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相続登記でも、実家の売却でも、最初に求められるのが登記簿謄本です。正式には登記事項証明書といいます。
取り方は3つあり、手数料と日数が違います。そして、つまずくのはたいてい「手数料」ではなく「地番」のほうです。
郵便が届く住所を書いても、法務局では請求を受け付けてもらえません。
結論|先に3つ

1. 誰でも取れる。所有者本人でなくてよい
登記の内容は公開情報です。他人名義の不動産でも、委任状なしで請求できます。相続人であることを証明する書類も要りません。
2. 手数料は3種類
| 方法 | 手数料 | 受け取りまで |
|---|---|---|
| 法務局の窓口 | 600円 | 即日 |
| 郵送で請求 | 600円+郵送料 | 1週間前後 |
| オンライン請求+郵送受取 | 520円 | 2〜3日 |
| オンライン請求+窓口受取 | 490円 | 即日〜翌日 |
3. 内容を見るだけなら330円で済む
登記情報提供サービスを使えば、その場でPDFが手に入り、330円で済みます。 ただし証明文も公印もないので、法務局や金融機関には提出できません。
名義の確認が済んだら、次は価格
登記簿で名義と面積が分かったら、実家がいくらで売れるかを確かめる番です。査定は無料で、売ると決めていなくても取れます。
プロモーションを含みます。
まず、地番を調べる
ここを飛ばすと請求が通りません。

住居表示と地番は別物
- 住居表示:「桜町一丁目2番3号」。郵便が届く番号。建物に付いている
- 地番:「桜町一丁目15番7」。登記に使う番号。土地に付いている
市街地では住居表示が実施されていて、この2つが一致しません。一方、住居表示が実施されていない地域では、住所がそのまま地番です。
調べる方法は4つ
- 固定資産税の課税明細書を見る — いちばん確実です。土地の欄に地番、家屋の欄に家屋番号が書かれています
- 権利証(登記識別情報)を見る — 不動産の表示の欄にあります
- 法務局に電話する — 住所を伝えれば、地番を教えてもらえます。手数料はかかりません
- ブルーマップを見る — 住居表示と地番を重ねた地図です。法務局や大きな図書館で閲覧できます

建物には「家屋番号」が要る
土地は地番、建物は家屋番号です。たいていは地番と同じ数字ですが、1つの土地に複数の建物があると「15番7の2」のように枝番が付きます。
未登記の建物には家屋番号がありません。 課税明細の家屋番号が空欄なら、登記そのものが存在しない可能性があります。この場合の対処は未登記の実家を相続したらにまとめました。
方法1|法務局の窓口
いちばん確実で、その場で受け取れます。
手数料は600円
収入印紙で納めます。印紙は法務局内で買えます。
どこの法務局でもよい
登記はコンピュータ化されているので、全国どの法務局でも、全国の不動産の証明書を取れます。 実家が遠方でも、自宅の近くの法務局で済みます。
持っていくもの
- 地番・家屋番号のメモ
- 手数料600円(現金。印紙は窓口で購入)
- 印鑑は不要、本人確認書類も不要
申請書の書き方
備え付けの「登記事項証明書交付申請書」に、不動産の種類(土地/建物)、所在、地番・家屋番号、通数を書きます。書き方の見本が窓口に置いてあります。
所要時間
混雑していなければ10〜20分です。
方法2|郵送で請求する
法務局へ行けない、近くにない、という場合です。
手数料は600円+郵送料
申請書に600円分の収入印紙を貼り、返信用封筒(切手を貼ったもの)を同封して、法務局へ送ります。
送り先
どの法務局宛でも構いませんが、混雑していない法務局を選ぶと早く届きます。
申請書の入手
法務局のウェブサイトから様式をダウンロードして印刷します。手書きで構いません。
日数
投函から到着まで1週間前後みておいてください。急ぐ場合には向きません。
収入印紙はどこで買うか
郵便局、コンビニ(200円のみ扱う店が多い)、法務局。600円分なら郵便局が確実です。
方法3|オンライン請求(いちばん安い)
登記・供託オンライン申請システムの「かんたん証明書請求」を使います。

手数料は490円または520円
- 窓口で受け取る:490円
- 郵送で受け取る:520円
窓口600円より110円安く、しかも自宅から請求できます。
専用ソフトは要らない
かんたん証明書請求は、パソコンのブラウザだけで完結します。マイナンバーカードも電子証明書も不要です。
手順
- 登記・供託オンライン申請システムで申請者情報を登録(無料。IDとパスワードを決める)
- ログインして「かんたん証明書請求」を選ぶ
- 不動産の所在と地番を入力する(オンライン上で地番を検索する機能もあります)
- 通数と受け取り方法(窓口/郵送)を指定する
- 請求を送信すると、納付情報が発行される
- インターネットバンキングまたはPay-easy対応のATMで手数料を納付する
受付時間
平日の8時30分から21時までです。土日祝は受け付けていません。
納付を忘れると処理されない
請求を送信しただけでは進みません。納付期限までに手数料を納めないと、請求は自動的に取り下げられます。 ここで止まっている人がよくいます。
内容を見るだけなら、330円
提出用ではなく、自分で中身を確認したいだけの場合です。

登記情報提供サービス
一般財団法人民事法務協会が運営しています。法務局が持っている登記情報を、インターネットでPDFとして閲覧できる有料サービスです。
料金(令和8年4月1日改定)
| 種別 | 料金 |
|---|---|
| 不動産 全部事項 | 330円 |
| 不動産 所有者事項 | 140円 |
| 地図・図面情報 | 360円 |
全部事項330円の内訳は、登記手数料320円と指定法人手数料10円です。
証明書としては使えない
これがいちばん大事な点です。取得できるPDFには証明文も公印もありません。 次の場面では受け付けてもらえません。
- 法務局への相続登記の申請
- 金融機関の融資審査
- 裁判所への提出
- 各種の許認可申請
使いどころ
- 名義が誰になっているかを確認したい
- 抵当権が残っているかを見たい
- 面積や構造を確かめたい
- 共有持分の割合を知りたい
実家じまいの初期段階、「そもそも誰の名義なのか」を確かめる場面には十分です。正式な手続きに入る段になってから、600円の証明書を取れば足ります。
証明書の種類を選ぶ
請求書に種類を書く欄があります。
全部事項証明書
閉鎖された部分も含めて、すべての履歴が載ります。迷ったらこれです。 過去の所有者、抹消された抵当権まで分かります。相続や売却ではこれを求められます。
現在事項証明書
現在有効な部分だけが載ります。抹消済みの記載は出ません。履歴が長い不動産では読みやすくなりますが、過去の経緯が追えません。
一部事項証明書
マンションなど、権利者が多数いる場合に、必要な部分だけを取るものです。
共同担保目録と信託目録は、指定しないと付かない
複数の不動産に同じ抵当権が設定されている場合、その一覧が共同担保目録です。「共同担保目録が必要」と請求時に指定しないと、付いてきません。 実家に抵当権が残っていて、他にも担保に入っている不動産がないかを確かめたいときは、忘れずに指定してください。
登記簿の読み方|3つの部分でできている
取っただけでは意味がありません。どこに何が書いてあるかです。

表題部|その不動産が何か
- 土地:所在、地番、地目(宅地・田・畑など)、地積(面積)
- 建物:所在、家屋番号、種類、構造、床面積、建築年月日
ここで実際の建物と床面積が合っているかを確かめます。増築していて登記していなければ、数字がずれます。
権利部(甲区)|所有権に関すること
誰が所有者かが、履歴とともに書かれています。
- 順位番号、登記の目的(所有権移転など)、受付年月日、原因(売買・相続など)、所有者の住所氏名
- 差押えや仮差押えがあれば、ここに出ます
所有者の住所が古いままのことがあります。 売却の際は住所変更登記が必要になります。
権利部(乙区)|所有権以外の権利
抵当権、根抵当権、地上権、賃借権など。
- 抵当権の債権額、債務者、抵当権者(金融機関)
- 完済していても、抹消登記をしなければ記載は消えません
下線が引かれている記載は「抹消済み」
全部事項証明書では、効力を失った記載に下線が引かれます。抵当権に下線があれば、すでに抹消されています。下線がなければ生きています。
何通必要か
余分に取ると無駄になり、足りないと取り直しになります。

実家じまいで必要になる場面
| 場面 | 必要な通数 | 備考 |
|---|---|---|
| 相続登記の申請 | 0通 | 法務局が自分で確認するため不要 |
| 相続税の申告 | 1通 | 土地の評価に使う |
| 遺産分割協議書の作成 | 1通 | 不動産の表示を正確に書き写すため |
| 売却の媒介契約 | 1通 | 不動産会社が確認する |
| 金融機関の手続き | 1通 | 求められた場合のみ |
多くの場面ではコピーで足りる
原本の提出を求められるのは、法務局と一部の金融機関くらいです。遺産分割協議書を作るための確認や、不動産会社への提示はコピーで構いません。
まず1通、必要になったら追加
1通だけ取って、必要な場面ではコピーを使い、原本を求められたときに追加で取るのが無駄がありません。
発行から3か月以内、という制限
金融機関などで「発行から3か月以内のもの」を求められることがあります。先に何通も取っておくと、期限切れで取り直しになります。
実家じまいで登記簿を見る4つの目的
単に取るだけでなく、何を見るかです。
1. 名義が誰になっているか
権利部の甲区を見ます。父が亡くなったと思っていたら、実は祖父名義のままだった、というケースは珍しくありません。 この場合、祖父から父、父から自分へと2段階の相続登記が必要になります。
2. 抵当権が残っていないか
権利部の乙区を見ます。住宅ローンを完済していても、抹消登記をしていなければ抵当権は残ったままです。 売却の前に抹消する必要があります。
3. 面積と構造
表題部を見ます。登記簿の床面積と実際の面積が違う場合、増築が未登記の可能性があります。売却時に金融機関から指摘されます。
4. 共有になっていないか
甲区に複数の名前があれば共有です。持分の割合も書かれています。共有だと売却に全員の同意が要ります。分け方は実家を兄弟でどう分けるかにまとめました。
5. 差押えが入っていないか
甲区に「差押」の登記があれば、税金の滞納や債務の問題が背景にあります。この状態では通常の売却ができません。滞納分を清算して差押えを解除する必要があります。
相続財産に何が含まれるかを確かめる段階では、相続手続きの必要書類と集め方もあわせて確認してください。
名義の整理から売却まで、まとめて相談する
名義が何代も前のままだと、自分で進めるのは難しくなります。全国対応・初回相談無料の窓口なら、戸籍収集から登記まで一括で任せられます。
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どの方法を選ぶか
状況で決まります。
窓口が向いている人
- 今日中に原本が要る
- 近くに法務局がある
- 1〜2通で足りる
- パソコンの操作に不安がある
オンラインが向いている人
- 何通も必要(相続で複数の不動産があるなど)
- 平日の日中に動けない
- 実家が遠方で、近くの法務局も混んでいる
登記情報提供サービスが向いている人
- 提出先がなく、自分で内容を確認したいだけ
- 名義や抵当権を今すぐ知りたい
- 複数の不動産をまとめて確認したい
組み合わせるのが実際にはいちばん安い
最初に登記情報提供サービス(330円)で中身を確認し、手続きに入る段階で必要な分だけ証明書を取る。先に何通も取っておくと、3か月の期限に引っかかって取り直しになります。
地図や図面も取れる
土地の形や境界を確かめたいときです。
手数料は登記事項証明書より安い
公図・地積測量図・建物図面は「地図等情報」という区分で、証明書とは別の金額です。
| 請求方法 | 手数料 |
|---|---|
| 窓口(書面請求) | 500円 |
| オンライン請求+送付 | 470円 |
| オンライン請求+窓口交付 | 440円 |
公図(地図に準ずる図面)
土地の形と位置関係が分かります。ただし精度は高くありません。 明治期の地図がもとになっている地域もあります。
地積測量図
土地の測量結果です。境界の位置や辺の長さが記載されています。ただしすべての土地にあるわけではありません。 過去に分筆や測量をしていない土地には存在しません。
建物図面・各階平面図
建物の位置と各階の形です。こちらも古い建物では存在しないことがあります。
売却前に確認する意味
地積測量図がない土地は、売却時に確定測量を求められることがあります。費用は35万〜80万円。詳しくは実家を売るときの諸費用で整理しています。
よくある質問
Q. 他人の家の登記簿を取ってもいいのですか
問題ありません。登記は公示制度で、誰でも見られることに意味があります。取得の記録が所有者に通知されることもありません。
Q. 登記簿謄本と登記事項証明書は違うものですか
同じものです。コンピュータ化される前の紙の時代は「謄本」、現在は「登記事項証明書」と呼びます。実務では両方の呼び方が使われています。
Q. マンションの場合は何を取ればいいですか
専有部分の建物と、敷地権の記載がある全部事項証明書を取ります。地番ではなく家屋番号で請求します。
Q. 印鑑証明書や戸籍と一緒に取れますか
取れません。登記事項証明書は法務局、印鑑証明書と戸籍は市区町村です。窓口が違います。
Q. 有効期限はありますか
登記事項証明書自体に期限はありません。ただし提出先が「発行から3か月以内」といった条件を付けることがあります。
Q. 相続登記のときに自分で取る必要はありますか
法務局が自分で確認するので、申請書に添付する必要はありません。ただし不動産の表示を正確に書き写すために、手元に1通あると確実です。
Q. オンライン請求でクレジットカードは使えますか
使えません。インターネットバンキング、モバイルバンキング、Pay-easy対応のATMのいずれかです。
Q. 枚数が多いと手数料は上がりますか
1通の枚数が50枚を超える場合、超える50枚までごとに100円が加算されます。一般的な戸建てなら数枚なので、加算されることはまずありません。
Q. 登記事項要約書とは何ですか
現在の登記内容の要点だけをまとめたもので、手数料は500円です。ただし認証文がないため証明書としては使えず、窓口でしか請求できません。使いどころは限られます。
まとめ
- 登記事項証明書は誰でも請求できる。委任状も本人確認も不要
- 手数料は窓口600円、オンライン請求で郵送520円、窓口受取490円
- 内容を見るだけなら登記情報提供サービスが330円。ただし証明書としては使えない
- 請求に要るのは住所ではなく地番・家屋番号。課税明細書で確認するのが最短
- 全国どの法務局でも、全国の不動産の証明書が取れる
- 迷ったら全部事項証明書。共同担保目録は指定しないと付かない
- まず1通取って、原本が要る場面で追加するのが無駄がない
登記簿で確かめるべきは、名義・抵当権・面積・共有の4点です。ここで「祖父名義のままだった」「抵当権が残っていた」と分かれば、売却の前にやることが決まります。
名義と面積が確定したら、次はその実家がいくらになるのかです。
名義を確認したら、価格を確かめる
登記簿で面積と名義が分かれば、査定に必要な情報はそろっています。複数社の査定を無料で比べられます。売ると決めていなくても取れます。
プロモーションを含みます。

