6か月目 決まらない 買取に切り替える判断

最初に「半年で決まらなければ買取」と決めておけば、迷う時間が消えます。 きょうだいが複数いる場合は、この基準を先に共有してください。

みどりみどり
半年も売れないと、きょうだいから何か言われそうです。
たくみ先生たくみ先生
だから先に決めておくんです。 「6か月で売れなければ、買取の金額で確定する」と全員で合意しておけば、途中で揉めません。決めていないから、売れないたびに誰かが不満を言うことになります。 買取の提示額は先に取れるので、それを下限にしてください。

買取のメリットは、金額以外にある

買取で得られるものと失うもの

得られるもの

  • 契約不適合責任を免責にできる
  • 内覧がない(片付けも立ち会いも不要)
  • 近所に知られない(広告に出ない)
  • 期日が確定する(いつ現金化できるかが読める)
  • 残置物を残したまま引き渡せることがある

失うもの

  • 売却価格の2〜3割
  • 高く売れる可能性(相場が上がっても関係ない)
  • 買主を選ぶ余地

契約不適合責任の免責は、実家では大きい

親が住んでいた家の状態を、子は正確に知りません。雨漏り、シロアリ、給排水の劣化。引き渡し後にこれらが見つかると、仲介では売主が修補や損害賠償の責任を負います。

買取なら、業者は不具合を織り込んだうえで買うため、免責にできることがほとんどです。築古の実家を仲介で売るときの、いちばん怖い部分が消えます。

知られたくない事情があるとき

離婚、借金、相続争い。近隣に知られずに処分したいという事情があるなら、広告に出ない買取が向いています。

内覧がないことの意味

仲介では、買主候補が家の中を見に来ます。遠方に住んでいると、そのたびに移動が発生します。

仲介 買取
現地に行く回数 5〜10回 1〜2回
1回あたりの費用(片道300km) 2万〜5万円 同じ
合計 10万〜50万円 2万〜10万円

遠方の実家では、これだけで数十万円の差になります。加えて、有給を取る回数も変わります。

内覧のたびに掃除をし、庭の草を刈り、電気を通しておく。この手間は、費用として計算されないまま売主が負担しています。

みどりみどり
父が住んでいた家なので、どこが傷んでいるか私には分かりません。
たくみ先生たくみ先生
それが仲介の一番のリスクです。 引き渡しから数か月後に雨漏りが見つかれば、修補費を請求されることがあります。建物状況調査を受けて、分かっている不具合を全部告知しておけば防げますが、調査に5万〜10万円かかります。 買取なら、その心配ごと引き取ってもらえます。

買取が向く実家・仲介が向く実家

買取が向く実家と仲介が向く実家

買取が向く

  • 境界が未確定で、確定測量に50万円以上かかる
  • 建物が老朽化していて、解体しないと売れない
  • 家財が大量に残っていて、処分費が50万円を超える
  • 相続税の納付期限、または空き家特例の3年期限が迫っている
  • 再建築不可、事故物件、共有持分など、仲介で買主が付きにくい
  • 遠方で、何度も通うのが難しい

仲介が向く

  • 築浅、または駅から近い
  • 境界が確定していて、測量が不要
  • 家財がすでに片付いている
  • 期限に余裕がある(相続から1年以上ある)
  • きょうだい全員が「高く売る」で一致している

2つ以上当てはまるほうを選ぶ

どちらにも当てはまる要素があるのが普通です。数を数えて、多いほうを基本線にしてください。

5つの質問で判定する

より簡単に判断したい場合は、次の5つに答えてください。

質問 はい いいえ
境界標が現地に残っているか 仲介 買取
家財はすでに片付いているか 仲介 買取
相続から1年以上の余裕があるか 仲介 買取
実家まで日帰りで行けるか 仲介 買取
建物に大きな不具合がないと言い切れるか 仲介 買取

「買取」が3つ以上なら、買取の提示額を取る価値があります。 5つとも「仲介」なら、迷わず仲介で売り出してください。

みどりみどり
5つのうち3つが買取でした。でも、いきなり買取に決めるのは不安です。
たくみ先生たくみ先生
決める必要はありません。 買取の提示額を「下限」として持ったうえで、3か月だけ仲介に出す。これがいちばん損の少ない進め方です。売れればそれでよし、売れなければ下限で確定できます。 査定は両方とも無料なので、先に数字だけ集めてください。

迷ったら、まず仲介で3か月

買取の提示額を取ったうえで、その金額を下限として仲介に出すという進め方があります。3か月で売れなければ買取に切り替える。買取の提示額には有効期限があるので、期限を確認してから決めてください。


買取価格に、交渉の余地はあるか

あります。ただし、値切るというより根拠を示すという形になります。

効く材料

  • 他社の提示額(同じ条件で、別の業者はいくら出したか)
  • 仲介での査定額(市場価格がいくらか)
  • 近隣の成約事例(レインズの取引情報や、不動産情報ライブラリで調べられる)
  • 建物の状態が良いという証拠(直近の外壁塗装、給湯器交換、シロアリ防除の記録)

効かない材料

  • 「この家には思い入れがある」
  • 「固定資産税評価額はもっと高い」
  • 「もっと高く売れるはずだ」(根拠がない)

引き渡し条件も交渉できる

金額が動かなくても、条件で実質的な上積みが取れることがあります。

交渉できること 効果
残置物の引き取り 処分費20万〜50万円が浮く
引き渡し日の調整 片付けの時間が取れる
決済までの期間短縮 維持費が減る
測量の業者負担 35万〜80万円が浮く

金額だけを見て比べると、条件の差を見落とします。 提示を受けたら、「この金額に何が含まれているか」を書面で確認してください。

みどりみどり
2社から提示を受けました。50万円高いほうに決めればいいですか。
たくみ先生たくみ先生
条件を見てからにしてください。 安いほうが残置物の処分を引き受けるなら、実質は逆転します。「金額+引き受けてもらえる作業」で比べてください。 それと、決済までの日数も確認を。1か月違えば維持費が数万円変わりますし、期限が迫っているなら早いほうに価値があります。

売れない実家は、どうするか

仲介でも買取でも売れない物件があります。

買取業者にも断られる物件

  • 再建築不可で、隣地の買い増しもできない
  • 市街化調整区域で、用途が極端に限られる
  • 借地権付きで、地主の承諾が取れない
  • 山林・原野・農地で、需要がない
  • 災害リスクが高い(土砂災害特別警戒区域など)

残る選択肢は3つ

1. 空き家バンクに登録する

自治体が運営する仕組みです。手数料がかからず、移住希望者の目に触れます。成約までに年単位かかることもありますが、費用はほぼゼロです。

2. 隣地の所有者に声をかける

狭小地や旗竿地は、隣の土地と一体になれば価値が出ます。買主として最も可能性が高いのは、隣に住んでいる人です。

3. 相続土地国庫帰属制度を使う

一定の要件を満たす土地を、国に引き取ってもらう制度です。審査手数料は1筆14,000円、負担金は原則20万円から。ただし建物があると使えません。 解体費を払ってでも手放したいか、という判断になります。

制度の要件と実際の承認率は、いらない実家は相続放棄できる?にまとめています。

4つ目の選択肢は「持ち続ける」

売らずに持つなら、固定資産税と管理費が出続けます。年10万〜30万円。10年で100万〜300万円です。放置して特定空家に指定されれば、住宅用地特例が外れて税額が最大6倍になります。

「いつか誰かが使うかもしれない」で持ち続けるのが、いちばん高くつきます。

「売れない」と決める前に、訳あり専門を当たる

一般の買取業者に断られても、再建築不可・事故物件・共有持分を専門に扱う会社があります。再販のルートが違うため、他社が0円と言った物件に金額が付くことがあります。

金額は市場価格の5〜6割まで下がりますが、持ち続けて毎年10万〜30万円を払い続けるのと比べれば、結論は明らかです。

他社に断られた実家でも、金額が出ることがある

再建築不可、事故物件、共有持分、狭小地。一般の仲介では買主が付かない物件を専門に扱う買取があります。査定は無料で、断っても費用はかかりません。まず金額を知ってから判断してください。

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一定期間は仲介で売り出し、売れなければあらかじめ決めた価格で買い取ってもらう仕組みです。

項目 内容
仕組み 3〜6か月は仲介で売り出し、売れなければ買取
買取価格 市場価格の7〜8割(先に決めておく)
仲介手数料 仲介で売れた場合はかかる
扱う会社 大手の系列会社に多い

下限が決まるので、計画が立てられる

「最低でも1,100万円にはなる」と分かっていれば、相続税の納付計画も立てられます。期限があるときに、仲介の可能性を捨てずに済む方法です。

注意点

  • 買取保証の価格は、市場が下がると見直されることがある
  • 専任媒介が条件になることが多い
  • 保証期間を過ぎると失効する

条件を書面で受け取り、価格・期間・見直しの有無を確認してください。


買取業者を選ぶときの注意点

1. 複数社から提示を受ける

1社だけでは、その金額が妥当か分かりません。3社は取ってください。 提示額に100万円以上の幅が出ることは珍しくありません。

2. 契約直前の減額に備える

「調査したら不具合が見つかった」として減額を求めるのは、よくある手口です。提示額の根拠を書面でもらい、減額する場合の条件を契約前に確認してください。

3. 媒介契約を求められたら、それは仲介

買取なら、その会社が買主なので媒介契約は不要です。媒介契約書を出されたら、買取ではなく仲介の話になっています。

4. 免許番号と実績を確認する

宅地建物取引業の免許番号は、国土交通省のサイトで検索できます。カッコ内の数字が更新回数で、大きいほど営業年数が長いという目安になります。

5. 残置物の扱いを明記してもらう

「そのままで結構です」と口頭で言われても、契約書に書かれていなければ後から撤去費を請求されることがあります。

6. 契約不適合責任の免責を、書面で確認する

買取の大きな利点ですが、自動的に免責になるわけではありません。 契約書に「売主は契約不適合責任を負わない」という条項があるかを見てください。

ただし、売主が知っていて告げなかった不具合は免責されません。 雨漏りやシロアリを知っているなら、必ず伝えてください。隠すと、免責条項があっても責任を問われます。

7. 手付金と決済日を確認する

契約時に手付金を受け取り、決済日に残額が入ります。手付金が極端に少ない(売値の1%未満)業者は、資金力に不安があります。 決済までの期間が2か月以上かかる場合も、理由を聞いてください。

契約前に確認する5項目

  1. 買取価格と、その内訳の根拠
  2. 残置物の撤去は誰が行うか
  3. 契約不適合責任の免責条項があるか
  4. 手付金の額と決済日
  5. 減額の可能性と、その条件

この5つを書面で受け取れば、契約後のトラブルはほぼ防げます。

買取の金額を知ってから、仲介と比べる

買取の提示額が分かれば、それが仲介の下限になります。空き家・中古戸建ての買取なら、残置物があっても、境界が未確定でも金額が出ます。無料で、売ると決めていなくても取れます。

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仲介での想定価格も取る

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税金の扱いは、どちらも同じ

買取でも仲介でも、譲渡所得の計算方法は変わりません。

譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用

そもそも、特例が使える物件かを確かめる

空き家の特別控除には条件があります。昭和56年5月31日以前の建築で、区分所有建物(マンション)ではないこと。相続後に貸したり住んだりしていないこと。売却代金が1億円以下であること。

控除額も一律ではありません。取得した相続人が3人以上なら、1人あたり2,000万円です(令和6年1月1日以後の譲渡)。

買取でも空き家の特別控除は使える

要件を満たせば、買取でも適用されます。ただし、耐震改修をするか、建物を取り壊して売るという要件があるため、現況のまま買い取ってもらう場合は使えないことがあります。

買取業者に「解体してから引き渡す」形にできるか確認してください。 解体費を買取価格から差し引く形なら、要件を満たせる場合があります。

譲渡費用が少ないぶん、課税所得は増える

買取では仲介手数料も測量費もかかりません。これは費用が減るということですが、同時に譲渡所得から差し引ける金額も減るということです。

譲渡益が出る物件では、この点も計算に入れてください。詳しくは相続した実家の売却にかかる税金にまとめています。


両方の金額を、同時に取る

比べるには、2種類の数字が要ります。仲介での想定価格と、買取での提示額です。

取り方

何を取るか どこで取るか かかる日数
仲介での想定価格 不動産の一括査定 1〜7日
買取での提示額 買取専門の会社、または一括査定の買取希望 3〜10日

一括査定のサービスによっては、依頼時に「買取希望」を選べるものがあります。その場合、1回の入力で両方の金額が集まります。

同じ条件で聞く

金額を比べるには、条件をそろえる必要があります。査定を依頼するとき、次の5つを同じ内容で伝えてください。

  1. 家財が残っているか(残したまま引き渡せるか聞く)
  2. 境界が確定しているか(測量図の有無)
  3. 建物の不具合(雨漏り、シロアリ、傾き)
  4. いつまでに売りたいか(期限があるなら伝える)
  5. 相続登記が済んでいるか

条件を曖昧にすると、あとから「聞いていた話と違う」と減額されます。 分かっていることは全部伝えたほうが、最終的な金額は安定します。

比べるのは「手取り」

提示された金額から、それぞれの諸費用を引いてください。仲介なら手数料と測量と片付け、買取なら登記と印紙だけ。この引き算をして初めて、比較になります。

費用の内訳は実家を売るときの諸費用一覧に項目別でまとめています。


よくある質問

Q. 買取の査定を受けたら、断れますか。

断れます。査定は無料で、断っても費用は発生しません。提示額に納得できなければ、その場で決める必要はありません。

Q. 買取と一括査定は違いますか。

一括査定は、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼する仕組みです。仲介での想定価格を知るために使います。買取を希望するなら、買取に対応しているサービスを選んでください。

Q. 住宅ローンが残っていても買取できますか。

売却代金でローンを完済できるなら可能です。下回る場合は、差額を用意するか、金融機関の同意を得て任意売却にします。

Q. 共有名義でも買取できますか。

全員の同意があれば、通常どおり買取できます。同意が取れない場合は、自分の持分だけを売るという方法もありますが、価格は大きく下がります。

Q. 買取だと、近所に知られませんか。

広告を出さないので、売り出していることは知られません。ただし、引き渡し後に業者がリフォーム工事を始めれば、そこで分かります。

Q. 買取の提示額は、いつまで有効ですか。

1週間から1か月が一般的です。相場が動けば見直されるので、比較に時間をかけるなら期限を確認してください。

Q. 仲介で売り出したあとに買取へ切り替えられますか。

できます。専任媒介の場合は契約期間(最長3か月)の満了を待つか、解約を申し入れます。切り替えを想定しているなら、媒介契約を結ぶ前に伝えておいてください。

Q. 買取だと、翌年の確定申告は要りませんか。

売却方法にかかわらず、譲渡益が出れば確定申告が必要です。利益が出なくても、空き家の3,000万円特別控除などの特例を使うなら申告します。

Q. きょうだいで意見が割れています。片方が買取、片方が仲介を主張しています。

両方の金額を取ってください。 買取の提示額と仲介の査定額を並べ、諸費用を引いた手取りで比べれば、議論が数字になります。査定はどちらも無料です。

Q. 買取業者に査定を依頼したら、しつこく連絡が来ませんか。

会社によります。連絡方法をメールに指定できるサービスを選ぶと、電話の頻度を抑えられます。断るときは「他社に決めました」とはっきり伝えてください。

Q. 現況のまま買い取ると言われましたが、本当に片付けなくていいですか。

契約書に明記してもらってください。 「残置物の撤去は買主が行う」という一文があれば問題ありません。口頭の約束だと、後から撤去費を請求されることがあります。

Q. 買取で売ると、相続税の納税資金には間に合いますか。

査定から決済まで2週間〜1か月なので、納付期限の1〜2か月前に動けば間に合います。 仲介だと5〜10か月かかるため、相続から半年を過ぎて売れていないなら、買取を選択肢に入れてください。

Q. マンションでも同じ考え方ですか。

基本は同じですが、測量も解体も不要なぶん、買取で浮く費用が少なくなります。 そのぶん仲介が有利になりやすい。一方で、管理費と修繕積立金が売れるまで毎月出ていくので、長期化すると差が縮まります。


まとめ|売値ではなく、手取りで比べる

引き渡しの準備が整った実家の玄関

1. 買取は市場価格の7〜8割

再建築不可や事故物件だと5割前後まで下がります。

2. 標準的な実家では、仲介が200万〜350万円多く残る

買取で浮く費用より、値引き幅のほうが大きいためです。

3. 逆転するのは3つの条件

測量と解体が必要、家財が大量、期限が迫っている。この3つがそろうと結論が変わります。

4. 契約不適合責任の免責は、築古の実家では大きい

親の家の状態を、子は正確に知りません。引き渡し後の請求リスクが消えます。

5. 期限があるなら、買取保証という中間もある

仲介で売り出しつつ、下限を確保する方法です。

6. 買取業者にも種類がある

再販型、活用型、訳あり専門、建売業者。築40年の木造なら、建売業者のほうが高いこともあります。1種類だけに声をかけて諦めないでください。

7. 金額だけでなく、条件で比べる

残置物の引き取り、測量の負担、決済までの日数。これらを含めると、提示額の順位が入れ替わることがあります。

8. 両方の金額を取れば、迷わない

査定は同時に出せます。仲介の想定価格と買取の提示額を並べ、諸費用を引いてください。買取の金額を下限として3か月だけ仲介に出す、という進め方もあります。

売値ではなく、手取りで比べる。 それだけで、判断は数字になります。

仲介と買取、両方の数字を並べる

どちらが得かは物件ごとに変わります。査定は無料で、売ると決めていなくても取れます。2つの金額から諸費用を引けば、答えは自然に出ます。

実家の査定を無料で取る

本欄はプロモーションを含みます。掲載内容・条件は各サービスの公式サイトで最新のものをご確認ください。

この記事について

本記事の内容は2026年9月14日時点の公表情報にもとづきます。買取価格の目安は、物件の状態・地域・時期によって変わります。税制は改正されることがあり、個別の事情によって取り扱いが変わるため、実際の申告にあたっては所轄の税務署または税理士にご確認ください。

この記事を書いた人
葉山 湊実家じまいガイド運営者

企業の財務・事業の調査(デューデリジェンス)や資産の評価を本業としています。費用は内訳と前提条件に分けて示し、制度や税金は法令と国税庁・法務省・国土交通省・各自治体などの一次情報で確かめて、出典と情報の時点を記事に明記しています。

税理士・司法書士・宅地建物取引士などの資格は保有していません。個別の税務・法律の判断は、専門家にご確認ください。

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