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実家がいくらで売れるか調べる方法|無料で使える3段階と、精度の違い

実家がいくらで売れるかを調べる 実家の売却・活用
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実家をどうするかを決めるとき、最初に必要なのは金額です。売るか、貸すか、解体するか。どれを選ぶにしても、いくらになるのかが分からないと比べられません。

しかも相続では、遺産分割協議でも相続税の申告でも、実家の金額が前提になります。

調べ方は3段階あり、手間と精度が比例します。全部無料でできます。

みどりみどり
不動産会社に頼む前に、自分でだいたいの金額を知りたいのですが。
たくみ先生たくみ先生
できます。課税明細書があれば5分で概算が出ますし、国土交通省のサイトで近所の実際の成約価格も無料で見られます。 ただし、そこで出るのは「相場」であって「この家の値段」ではありません。順に精度を上げていきましょう。

結論|先に3つ

実家の価格を調べる3段階と精度

1. 精度は3段階で上がる

段階 手段 所要 精度
1 課税明細書から逆算 5分 ざっくり
2 不動産情報ライブラリ+レインズ 30分 近隣の相場
3 査定(机上→訪問) 1〜7日 この物件の価格

2. ポータルサイトの価格は「成約価格」ではない

SUUMOなどで見えるのは売出価格、つまり売主の希望額です。実際に成約する価格は、これより低いのが普通です。 ここを取り違えると、判断を誤ります。

3. 建物の価値は、木造なら20年前後でほぼゼロになる

築30年を超えた木造戸建てでは、価格のほとんどが土地です。「建物にいくら残っているか」を期待しないことです。

3段階目まで無料でできる

自分で調べた相場と、実際の査定額がどれだけ違うかは、取ってみないと分かりません。複数社を比べられて、売ると決めていなくても取れます。

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段階1|課税明細書から5分で逆算する

手元に固定資産税の納税通知書があれば、その場でできます。

固定資産税評価額と路線価から実勢価格を逆算する

公的な価格は、実勢価格の何割か

土地には4つの公的な価格があり、それぞれ水準が決まっています。

指標 公示地価に対する水準 逆算のしかた
公示地価 100% —
相続税路線価 80% 路線価を0.8で割る
固定資産税評価額 70% 評価額を0.7で割る

やってみる

課税明細書の土地の「価格(評価額)」を見ます。ここでは1,680万円だったとします。

1,680万円を0.7で割ると、2,400万円。

これが土地の実勢価格の目安です。

路線価からでも同じ数字に近づく

国税庁の路線価図で、実家が面している道路の数字を読みます。1㎡あたり10万6,000円、土地が180㎡なら、路線価の合計は1,908万円。

これを0.8で割ると、2,385万円。

2つの逆算がおおむね一致すれば、目安として信頼できます。

建物は足さなくてよいことが多い

木造戸建ての場合、築20年を超えると建物の市場価値はほとんど残りません。課税明細の家屋の評価額が320万円でも、売買では価格に乗らないと考えたほうが実態に合います。

この方法の限界

  • 土地の形、間口、接道、日当たりを反映しない
  • 駅からの距離や周辺の需要を反映しない
  • 一戸建てが売れない地域では、この額でも売れない

あくまで「桁を間違えていないか」を確かめるための数字です。

みどりみどり
逆算したら2,400万円でした。この金額で売れるということですか。
たくみ先生たくみ先生
いいえ。これは税金を計算するための価格をもとにした目安です。実際の売買では、同じ地域でも角地なら高く、旗竿地なら安くなります。2,400万円という数字は「1,000万円台ではなく2,000万円台だ」という確認に使ってください。

段階2|実際の成約価格を30分で調べる

ここからが本題です。実際に取引された価格を、無料で見られる公的なサイトが2つあります。

不動産情報ライブラリとレインズの違い

不動産情報ライブラリ(国土交通省)

2024年4月1日に運用が始まったサイトです。それまでの「土地総合情報システム」と「標準地・基準地検索システム」を統合したものです。

  • 地図上に、取引価格・地価公示・都道府県地価調査を重ねて表示できる
  • ハザードマップ、都市計画情報、周辺施設も同じ地図で見られる
  • 2025年3月31日時点で約547万件の取引価格情報が蓄積されている
  • 無料・登録不要

取引価格は、実際に取引した当事者へのアンケートをもとに集められたものです。不動産取引価格情報提供制度に基づくもので、推計値ではありません。

レインズ・マーケット・インフォメーション

不動産流通機構が運営するサイトです。不動産会社が使う「レインズ」のデータのうち、成約情報を一般公開しています。

  • 成約価格が分かる(売出価格ではない)
  • 分かる項目:所在(市区町村レベル)、最寄り駅と徒歩分数、成約単価、専有面積・間取り、築年数、成約時期、用途地域
  • 成約時期は3か月以内/6か月以内/1年以内から選べる
  • 無料・登録不要

2つの使い分け

不動産情報ライブラリ レインズ・マーケット・インフォメーション
運営 国土交通省 不動産流通機構
データ源 取引当事者へのアンケート 不動産会社の成約報告
地図表示 あり なし
絞り込み 種類・地域・期間 駅・面積・築年数・期間

両方見ると精度が上がる

同じ地域で、2つのサイトの数字が近ければ信頼できます。大きく離れていれば、取引事例が少ない地域だということです。

見るときのコツ

  • 自分の実家と面積・築年数・駅距離が近い事例だけを見る
  • 1件で判断せず、3〜5件の幅を見る
  • 極端に高い事例と安い事例は除く
  • 1年より古い事例は、相場が動いている可能性がある

不動産情報ライブラリの使い方

実際の操作です。パソコンでもスマートフォンでもできます。

不動産情報ライブラリで取引価格を調べる手順

1. サイトを開いて実家の場所を表示する

住所で検索するか、地図を動かして実家の場所まで移動します。

2. 「不動産価格情報」を表示する

地図上にピンが立ちます。1つのピンが1件の取引です。

3. 絞り込む

  • 種類:宅地(土地と建物)/中古マンション等/農地/林地
  • 期間:四半期単位で指定できる
  • 価格帯、面積帯

戸建ての実家なら「宅地(土地と建物)」を選びます。

4. ピンをクリックして中身を見る

1件ごとに次が表示されます。

  • 取引総額
  • 面積(土地・建物)
  • 単価(1㎡あたり、坪あたり)
  • 建築年、建物の構造
  • 最寄り駅と徒歩分数
  • 前面道路の幅員と種類
  • 都市計画、建ぺい率・容積率

5. 自分の実家に近い事例を3〜5件書き出す

面積が近く、駅距離が近く、築年数が近いものを選びます。

注意すべき点

  • 所在地は町名までしか出ません。番地は公開されません
  • 面積は一定の幅に丸められています(180㎡なら「180㎡」ではなく丸めた値)
  • 取引時期は四半期単位です

個別の取引を特定できないようになっているので、「隣の家がいくらで売れたか」は分かりません。 地域の水準を知るための道具です。


レインズ・マーケット・インフォメーションの使い方

こちらは駅と面積で絞り込めるのが強みです。

1. 地域を選ぶ

都道府県、地域(市区町村)を選びます。

2. 追加条件を設定する

  • 最寄り駅
  • 用途地域
  • 専有面積・土地面積
  • 成約時期(3か月以内/6か月以内/1年以内)
  • 建築年

3. グラフと一覧を見る

直近1年の取引価格の推移がグラフで表示され、その下に個別の成約事例が並びます。

マンションのほうがデータが厚い

レインズはマンションの成約情報が特に充実しています。同じマンションの別の部屋の成約価格が見つかれば、そのまま自分の部屋の目安になります。 戸建ては個別性が強いので、参考程度です。

相続したマンションの売却は相続したマンションを売るにまとめました。


地価公示と地価調査も見ておく

取引事例が少ない地域では、こちらが手がかりになります。

地価公示と都道府県地価調査の違い

地価公示

  • 国土交通省が実施
  • 毎年1月1日時点の価格
  • 3月に公表
  • 都市計画区域内が中心

都道府県地価調査

  • 都道府県が実施
  • 毎年7月1日時点の価格
  • 9月に公表
  • 都市計画区域外も含む

2つ見ると、半年ごとの動きが分かる

1月1日と7月1日の価格を並べれば、その地域の地価が上がっているか下がっているかが見えます。売り時を考えるうえでは、水準よりも「向き」のほうが役に立ちます。

標準地は実家そのものではない

地価公示の価格は、選ばれた「標準地」の価格です。実家の土地そのものではありません。同じ町内の標準地を探して、水準の参考にします。

どちらも不動産情報ライブラリで見られる

同じ地図上に重ねて表示できます。取引事例のピンと一緒に見られるのが便利です。


相場が動いているかを確かめる

金額だけでなく、方向も見ます。

確認する3つのこと

  1. 地価公示・地価調査の前年比 — 上がっているか、下がっているか
  2. 成約件数 — レインズで直近3か月と1年を比べる。件数が減っていれば動きが鈍い
  3. ポータルサイトの掲載期間 — 長期間残っている物件が多ければ、需要が弱い

下がっている地域では、早く動くほうが有利

地方では地価が下落し続けている地域があります。迷っている期間そのものが損失になる、という判断もあります。

空き家のまま持ち続けるコスト

  • 固定資産税・都市計画税:年間2万〜14万円
  • 火災保険:年間1万〜3万円
  • 管理・草刈り:年間3万〜12万円

年間で10万円前後は出ていきます。管理費用の相場は遠方の空き家管理はいくらかにまとめました。

逆に、上がっている地域なら急がなくてよい

ただし相続では、空き家の3,000万円特別控除に「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」という期限があります。値上がりを待って期限を逃すと、税額で数百万円の差が出ます。

みどりみどり
実家のある町は、地価が毎年少しずつ下がっています。
たくみ先生たくみ先生
その場合、待つ理由がありません。 下落が年2%なら、2,400万円の土地が1年で48万円目減りします。加えて固定資産税と管理費で年10万円前後。迷っている1年で60万円近く失う計算です。売ると決めているなら、早いほど有利です。

ポータルサイトの価格を、成約価格と混同しない

ここを間違えている人がとても多いところです。

売出価格と成約価格の違い

ポータルサイトで見えるのは売出価格

SUUMO、at home、ホームズなどに出ている価格は、売主が「この値段で売りたい」と出している希望額です。

成約価格は、それより下がるのが普通

売り出してすぐ決まる物件もありますが、多くは価格交渉を経ます。売れ残れば値下げもします。

それでもポータルサイトを見る意味はある

  • いま競合になる物件が何件あるか
  • 自分の実家と似た物件が、いくらで出ているか
  • どれくらいの期間、掲載され続けているか

長く掲載されている物件の価格は、「その値段では売れない」という証拠です。 自分の売出価格を決めるときの上限として使えます。

売出価格と成約価格の差

一律の数字はありません。人気のあるエリアでは数%、需要が弱い地域では1割以上下がることもあります。この差を知るには、レインズで成約価格を見るしかありません。

みどりみどり
近所に似た家が2,800万円で出ています。うちも同じくらいでしょうか。
たくみ先生たくみ先生
その2,800万円は売り出しの希望額です。レインズで同じ地域の成約価格を見てください。2,500万円台で決まっているかもしれません。 それと、その物件がいつから掲載されているかも見ておくと参考になります。半年出ていれば、その価格では動いていないということです。

段階3|査定で「この家の価格」を出す

相場が分かったら、最後は自分の実家の価格です。

机上査定と訪問査定の違い

机上査定(簡易査定)

住所・面積・築年数などの情報だけで算出します。

  • 所要:即日〜翌日
  • 精度:相場+物件情報の反映まで
  • 現地を見ないので、建物の傷みや眺望は反映されない

訪問査定(詳細査定)

実際に現地を見て算出します。

  • 所要:1週間程度(日程調整を含む)
  • 精度:高い。実際の売出価格の根拠になる
  • 建物の状態、境界、日当たり、接道、周辺環境まで見る

相続では、まず机上査定で足りることが多い

遺産分割の話し合いや、相続税の見当をつける段階なら、机上査定の数字で十分です。実際に売ると決めてから訪問査定に進めばよいので、最初から現地立会いを構える必要はありません。

複数社に出す理由

査定額は会社によって差が出ます。同じ物件で数百万円違うこともあります。理由は、その会社が持っている買主の情報、得意なエリア、在庫の状況が違うからです。

高い査定額が良いとは限らない

媒介契約を取るために高めの数字を出す会社があります。その価格で売り出しても売れず、結局は値下げすることになります。根拠を説明できるかどうかで判断してください。査定書の見方は相続した実家の一括査定にまとめました。

相場を調べたら、実際の数字と突き合わせる

自分で出した概算と、不動産会社の査定額がどれだけ違うか。ここを比べて初めて、判断できる数字になります。査定は無料で、売ると決めていなくても取れます。

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査定を取る前に用意しておくもの

そろえておくと、査定額の精度が上がります。

査定の前にそろえる書類

必須ではないが、あると精度が上がるもの

書類 何が分かるか 入手先
登記事項証明書 名義、面積、抵当権 法務局(600円)
固定資産税の課税明細書 評価額、地番 毎年4〜5月に届く
公図 土地の形、接道 法務局(500円)
地積測量図 正確な面積、境界 法務局(500円)※ない場合も
建築確認済証・検査済証 建築年、違反建築でないこと 実家の書類箱
購入時の売買契約書 取得費(税金の計算に使う) 実家の書類箱

購入時の契約書は、査定より税金に効く

親が買ったときの契約書がないと、取得費が売却価格の5%として計算され、譲渡所得税が大きく増えます。2,400万円で売った場合、契約書の有無で数百万円の差になります。 査定の前でも後でもよいので、必ず探してください。

登記関係の取り方は登記簿謄本の取り方にまとめました。

伝えておくとよい情報

  • リフォームの履歴(いつ、どこを、いくらで)
  • 過去の雨漏りや傾き、シロアリの有無
  • 近隣との境界に関する取り決め
  • 前面道路の持ち主(私道かどうか)

隠しても後から出てきます。告知すべきことを伝えずに売ると、契約不適合責任を問われます。


価格が付きにくい実家もある

相場どおりにならない条件です。

価格が付きにくい実家の5つの条件

1. 再建築不可

接道義務(幅4メートル以上の道路に2メートル以上接すること)を満たさない土地です。建て替えができないため、相場の5〜7割になることがあります。再建築不可の実家を売るにまとめました。

2. 借地

土地が他人のもので、建物だけが自分のもの。借地権の売却には地主の承諾が要り、承諾料も発生します。借地権の実家を相続したらで整理しています。

3. 共有名義

売るには共有者全員の同意が必要です。1人でも反対すれば動きません。共有名義の実家を売るにまとめました。

4. 事故物件

告知義務があり、価格は下がります。下落率は事案の内容と経過年数によります。事故物件になった実家を売るで扱っています。

5. 市街化調整区域

原則として建物を建てられない区域です。買い手が限られます。

これらは一括査定でも数字が出にくい

条件が特殊だと、机上査定では「査定不可」となることがあります。訳あり物件を専門に扱う買取業者なら、条件付きでも数字を出してくれます。

一般の査定で数字が出ない実家なら

再建築不可、借地、共有、事故物件。条件が特殊な実家は、専門に扱う買取業者のほうが具体的な金額を出せます。無料で相談できます。

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田舎の実家は、相場が出ないことがある

地方や郊外では、段階2で行き詰まります。

取引事例そのものが少ない

不動産情報ライブラリで検索しても、近隣の事例が数件しか出ない、あるいはゼロということがあります。

その場合に見るもの

  • 範囲を広げる:同じ市町村全体、隣接する市町村まで
  • 期間を延ばす:直近1年ではなく、3〜5年分
  • 公示地価・地価調査:近くの標準地の価格を見る。実際の取引ではないが、水準は分かる

それでも分からないなら、査定を取るしかない

地元の不動産会社は、サイトに出てこない取引を知っています。データがない地域ほど、査定の価値が高くなります。

「売れない」と「安い」は違う

相場が出ないのは、取引が少ないからです。売れないわけではありません。ただし売れるまでの期間は長くなります。 判断材料は実家が売れないで整理しています。


マンションの実家は、戸建てより調べやすい

同じ建物に、比べられる部屋があるからです。

戸建てとマンションの違い

戸建て マンション
似た物件 ほぼない 同じ建物内にある
価格を決める要素 土地の形、接道、築年数 階数、向き、専有面積、管理状態
机上査定の精度 低い 高い
相場の調べやすさ 難しい 易しい

マンションで見るべき3つ

  1. 同じマンションの成約事例 — レインズ・マーケット・インフォメーションでマンション名は出ませんが、最寄り駅・築年数・専有面積で絞れば、ほぼ同じ建物の事例に当たります
  2. 同じマンションの売出中の部屋 — ポータルサイトで検索すれば出てきます。これは売出価格なので、1割前後引いて見ます
  3. 階数と向きの補正 — 同じ面積でも、上階と南向きは高くなります

管理費と修繕積立金の滞納に注意

親が滞納していた場合、その債務は買主に引き継がれます。滞納があると、その分だけ値引きを求められます。 管理組合か管理会社に「重要事項調査報告書」を出してもらえば、滞納の有無が分かります。

修繕積立金が不足している建物は、価格が伸びない

長期修繕計画に対して積立金が足りていないマンションは、買主が敬遠します。これも重要事項調査報告書で分かります。

みどりみどり
母のマンションは築38年です。もう値が付かないでしょうか。
たくみ先生たくみ先生
マンションは築年数だけでは決まりません。立地と管理状態のほうが効きます。 駅が近くて管理が行き届いていれば、築40年でも十分に売れます。逆に管理がゆるいと、築20年でも苦戦します。同じ建物の直近の成約事例を見るのが、いちばん早いです。

一括査定の入力で、迷いやすいところ

入力そのものは5分ですが、つまずく欄があります。

土地面積・建物面積が分からない

課税明細書か登記事項証明書に書かれています。登記簿の面積と実測が違うことがあるので、登記簿の数字をそのまま入れて構いません。 取り方は登記簿謄本の取り方にまとめました。

「築年数」は登記の年月日で

建物の登記事項証明書の表題部に「令和○年○月○日新築」と書かれています。

名義が親のままのとき

「所有者との関係」で「親族」「相続予定」を選べます。名義が親でも査定は受けられます。本人以外の申込を受け付けない会社もあるので、そのときは本人以外の申込にも対応していると明記されたサービスを使うのが確実です。

訪問と机上、どちらを選ぶか

机上査定 訪問査定
所要 当日〜翌日 1〜2週間
精度 上下2割ほどぶれる 上下1割以内に収まる
立ち会い 不要 必要(鍵も)
向く場面 金額の見当をつける 売る方向が固まった

まず机上で、数字が出たら訪問へ。この順でいいです。

連絡方法の希望は、備考欄に書く

「メール希望」「平日夜のみ電話可」と書いておくと、連絡の量がかなり変わります。空欄にすると全社から電話が来ます。

名義が親のままでも査定できます

相続予定の実家でも、本人以外の申込を受け付けているサービスなら査定を取れます。無料です。

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調べた金額から、手取りを出す

売値がそのまま手元に残るわけではありません。

引かれるもの

項目 目安
仲介手数料 売買代金の3.3%+6万6,000円(税込・400万円超の場合)
印紙税 1万円(1,000万円超5,000万円以下)
登記費用(抵当権抹消など) 1万〜3万円
相続登記 評価額の0.4%+司法書士報酬
測量(必要な場合) 35万〜80万円
家財の処分 15万〜60万円
譲渡所得税 利益が出た場合のみ

2,400万円で売れた場合

  • 仲介手数料:85万2,000円
  • その他の費用:合計で50万〜150万円程度
  • 手取り:2,150万〜2,250万円

諸費用の詳細は実家を売るときの諸費用一覧にまとめました。

税金がかかるかどうかは、取得費で決まる

親が買ったときの契約書が見つかれば、その金額が取得費です。見つからないと売却価格の5%として計算され、利益が大きく出てしまいます。2,400万円で売った場合、取得費120万円として2,280万円近い利益が出た扱いになります。

契約書を探すことの重要性は相続した実家を売るときの税金で説明しています。


金額が出たら、3つの出口を比べる

価格を調べる目的は、判断するためです。

実家の3つの出口を金額で比べる

土地2,400万円・建物ほぼ0円の実家で比べます

出口 入るお金 出ていくお金 手元に残るもの
そのまま売る 2,400万円 諸費用135万〜235万円 現金 約2,200万円
解体して売る 2,500万円 解体150万円+諸費用 現金 約2,200万円
貸す 家賃 年69万円 初期費用103万〜249万円 築古の家と毎年の手取り

解体してもしなくても、手取りはあまり変わらない

更地にすれば買い手が広がり、価格は上がります。ただし解体費がそのまま乗るので、結果として手取りが逆転しないことが多いのです。 判断材料は実家の解体費用の相場にまとめました。

貸すと、売る選択肢を失う

賃貸に出すと、空き家の3,000万円特別控除が使えなくなります。年69万円の手取りで、失った控除分を埋めるには何年かかるか。この計算は相続した実家を貸すで整理しています。

買取という4つ目

仲介より安くなりますが、早く確実に現金になります。相場の7割前後が目安です。手取りベースの比較は不動産の買取と仲介はどちらが得かにまとめました。

どれを選ぶにしても、出発点は「2,400万円」という数字

この数字がないと、解体費150万円が高いのか安いのかも判断できません。


やってはいけない調べ方

精度を下げる行為です。

1. 知り合いの不動産会社1社にだけ聞く

その会社の在庫状況や得意エリアが反映された数字になります。1社の査定額は「相場」ではなく「その会社の意見」です。

2. 高い査定額をそのまま売出価格にする

媒介契約を取るために高めの数字を出す会社があります。その価格で売り出しても反響がなく、値下げを繰り返すことになります。値下げを繰り返した物件は、買主から「何か問題があるのでは」と見られます。

3. 売出価格の平均を相場だと思う

ポータルサイトに出ている価格の平均は、売主の希望額の平均です。成約価格ではありません。

4. 5年前の取引事例を使う

相場は動きます。直近1年、長くても3年以内の事例を見てください。

5. 建物の価値を過大に見る

「2,000万円かけて建てた家だから」という理由は、市場では通りません。木造戸建ては築20年を超えると、建物の評価はほぼ残りません。

6. リフォームしてから売ろうとする

かけた費用がそのまま価格に乗ることは、まずありません。判断は実家はリフォームして売るかで整理しています。

みどりみどり
1社に査定を頼んだら3,000万円と言われました。自分の概算より高いのですが。
たくみ先生たくみ先生
概算より2割以上高いなら、その根拠を聞いてください。 「最近この地域は上がっている」という説明ができるなら妥当です。できないなら、媒介契約がほしいだけの数字かもしれません。他社の査定と並べると、その1社が高すぎるのか、他が安すぎるのかが分かります。

相続の場面では、2つの「価格」を使い分ける

紛らわしいので整理します。

場面 使う価格 調べ方
相続税の申告 相続税評価額 路線価 × 地積
遺産分割の話し合い 実勢価格(時価) 査定額

この2つは一致しません

相続税評価額は実勢価格の8割程度です。遺産分割で「相続税の評価額で分ける」と決めると、実家を取得した人が得をします。 きょうだいで分けるときは、どちらの価格を基準にするかを最初に決めてください。

代償分割では査定額を使うのが一般的

1人が実家を取得して、他方に現金を払う形です。このときの計算基礎は実勢価格にするのが公平です。詳しくは実家を兄弟でどう分けるかにまとめました。

相続税がかかるかどうかの判定は、評価額で

こちらは路線価ベースです。基礎控除を超えるかの判定は相続税はいくらからかかるかで整理しています。

みどりみどり
査定額と相続税の評価額、どちらで弟と分ければいいでしょうか。
たくみ先生たくみ先生
実勢価格、つまり査定額を使うのが公平です。 相続税評価額は路線価ベースなので実勢の8割程度。それで分けると、実家をもらう側が2割得をする計算になります。査定を取って、その数字を協議の土台にしてください。 数字が1つあれば、話は前に進みます。

よくある質問

Q. 査定を取ると、営業電話がかかってきますか

来ます。ただし一括査定の入力欄に「メールのみ希望」「日中は連絡不可」と書いておけば、かなり減ります。備考欄に書いておくのが効きます。

Q. まだ相続登記が終わっていませんが、査定は取れますか

取れます。査定は売却の前段階なので、名義が親のままでも問題ありません。ただし実際に売る段階では相続登記が必須です。

Q. 空き家のままでも査定してもらえますか

できます。訪問査定では鍵を開けて中を見てもらいます。遠方で立ち会えない場合は、近隣の親族に依頼するか、机上査定で止めておく方法もあります。

Q. AI査定はどれくらい当たりますか

マンションのように似た物件が多いものでは、そこそこ当たります。戸建ては個別性が強いため、精度は落ちます。 目安として使う分には構いません。

Q. 固定資産税評価額はどこで分かりますか

毎年4〜5月に届く納税通知書の課税明細書に書かれています。見つからなければ、市区町村で固定資産評価証明書(300円前後)を取れます。

Q. 調べた金額を不動産会社に言うべきですか

言わないほうが、会社の素の査定額が出ます。査定額をもらってから「自分ではこう見ていた」と伝えて、差の理由を聞くほうが情報が得られます。


まとめ

  • 精度は3段階。5分の逆算 → 30分の成約価格調査 → 査定
  • 課税明細の評価額を0.7で割る、路線価を0.8で割ると実勢価格の目安が出る
  • 成約価格は不動産情報ライブラリ(国交省・約547万件)とレインズ・マーケット・インフォメーションで無料で見られる
  • ポータルサイトの価格は売出価格であって成約価格ではない
  • 木造戸建ては築20年を超えると、価格のほとんどが土地
  • 相続では相続税評価額(路線価ベース)と実勢価格(査定額)を使い分ける。遺産分割は実勢価格で
  • 取引事例が少ない地域ほど、査定の価値が高い

ここまでは全部無料です。そして最後の査定まで進めて初めて、「売る・貸す・解体する」を数字で比べられるようになります。

逆に言えば、金額が1つも出ていない状態では、どの選択肢も検討できません。

まず数字を1つ、手に入れる

自分で調べた相場と、不動産会社の査定額。この2つがそろえば、実家をどうするかを数字で決められます。複数社を無料で比べられて、売ると決めていなくても取れます。

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この記事を書いた人
葉山 湊実家じまいガイド運営者

企業の財務・事業の調査(デューデリジェンス)や資産の評価を本業としています。費用は内訳と前提条件に分けて示し、制度や税金は法令と国税庁・法務省・国土交通省・各自治体などの一次情報で確かめて、出典と情報の時点を記事に明記しています。

税理士・司法書士・宅地建物取引士などの資格は保有していません。個別の税務・法律の判断は、専門家にご確認ください。

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